あなたは「御坊祭り(ごぼうまつり)」をご存知ですか?
毎年、和歌山県御坊市で開催されている
日高地方最大のお祭りで300年以上の歴史を誇ります。
伝統あるいくつもの踊りや「四つ太鼓」が披露され毎年大勢の観客が訪れています。
また「御坊祭り」は別名「喧嘩祭り」ともいわれ
豪快な男祭りとしても知られているんです。
今回はそんな喧嘩の「御坊祭り」を深く掘り下げ、
歴史や日程、アクセス情報などを紹介していきたいと思います。
「御坊祭り」とは?
毎年10月に和歌山県御坊市薗新町で行われている小竹八幡神社の祭礼です。
日高地方では最大のお祭りで「人を見たけりゃ御坊祭」といわれるほどに
大勢の観客が訪れています。
「御坊祭り」では「四つ太鼓」と呼ばれる太鼓台が大きな見どころとなっていて、
その迫力と勇士を見に訪れる観客も大勢います。
この「御坊祭り」は地区ごとに分かれた「組」という単位で祭りに参加しますが、
各組ともに競争意識が強く、喧嘩がおきることもあり、
その熱い男気から別名「喧嘩祭り」といわれています。
10月1日から幟立て、肩慣らしを経て4日の宵祭、5日の本祭を迎えます。
本祭では神輿渡御が行われ、
- けほん踊り
- 雀踊り
- 奴踊り
- 獅子舞
などさまざまな歴史ある踊りが披露されます。
「四つ太鼓」
枠組に長サイ棒と呼ばれる担ぎ棒を付け、四本の柱に障子と呼ばれる格天井を乗せ、
天幕を被せた太鼓台です。
「四つ太鼓」の中には歌舞伎のような隈取りの化粧をした
乗子と呼ばれる子供が4人乗り太鼓を叩きます。
「四つ太鼓」は若衆が「サイテクリョ―」という掛け声とともに
総重量1トンの太鼓台を両手で大きく押し上げる迫力ある姿が見せ場となっています。
本来は余興として行われていますが「四つ太鼓」を目当てに訪れる観客も多くいます。
「御坊祭り」では9組の「四つ太鼓」と5組の子供四つ太鼓が参加しています。
「けほん踊り」
本祭の奉納行事に先立ち、1番目に奉納される念仏踊りの一種です。
宵祭は日高別院で行われ、本祭では小竹八幡神社で行われます。
天明4年(1784年)に紀州9代藩主、徳川貞治公より賜った
「四恩状(しおんじょう)」を読み上げ踊りが始まります。
踊り衆は花笠をかぶり各々が
- 瓢箪(ひょうたん)
- 太鼓
- 鉦
- 鼓
を持ち、対面で踊歌をうたいながら入れ替わったり輪になったりして踊ります。
この「けほん踊り」は昭和23年に県の無形文化財第一号に指定されています。
「御坊祭り」の歴史は?
「御坊祭り」がいつ頃から始まったかは定かではありません。
寛永19年(1642年)に古寺内に住んでいた六左衛門という人物に神が舞い降り
「すぐ祭りをせよ」というお告げがあり、祭りを始めたのが起源といわれています。
その頃から徐々に現在行われている形になっていったといわれています。
また、京都の石清水八幡宮の祭りである放生会の流れを受け、
各組の幟には放生会と書かれるようになりました。
「御坊祭り」の日程は?
「御坊祭り」は毎年10月4日、10月5日の2日間開催されます。
【各日程】
【10月4日】
宵祭(宵宮)
- 12:00~18:00 各組の宮入り(小竹八幡神社)
- 19:00~22:00 四つ太鼓の合同行進(県道185号線)
正午から各組が順に宮入りを行います。
夜は県道185号線にて若連行事と呼ばれる各組の「四つ太鼓」のパレードが行われます。
このパレードは祭礼そのものとは関係のない余興行事となっています。
【10月5日】
本祭(本宮)
- 9:00~13:00 美浜町煙樹ヶ浜海岸(御旅所)へ神輿渡御
- 13:00~15:00 けほん踊り、雀踊り、奴踊り、獅子舞などの奉納(小竹八幡神社)
- 15:00~24:00 各組の宮入り(小竹八幡神社)
朝から神輿渡御が行われ、美浜町の御旅所を経由し市内を巡行します。
獅子舞や踊りは境内で奉納されますが
「四つ太鼓」は境内には入らずに神社前の広場で担がれます。
宮入りは各組が1時間の持ち時間で行い、
すべての組が終了するのは日付が変わる頃になります。
「御坊祭り」へのアクセス情報
【会場】
小竹八幡神社・県道185号線
【アクセス】
- 電車
JRきのくに線「御坊駅」で紀州鉄道に乗り換え終点の「西御坊駅」で下車し徒歩で5分
- バス
JRきのくに線「御坊駅」から「印南町役場行」に乗り「小竹八幡神社前」で下車
- 車
阪和自動車道 御坊ICから約10分
【駐車場】
ジャスコオークワ跡(名屋町3丁目交差点北西角)
「御坊祭り」おわりに
いかがでしたでしょうか。
無形文化財である「けほん踊り」をはじめ、
伝統的な踊りと豪快で迫力のある「四つ太鼓」などたくさんの見どころがある「御坊祭り」。
古くから「人をみたけりゃ御坊祭」といわれるほどに人々を集め、
魅了し300年以上も続いてきたお祭りです。
また各組同士で喧嘩がおきてしまうほど仲間意識が強く、
お祭りに特別な思いをかけて参加していることも特徴です。
それだけ「御坊祭り」が大切にされ、熱い気持ちで守られてきたからこそ、
たくさんの人々が訪れるお祭りとして現在も伝え続けられているんですね。
あなたも今年2020年はぜひ一度、
喧嘩の「御坊祭り」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。