あなたは『日本三大喧嘩祭り』の1つ、
『伊万里トンテントン』
をご存知ですか?
『伊万里トンテントン』は
『伊万里共日(いまりくんち)』とも呼ばれ、
例年15万人もの観客が訪れる大規模なお祭りです。
発祥については諸説ありますが、
香橘神社(※1)と戸渡嶋神社(※2)の祭礼争いが発端だという説が有力で、
それが後にルールに基づいた喧嘩祭りへと発展した、と言われています。
1962年に2つの神社が合祀(※3)し、
伊萬里神社になった時に、
合戦のルール、担ぎ手の役割分担、参加者の禁酒など、ルールとマナーが整備されました。
神社同士の喧嘩がお祭りになる、
ってすごいですよね…。
そんな『伊万里トンテントン』は今や、
勇壮な合戦絵巻を繰り広げる、
まさに九州男児の心意気を示す伝統的なお祭りとなっているのです。
今回はそんな『伊万里トンテントン』の日程、見どころ、アクセスなどの情報について掘り下げていきましょう。
(※1)香橘神社 こうきつじんじゃ
五穀豊穣を祈願する神社
(※2)戸渡嶋神社 ととしまじんじゃ
漁を祈願する神社
(※3)合祀 ごうし
1つの神社で複数の神や霊を合わせてまつること
伊万里トンテントン2018年の日程は?
2018年の『伊万里トンテントン』は下記の日程で開催されます。
2018年10月19日(金) 伊萬里神社にて神殿祭
2018年10月25日(木) 魂入れ神事
2018年10月26日(金) 町廻り、安幕
2018年10月27日(土) 本祭初日
2018年10月28日(日) 本祭最終日、川落とし
19日と25日は関係者のみの神事となるため、実際に一般客が参加できるのは26日からとなります。
また、26日は夜のみの開催となるため、
本祭となる27日と28日へのお出かけがオススメです。
雨天の場合、小雨の場合は決行、大雨や強風の場合は順延もなく中止となります。
伊万里トンテントンの見どころは?
『伊万里トンテントン』の最大の見どころは、
なんといっても『合戦』と『川落とし』です。
『合戦』とは、文字どおり『団車(だんじり)』と『荒神輿(あらみこし)』が戦います。
団車同士でも荒神輿同士でもなく、団車と荒神輿の戦い、ということですね。
荒神輿は合戦場にて団車の到着を待ち、
『キーワエンカ』(来れんのかの)と団車を挑発、
団車は『まだまだ』と焦らします。
この睨み合いの間、観客からは
『煽れ!煽れ!』
と掛け声が上がることもあり、
まさに一触即発!
合戦場のボルテージは最高潮に達します。
そして、機を見た喧嘩大将が旗を上げ、
『構えろ!!』の合図とともに進んで激しくぶつかり合います。
前棒を組み合い、前に傾いた状態から競り太鼓が打たれ
押し合いとなり、相手を倒すか上に乗り上げた方が勝ちとなります。
この『合戦』の激しさこそ、
『伊万里トンテントン』が全国でも類を見ない喧嘩祭りと言われる所以です。
因みに『伊万里トンテントン』という名前。
合戦の際に打ち鳴らす太鼓の『トン・テン・トン』という音が由来となっており、
『合戦』は『伊万里トンテントン』の中でも重要な見どころであることが分かりますね。
また、最終日に行われる『川落とし』は
伊万里川の岸辺で行われる『最後の合戦』で、
組み合ったままの団車と荒神輿が伊万里川になだれ落ちます。
その勇姿は壮観にして豪快。
祭のクライマックスを飾るにふさわしい光景は見る人を感動の渦に巻き込みます。
以下は2017年の『川落とし』の様子です。平和な現代でこの光景は壮絶です!
『川落とし』では、陸に早く引き上げられた方が勝ちとなり、
荒神輿が勝てば翌年は豊作に、
団車が勝てば翌年は豊漁に恵まれると言い伝えられています。
発祥である『神社同士の争い』になぞらえた、
お互いに『負けられない戦い』、というワケですね。
伊万里トンテントンへのアクセスは?
『伊万里トンテントン』へのアクセスは下記のとおりです。
☆電車
・JR九州・松浦鉄道 筑肥線 伊万里駅から徒歩12分
☆お車
・長崎自動車道 『武雄北方IC』を降りて30分
駐車場は市街地、伊万里駅周辺に複数ありますので、そちらをご利用ください。
伊万里トンテントン おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は『伊万里トンテントン』についてお話ししてきました。
因みに『伊万里トンテントン』はその激しさのため怪我人が絶えなかった過去があり、
その度に怪我人を減らす試みが行われてきています。
1961年には合戦場所を縮小、
1962年には神輿の大きさを従来の半分にするなど、
常に安全性を検証してきました。
2006年に起きた事故を境に、
『合戦』も一度は廃止されましたが、
2013年より安全を確保された『奉納合戦』として再開されました。
安全性と勇壮さの共有を検証し続け、
今もなお『日本三大喧嘩祭り』にその名を連ねる『伊万里トンテントン』、
ぜひあなたも一度体験してみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史