あなたは、島根県『諸手船神事』というお祭りをご存知でしょうか?
諸手船神事(もろたぶねしんじ)は、
島根県・出雲の「国譲り神話」にちなんだ、美保関2大神事の一つです。
御パンダくんにそっくりなお腹をした「えびす様」が登場するぞ。
そうか!えびす様が鯛を大量に振舞ってくれるお祭りだね!
ということは、お祭りのメイン料理は鯛料理・・・じゅるる・・・
さて、実際の『諸手船神事』は、どのようなお祭りなのでしょうか?
まずは、お祭りの元ネタになっている神話から、調査してみましょう!
『諸手船神事』とは? えびす様が関連している?その意味とは?
諸手船神事(もろたぶねしんじ)は、美保崎におられる事代主神(恵比須様)が、
父神である大国主神から国譲りの相談を受ける様を儀礼化した祭です。
美保関で釣りをしていた恵比須様を
諸手船で迎えに行ったという故事がお祭りで表されているのです!
漫画家の「蛭子さん」と同じ漢字が使われているのを、見たことがあるよ?
「蛭子様」と「恵比須様」は別のルーツからなる神様で、
今回の諸手船神事に由来する「恵比寿様」は、釣りの大好きな神様だ。
諸手船神事 Story
事代主命(恵比須様)は父神を助け、
国土経営、産業福祉の開発に尽くしていました。
天孫降臨に先立ち、高天原の使神建御雷之男神が出雲国稲佐の浜に下り、
大国主命に「この国を皇孫に奉れ」と伝えたとき、大国主命は
「出雲の国の祭事は美保関に住む長男の事代主命がおこなっておりますので、
長男の意見を聞いてからお答えします」
と申し、使神を諸手船によって美保関に遣わし、意見を求めたのです。
事代主命は父神に対し
「この国は天つ神の御子に奉り給へ」
と答え、大国主命はその意見通り国土を皇孫に奉献しました。
このことは国譲りとして現在なお伝承されており、
諸手船神事はこの国土奉献(国譲り)に起因して行われる神事なのです。
『諸手船神事』2018年の日程は?その見どころは?
諸手船神事の日程は、毎年12月3日に行われると決まっています。
その1週間程前から、前夜祭に当たる宵宮(よいみや)が行われます。
2018年の諸手船神事は、
- 宵宮(よいみや):11月27日(火)~12月2日(日)
- 諸手船神事本祭 :12月3日(月)
となります。
当日の諸手船神事本祭は以下のような流れで行われます。
00:00 トーメー
港内に、祭り始めの御触れを告げ廻ります。
12:00 客人社祭
頭人・客人當ほか役前上準官参列します。
13:30 諸手船神事本祭の始まりです。
宮司さん以下神職、役前、巫女等社殿に参進します。
宮司さんが本殿の御扉を開け、本殿内に於いて奉幣の儀が行われます。
巫女さんの舞の後、宮司さんが「みくじ」によって乗船者を決定します。
真劔持ち…2名(両當屋があたる)
大櫂…2名(上官より選ばれる)
大脇…2名(客人當・上席休番があたる)
櫂子…12名(準官より選ばれる)
ここからいよいよ、宮灘へ下向し、諸手船に分乗します。
先ず、客人山麓まで漕ぎ進め、客人社に拝礼します。
次に、三度に乗り戻します。
次に、真劔持ちは真劔を奉納します。
大櫂 「タカ三度、乗って参って候」。
宮司 数々の祝言を述べ「タカ三度、めでたう候」と結びます。
再び三度乗り戻し、船を降りて社殿に帰ります。
宮司さんが本殿の御扉を閉じ、
宵祭より献上した供えを撤し、一部を役前上準官に頒賜します。
両當屋付きの上官一名ずつ 宮司の前に進んで
お慶びを申しあげた後、退下となります。
引き続き 真魚箸(まなばし)式
古式直會の儀で、宮司さんを前に世話人が箸で鯛を押さえ、
木で作った包丁で鱗を落とし、腹を捌きます。
手が直に魚に触れてはなりません。
『諸手船神事』はどこで開催されるの? 会場となる美保神社の場所、アクセスは?
会場は、島根県松江市の美保神社となります。
美保神社では、期間限定の「えびすライナー」を利用するのが便利です。
JR境港駅、米子鬼太郎空港から美保神社までの直行バスです。
平成30年4月28日~5月6日、7月1月~12月2日の土日祝日及び12月3日、平成31年1月1日~1月3日の間(63日間)
で運行中です。
料金は
- 米子鬼太郎空港→美保神社・・・600円
- JR境港駅 →美保神社・・・400円
となっています。
また公共機関をご利用の場合は、JR松江駅、
またはJR境港駅から美保神社入り口バス停下車、徒歩5分です。
お車でお越しの際は、駐車場が用意されていません。
近隣の有料駐車場をご利用ください。
『諸手船神事』とは? おわりに
いかがでしたでしょうか。
師走の冷たい水にも負けず行われる、恵比寿様由来の神事、
ぜひ1度は行ってみたいものですよね。
あなたも、来年の商売繁盛をお願いしてみませんか?
恵比寿様に商売繁盛のお願いをする時は、海老をお供えするんだぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。