毎日、口にしない日はない「塩」。
「とりすぎは良くありません」とは言われても、摂らないと体調不良になるほど、
私たちになくてはならない「塩」。
最近では、塩顔男子が人気だったり、塩対応のアイドル・・・など
塩にまつわる言葉も増えてきましたよね。
そして様々な記念日があるのと同様、塩にも「塩の日」があるのです。
今回は塩の日とは何か、その由来に「敵に塩を送る」という名言が関係しているか
含めてご紹介していきますね。
塩の日とは?
塩の日は、1月11日、その由来は
「敵に塩を送り、敵を助けてあげる」
が元になっています。
いつもは塩対応の相手にも、時々は塩を送ってあげたり、
最近はいい塩梅の関係を目指す、なんて意味合いでも解釈される記念日です。
塩の日の由来は「敵に塩を送る」?
日本人なら知らない人がいないほど有名な「敵に塩を送る」という名言。
「敵が弱っているとき、その弱みにつけこまないで逆に助けてあげる」
という何ともかっこいい意味を持ちます。
でも、「なんで塩を送るのが、敵を助けることになるのか?」
あらためて意味を考えてみるとちょっと不思議なことわざですよね。
実はこのことわざ、かの有名な武田信玄と上杉謙信の関わりに端を発した言葉なのです。
「敵に塩を送る」の由来は?
時は戦国時代、武田信玄という有名な武将がいました。
信玄は現在の長野県・山梨県のあたりを領地としており、
「領土を広げよう」とあちこちに戦いを仕掛けますが、
まわりの武将たちから経済封鎖を受けることになります。(今のどこかの国状態。。)
この時、当時の食に欠かせなかった塩を、
信玄の領地に販売できないよう商人に圧力をかけられたのです。
長野・山梨は内陸のため、自力で塩を作ることができない信玄の領民は困り果てます。
このピンチを救ってくれたのが、信玄と川中島の合戦など、10年間で5回の大きな合戦を行い、
結局勝敗つかずの引き分けに終わったくらいの長年のライバル、上杉謙信です。
謙信は、塩不足で苦しむ領民たちを助けようと、信玄のもとに塩を送りました。
この塩が長野の松本(現在の松本市)に到着したのが
1568年の1月11日の出来事だったといわれ、これを記念して、
この日に塩市(現在のあめ市)が開かれるようになったといわれています。
「敵に塩を送る」は、
- 「たとえ敵でも、苦境の時は助ける」
- 「敵だからといって、弱みに付け込まない」
という意味があります。
たとえば、点を競い合っているにあるライバルや競合会社など、
ビジネスシーンでも対象となる相手はいくつか挙げられるでしょう。
相手が弱っているときでも見捨てることなく、別の方法で相手に利を与えることが
「敵に塩を送る」です。
「敵に塩を送る」の使い方の注意点は?
「敵に塩を送る」を文章で使う時は、同じ「塩」を用いることわざ
「傷口に塩を塗る」の意味と混同しないように気を付けましょう。
「傷口に塩を塗る」
ものごとや状況が思わしくない時に、さらに悪化させようとすることを指します。
同じ塩を使った言葉ですが、意味や使い方が違います。
しかし、間違った使われ方がよくされています。
よく間違えられる例
彼にはひどいことをされたから、彼が弱っている今が敵に塩を送るチャンスだ。
「敵に塩を送る」を使った正しい例
- 競合会社に「敵に塩を送る」気持ちで、パートナーシップの話し合いを進めたい。
- 「敵に塩を送ること」で、かえって相手を逆なですることがあるかもしれない。
- 私の上司は「敵に塩を送る」ことで、不可能だと思われていた商談を成立させた。
塩が語源のことば
塩は生きていく上で欠かせないもののため、塩を語源とした言葉がたくさんあります。
日本だけでなく、2,000年ほど前の古代ローマは兵士の給料に塩を配るほど、
お塩大好き国家がありました。
そのため、ローマで塩を意味するsal(サル)という言葉からも色々な言葉が派生しています。
給料 salary(サラリー)の語源
2,000年ほど前の古代ローマは兵士の給料は、塩を配ったということからできた言葉です。
日本ではここから「サラリーマン」という言葉が生まれたとされ、感慨深いですよね。
戦士 soldier(ソルジャー)
そこから、塩をもらって戦う人という意味でsoldier(ソルジャー)と呼ばれました。
今でも耳にする言葉ですよね。
サラダ salad
野菜の苦みを消すために塩をかけたことからサラダと呼ばれています。
ソース sauce・サルサ salsa
塩味のという意味です。
サルサは、スペイン語でソースの意味だそうです。
サラミ salumi
塩漬け肉のことをイタリア語でサラミと呼ばれます。
日本ではサラミソーセージとして、お酒のあてやおやつでおなじみですよね。
塩の日とは?由来は「敵に塩を送る」?塩にまつわる名言も併せて紹介 おわりに
塩は、加減ひとつで料理を最高級に味付ける一方、
使い方を謝ると地に落としてしまう難しいものです。
「良い加減」のことを塩加減のいい料理になぞらえて塩梅(あんばい)といいますよね。
塩の日の由来となった謙信と信玄のやりとりも、
何度も戦い合った仲だからこそのいい塩梅だったのかもしれません。
あなたも1月11日「塩の日」に、当たり前に食卓にある塩に対して、
その歴史を感じながら感謝してみるいい機会ではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。