『三重県』と聞くと、あなたは何をイメージしますか?
記憶に新しいところでは2016年に行われた、
伊勢志摩サミットの愛称で知られる
『第42回先進国首脳会議』や、
伊勢神宮、
伊賀=忍者の里、などなど、
様々な少々渋めのイメージが浮かんできますよね。
そんな三重県の伊賀市で
毎年10月の末に行われる『上野天神祭』をご存知でしょうか?
1585年から始まったと言われている『上野天神祭』は、
ユネスコ無形文化遺産や国の重要無形民俗文化財にも指定されている、
歴史と伝統のあるお祭りです。
9基もの『だんじり』が行列とともに町を練り歩く様は、まさに圧巻です。
1682年から1687年までの5年間は諸事情により行われていませんでしたが、
1688年からは見物の田楽や能、狂言、鬼行列も始まり、現在に至っています。
『鬼行列』…、なんだかあまり聞き慣れない、怖い響きですね…。
しかし、この『鬼行列』こそ、『だんじり』と並び
『上野天神祭』の見どころと言えるイベントとなっています。
今回は『上野天神祭』についての情報を掘り下げていきましょう。
上野天神祭2018年の日程は?
2018年の『上野天神祭』は、下記の日程で開催されます。
2018年10月19日(金)〜21日(日)
以前は曜日に関係なく10月23日から25日という日程で行われていましたが、
2017年からは10月25日までの直近の日曜日での開催となりました。
雨天時は各町の判断で決行か中止かを決め、順延はありません。
また、台風などによる荒天の場合には全面的に中止となります。
以下、3日間の大まかな流れをご紹介します。
2018年10月19日(金) 宵山(※1)
午後から9基の『だんじり』が蔵から出され、各町に展示されます。
夕方からは『だんじり』に飾られた提灯に灯がともり、幻想的な姿を見ることができます。
2018年10月20日(土) 足揃えの儀・宵山
午後からは鬼行列(※2)が始まり、ほら貝と太鼓の音を従えて三之町筋を練り歩きます。
行列には大御幣(おおごへい)、悪鬼、伊賀流忍者の元祖といわれる役行者、ひょろつき鬼(※3)が続き、
最後に鬼たちを従えた鎮西八郎為朝が現れます。
夕方から夜にかけては提灯に灯りをともした『だんじり』が町を練り歩くので、こちらも必見です。
以下は少し古い2011年の上野天神祭だんじりと鬼行列の様子。子供の泣き顔が可愛いですね。
2018年10月21日(日)神幸祭
午前中から城下町の東端を出発する祭の行列は、神輿、鬼行列、だんじりと続きます。
ひょろつき鬼や人力で行う『だんじり』の方向転換など見せ場が多く、
一日かけて伊賀上の城下町を巡る行列からは、400年の歴史を感じさせてくれます。
因みに、お祭り期間中は日中から鬼町(相生町・紺屋町・三之西町・徳居町)にて鬼面展が開かれています。
こちらでは、古いもので江戸時代に製作されたものもある貴重な面などが展示されていますので、
見学して歴史を感じるのも良いかもしれません。
(※1)宵山 よいやま
本祭の前夜に行われる祭りのこと
(※2)鬼行列 おにぎょうれつ
鬼のお面を被った百数十人の大人が行列をつくり町中を練り歩く、日本では珍しい行事
(※3)ひょろつき鬼
酔っぱらいのようにフラフラした独特な動きで大人を笑わせ、幼児を泣かせる鬼
一説には『だんじり』を通りやすくするために沿道いっぱいに暴れ、観客を道のわきに追いやる役目があると言われている
上野天神祭へのアクセス、駐車場は?
『上野天神祭』へのアクセスは、下記の通りです。
☆電車
・JR関西本線 伊賀上野駅で伊賀鉄道に乗り換え
または近鉄大阪線 伊賀神戸駅で伊賀鉄道乗り換え
伊賀鉄道 上野市駅で下車すぐ
☆バス
・大阪 新大阪駅・梅田駅から高速バスで約90分
・名古屋 名鉄バスセンターから高速バス約90分
・京都 京都駅八条口・五条京阪から高速バス約90分
・東京 品川駅から夜行バス
・神奈川 横浜駅から夜行バス
☆お車
名阪国道『中瀬IC』または『上野IC』で降りて祭開催地域まで約10分
祭り期間中は交通規制があり、また駐車場に限りがあるため、公共交通機関の利用がオススメ!
どうしてもお車で、という方は、下記の駐車場をご利用ください。
・常設の駐車場
1、市営城北駐車場
2、市営だんじり会館駐車場 3、市営上野公園第1、2駐車場 |
・特設駐車場
4、上野西小学校臨時駐車場
5、崇広中学校駐車場 6、上野運動公園テニスコート駐車場 7、JA いがほくぶ上野北営農生活センター駐車場 8、上野キヤノンマテリアル |
上野天神祭 おわりに
今回は三重県の『上野天神祭』についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
『だんじり』と聞くと、どうしても荒々しいイメージを持ってしまいますよね。
しかし『上野天神祭』で見られる『だんじり』は昼と夜で違う顔を見せる絢爛豪華なもので、従来の激しいものではありません。
因みに9基のだんじりはどれも歴史のある貴重なもので、普段はなかなか見ることができません。
お祭り期間中はこれらを間近で見ることができる貴重な期間でもありますので、ゆっくりと鑑賞してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史