あなたは『エリック・クラプトン』というギタリストをご存知でしょうか?
恐らく、日本国内の街頭アンケートで
3大ギタリスト(※)を並べて
「この3人のうち誰を知っていますか?」
と、聞いた場合、最も知られている方ではないかと思います。
実際に名前は知らなくても、その楽曲は時代ごとにテレビCMで使われることも多く、
『あ、この曲どこかで聴いたことある!』と、ピンとくるはず。
2018年9月現在では聴覚障害など様々な理由から
『ギターを弾くのが難しい状態』
を公表されていますが、彼はこれまでどういった音楽の道を歩んできたのでしょうか?
今回は、『エリック・クラプトン』の経歴、使用ギター、名言、名曲などをご紹介します。
1970年代に日本の音楽関係者が使用した言葉で、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)の3人を指す
エリック・クラプトンの経歴は?
エリック・クラプトン(以後クラプトンと表記)は
1945年3月30日にイギリス・サリー州リプレー村で生まれます。
13歳の頃、ブルーズにのめり込むようになり、
祖父母に頼み込んでアコースティック・ギターを買ってもらい、
ギタリストとしての人生が始まります。
60年代の初頭には学生時代の友人の紹介でR&Bバンド・ルースターズに加入しますが
半年ほどで解散、このあたりまでは一般的なその辺の人と変わりませんね。
その後、ヤードバーズに加入します。
ヤードバーズへの参加はクラプトンにとって大きな転機でしたが、次第にポップ路線へと
走りだしたバンドの方向性に不満を抱き、1965年に脱退。
その後、ブルース・ブレイカーズに参加。
この頃からロンドンの街中に
『CLAPTON IS GOD』
という落書きが現れるほど才覚を表し、
『ギターの神』とまで呼ばれるようになりました。
そして1966年、自分の音楽性の追及から
『史上最強のロック・トリオ』クリームを結成します。
メンバーのアドリブの応酬という、
フリースタイルのラップバトルのような緊張感あるライヴが話題になります。
当時絶大な人気を誇ったクリームですが、
その音楽は3人の個性が衝突して
作り上げられるものだっただけに確執も深まり、1968年に解散してしまいました。
次にクラプトンが結成したのは、
当時スーパー・バンドと呼ばれたブラインド・フェイスでしたが、
このバンドはアルバムを1枚だけ残して解散してしまいます。
温厚そうに見えるクラプトンは常に衝突を繰り返しているのが意外ですよね。
1970年、クラプトンは新天地を求めてアメリカに渡り、
デレク・アンド・ザ・ドミノスを結成します。
スライドギターの名手デュアン・オールマン(※)をゲストに迎え、レコーディングされた
『いとしのレイラ 』が大ヒット、現在でも名盤アルバムと呼ばれています。
1971年にデレク・アンド・ザ・ドミノスが
解散した後も、クラプトンは様々なセッションに参加し、
70歳を超えた今現在も活動を続けています。
(※)デュアン・オールマンにご興味を持たれた方はぜひ当ブログの以下記事をご参考ください。
エリック・クラプトンの使用ギターは?
エリック・クラプトンは
ギターコレクターとしても有名で、そのコレクションは数百本にものぼるとか。
今回はそんなコレクションの中でも、特に使用頻度の高いものをご紹介します。
フェンダー・テレキャスター
ヤードバーズ時代、メインで使用していたギターで、
ネックはストラトキャスターのものに変更されているギターです。
テレキャスターは現在もストラスキャスターと並ぶ
フェンダーの主力機種として生産が継続されている、エレキギターの定番の1つと言えます。
フェンダー・ストラトキャスター
エリック・クラプトンを知っている人の多くは、
このギターのイメージが強いのではないでしょうか。
特に有名なのが以前所有していたブラックのカスタマイズド・ストラトキャスター
(通称ブラッキー)と言われています。
ギブソン・レスポール・スタンダード
フレディ・キングの1954年製レスポールに憧れて購入したと言われる
1960年製のレスポールで、
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ時代に使用していたギターです。
レスポールはロックの定番として有名なギターで
ギブソン以外にも様々なメーカーで同じ形のギターが発売されています。
ギブソン・SG
現在のトレードマークと言えるストラトキャスターの前にメインとして使っていたギターです。
SGはレスポールにモデルチェンジを施したギターで
1961年に初めてギブソンから発表されたギターです。
ギブソン・ESー335
1964年製で、クリーム時代に使っていたセミアコースティックギターです。
エレキギターともアコースティックギターとも
異なった構造をしているので、甘く柔軟な響きを出すことが可能なギターです。
エリック・クラプトンの心に残る名言は?
偉業を成し遂げたレジェンドの多くは、必ず名言を残しているもの。
それは居酒屋で酔った先輩による『上から目線』の説教ではなく、
自身が生きてきた足跡を表すような、そしてジャンルが違っても共通する考え方を示す言葉たちです。
クラプトンにも多くの名言がありますが、こちらではその一部をご紹介します。
『ステージに上がった時、自分が1番上手いと思え。ステージを降りている時、自分は1番下手だと思え。』
練習で『自分は上手い』と思ってしまえば、そこで成長は止まってしまいます。
反面、本番では『自分は上手い』と自信を持つことで、実力を如何なく発揮できるという、
人前で何かを成そうとする人には教訓と言える名言ですね。
この言葉は、音楽や舞台だけでなく、会社のプレゼンテーションなどの
何かしらのステージに上がった経験があれば、特に響く言葉ではないでしょうか。
『その日をちゃんと生きること。人生にこの日は一度しか訪れない。』
実はクラプトンは、愛する息子を事故で失っています。
この言葉からはクラプトンの深い悲しみとともに、
『1日1日を大切に生きる』というメッセージが込められています。
今日その手にあるものが明日もあるとは限らない、
今日という日は過ぎてしまえば二度と出会えない、
ということを、この名言は教えてくれています。
エリック・クラプトンの名曲は?
クラプトンはギタリストとしてだけでなく、シンガーソングライターとしても非常に多彩で、
その長いキャリアの中で多くの名曲を残しています。
一概にランク付けできるものではないですが、
こちらでは日本人にとって聴き馴染みがあるであろう楽曲をご紹介します。
Change The World
Layla and Other Assorted Love Songs
Wonderful Tonight
エリック・クラプトン おわりに
今回は『エリック・クラプトン』についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
クラプトンは、生まれてすぐに母親が駆け落ちをしていなくなってしまったり、
ドラッグやアルコールに溺れた時期があったりなど、
私生活においても波乱万丈な人生を送っています。
音楽で秀でていなければ・・・と下町の危ないおっさんになっていた可能性が高いのです。
クラプトンは、浮き沈みの激しい生活を送りながらも、
大規模なワールドツアーや楽曲制作などをコツコツと継続していき、
今もなお、世界のギタリストの頂点と言われています。
どんな人生を送っていても、自分の信じた道を貫き通し、『神』とまで言われるクラプトン。
その姿からは、戦い続けることの大切さを学べるのではないでしょうか?
あなたも機会があれば、ぜひ『エリック・クラプトン』の音楽を聴いてみてください。きっと期待を裏切らないはずですよ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史