あなたは、「トマム」という地名をご存知でしょうか?
はい、トマムは主にウィンターシーズンのリゾート地として有名ですね。
そしてトマムを楽しむなら「星野リゾートトマム」です。
では、現在の「星野リゾートトマム」のオーナーが中国企業というのはご存知ですか?
そう、自然がいっぱいの大らかなイメージの北海道にも、
企業買収の手が刻一刻と迫っているのも事実です。
今回は、色々な側面を持っている「トマム」についてお送りします!
【北海道】トマムって何? その歴史をご紹介
トマムは、北海道勇払郡占冠村にある「トマム山」を中心に
リゾート地として開発された場所で、
スキー場や宿泊施設などを運営している「星野リゾートトマム」がある地域を指します。
過疎化が進んでいた占冠村の振興策として、
1981年(昭和56年)に鉄道弘済会北海道支部長が座長となって
「石勝高原総合レクリエーション施設開発協議会」を結成し、
第三セクター方式でのリゾート開発が決定した所から、トマムの発展が始まりました。
おりしも、時はバブルの頃。
- 宿泊施設
- ゴルフ場
- 野球場
- 屋内体育館
- インドアウォーターパーク
- ショッピングモール
- キャンプ場
- 国際会議場
- ヘリポート
などが盛り込まれた総投資額2,000億円、総面積5,000ヘクタールにも及ぶ
山岳リゾートを創造する計画でした。
その後ゴルフ場やコンドミニアム、
そして現在のシンボルとも言えるツインタワーの超高層ホテルは、
1987年(昭和62年)当時には山岳地帯としては例のない施設でした。
1990年(平成2年)までには
スキー場も18コース(ゴンドラ1基、リフト10基)を有する施設にまで拡大しました。
この日本を代表する総合リゾート施設ですが、
ここが中国の商業施設運営会社「上海豫園旅游商城」に買収されたのは2016秋のことです。
買収額は約183億円。
それまで星野リゾート(長野県軽井沢町)が20%、
外資系ファンドが80%の株式を保有していました。
当時の運営会社アルファ・コーポレーションは
長期借入金返済に関して資金難に陥り、すでに経営破綻しかねない財務状況でした。
様々な対策を打ったものの、融資元の北海道拓殖銀行の経営破綻も重なり、
関連会社が自己破産。
2005年(平成17年)10月から
星野リゾート・トマムによって単独運営することになりました。
星野リゾートはトマムを1年中楽しめるリゾート地にするために
「雲海テラス」などで、見事な経営手腕で再生してきました。
ところがその「星野リゾート」株を中国企業が取得したことにより、
現在は中国企業が運営している状態です。
トマムリゾート内の施設は約6割を星野リゾート・トマム(中国企業が全株式所有)、
残りの約4割は占冠村が所有していました。
占冠村は2008年(平成20年)に交わした合意書に基づく
村有施設の土地・建物の買取履行を求めて札幌地方裁判所に調停を申し立てていましたが、
2017年(平成29年)に3段階の買取を内容とする調停が成立しました。
これにより、トマム地域は水資源保全地域に指定されておらず、
トマムの水源地も買収されたとのことで、地元では
- 水資源の確保と乱開発は防がないといけない
- ニセコと合わせて、チャイナタウン化してしまう
という危機に直面しているのです
一昔前はオーストラリア人に人気だったが、今では中国人観光客が60%を占めているとも言われているな。
リゾートの存続は喜ばしい事ですが、
その代償についてもしっかり考えないと行けない段階にあるのです。
トマムリゾートの見所は?
何と言ってもウィンターシーズン!
- スキーを始めとしたウィンタースポーツ
- 「雲海」と言われる景色を堪能
- ホテルのバーも氷で出来ている「アイスビレッジ」
- 幻想的な「氷のチャペル」でウィンターウェディング
など、多彩な演出で観光客に人気です。
[speech_bubble type=”rtail” subtype=”R2″ icon=”teng01.jpg” name=”合理天狗”]リゾート地と言うからには、冬だけではなく夏も楽しめるはずだな。