あなたはアドラー心理学についてご存知でしょうか?
テレビでも多々取り上げられていますし、書店でも様々な関連本が並んでいることから、
一度くらい目にしたこと、耳にしたことがある方は多いのでは?
アドラー心理学とは?
アドラー心理学の生みの親である、アルフレッド・アドラーは
心理学の三大巨頭であるフロイトやユングと並んで有名な心理学者の一人です。
一時はフロイトと一緒に研究をしていたこともありましたが決別、
その後はアドラー心理学を使った診療や講演に従事するようになりました。
アドラー心理学は別名
- 「個人心理学」
- 「勇気の心理学」
とも呼ばれていて、対人関係で悩みを持つ人や
自分自身が抱えている悩みに対してのアプローチが多いため、
日常生活から大いに役立てることができます。
当サイトでも以前「【入門編】アドラー心理学とは?オススメの名言をわかりやすく紹介!」で特集しておりますので併せてお読みいただければと思います。
注目されているアドラー心理学
昔から心理学ではフロイトやユングは有名な心理学者として名を馳せていましたが、
アドラー心理学はそれほどまで有名ではありませんでした。
(私が大学で心理学を勉強していた17年前も
あまりアドラーは取り上げられていなかったと思います。)
しかし、近年になって
- 「嫌われる勇気」
- 「人生に革命が起きる100の言葉」
と言った本が次々に出版され、現在では注目されている心理学の一つになっています。
なぜアドラー心理学が注目されているの?
なぜ、アドラー心理学が注目されているのかというと、
- 人間関係の悩みに対してのアプローチが分かりやすく理論付けられている
- 人間関係の観点から効果的な技法も紹介されている
からです。
例えば、
- 「いつも良い人でいたい」
- 「頼まれ事が断れない」
- 「外出するのが怖い」
- 「仕事がうまくいかない」
と言った悩みや、問題を抱えている方にも有効な技法が書籍などに書いてあり
実行しやすいと言われています。
「仕事がうまくいかない」人をアドラー心理学で考えると?
この人の悩みを掘り下げてみると、
- 「上司に怒られてばかりいる」
- 「職場の同僚よりも仕事の進むペースが遅い」
- 「営業成績が思わしくない(他の人より)」
というように、人間関係が必ずその悩みに関連してくると考えます。
この「人間関係」の悩みに注目すると解消される可能性が高いため、
アドラー心理学は「人間関係の悩みがラクになれば、自分の悩みも軽くなる」と話しています。
アドラー心理学ではどうやって悩みを軽くするの?
アドラー心理学は4つの視点で人間関係を考えていきます。
- 自分自身
- 他者(相手)
- 関係
ある場面での自分と他者(相手) - 環境
自分が置かれている場所
例えば、「上司に怒られて仕事がうまくいかない」という場合を
上記内容に当てはめてみると、
- 怒られている自分
- 怒る上司
- 上司との関係
- 職場
という観点になります。
この中で一番変えやすいものは何番でしょうか。
環境を変えることは自分自身が転職や退職することを指しますので、
方法としては最終段階になるかと思います。
怒る上司や上司との関係を変えることも、
すぐには改善できる対処方法とは言い切れない部分です。
このように考えていくと、自分自身を変えることが最も効果的な方法となります。
アドラーも一番変えやすいのは自分自身だと話しています。
そしてこの「自分自身を変える」ことが重要なテーマとなっていきます。
この自分自身を変えることこそ人間関係を改善するには確実で簡単な方法であると考えます。
「自分自身を変えること」と「勇気づけ」
アドラー心理学に度々出てくるのがこの「勇気づけ」です。
アドラーは勇気づけの定義として、
「自分を変えることで、人生は前に進む」としています。
この「自分を変えるため、一歩前に進む」ことを「勇気づけ」と言います。
アドラー心理学は「勇気の心理学」とも呼ばれているように、
目的や行動を変えることで人生がより良いものに変わっていくと考えていました。
自分を変えるために上司と上手に付き合う方法について、アドラーの考え方を紹介します。
アドラー心理学で課題を切り替える
アドラー心理学には
- 「仕事のタスク」
- 「交友のタスク」
- 「愛のタスク」
の3つの種類に分けられていて、人生の中で「仕事のタスク」が最も易しく、
「愛のタスク」が最も難しい課題とされています。
仕事は、役割やルール、目的があるので、相手を好きにならなくても好かれなくても、
仕事と割り切って付き合えば良いとしています。
この課題を切り替えると言う意味も、
あなたが仕事をしている意味は上司に怒られるためではなく、
給料をもらうため、スキルアップをするためと割り切ると言う考え方です。
アドラー心理学で課題を分離する
「誰の課題か」を考えることです。
上司が私をどう思うかは上司の課題ですが、
それに対してどう受け入れ行動するかは自分自身の課題となります。
例えば、「お前はバカか」と言われた場合、
まず「あなたは私のことをそう思うんですね」と認識します。
ですが、自分がバカかどうかを決めるのは自分であって、
何を思うかは自由であるし、受け入れるかどうかもまた自由で、
こちらに決める権利があるということを忘れてはならないということです。
よく、その境界線を破り無理やり自分の考えを強要するのを「支配」と言い、
逆に相手に従っていまうことを「服従」といいます。
アドラーは例え上司と部下の関係でも「支配」と「服従」はしてはならないと言っています。
アドラー心理学で上司の目的を理解する
アドラーは、すべての結果は自分の責任にあるとしていて、
他人のせいにすることは否定的な考え方を持っています。
ですので、上司が怒る目的を考えた時、「俺の方が立場が上だ」という優劣の追求や
「俺が正しいんだ」という「劣等の回避」からくると哀れに思うため、
腹も立たなくなるということです。
この、
- 強く見せたい(優劣追求)
- 負けたくない(劣等回避)
などの気持ちは目標に従って行動しており、未来に引っ張られていると言っています。
未来のことは変えられるので、自分次第でいくらでも変えることができるというわけです。
ここまで考えると上司のことがかわいそうに感じてきて、
自分が悪いと考えるのはバカバカしくなってきますね。
アドラー心理学の「勇気づけ」を学ぶことによって、
自分の悩みや問題について向き合い、これからの未来を豊かなものへと変えることができます。
それだけではなく、他者に対しても勇気づけできるようになり、
対人関係でトラブルがあったりすることにも対処できるようになります。
アドラー心理学とは?勇気づけについてわかりやすくご紹介! おわりに
いかがでしたでしょうか。
「勇気づけ」は変わりたい、
変わろうとしている人たちが第一歩を踏み出すヒントが含まれていると思います。
それには自分の固定概念や思い込みから離れることも必要ですが、
一番大切なのは「変わりたい」と思う強い気持ちなのではないでしょうか。
いつまでも理由をつけていては変われません。
アドラー心理学があなたのお役に立つことを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。