あなたは漬物をよく食べますか?
漬物は体にも良いうえ、とにかく癖になる美味しさですよね。
さて、東京の都心で毎年行われていいる漬物のイベントがあります。
それは「べったら市」。
東京の秋の風物詩として、べったら漬けを販売しているイベントで、
毎年約10万人もの人が訪れます。
そしてこのべったら市。
なんと、べったら漬けだけを販売しているイベントではないのです。
しっかりとした歴史と伝統のある年行事なのでした。
この記事ではべったら市の歴史や日程、おすすめのコースをご紹介していきますね。
べったら市と宝田恵比寿神社
それでは、べったら市の由来と歴史をご紹介します。
まず、べったら市というのは、東京メトロ日比谷線小伝馬町駅近くにある
宝田恵比寿神社(たからだえびすじんじゃ)付近で
毎年行われているお祭りで、江戸時代の中期頃から始まったと言われています。
宝田恵比寿神社の
恵比寿講(商人が知人、親類を招き、恵比寿様を祀ってお祝いする行事)の時期に
2日間だけ行われます。
元々、恵比寿講でお供えをする魚や野菜、神棚などの神具を売っている市だったのですが、
近くの農家で採れた大根と麹、飴で作った漬物のべったらが多く売られるようになり、
「べったら市」と呼ばれるようになったんだとか。
べったら漬けってなに?
漬物離れしている現代の若い人は「べったら漬け」を知らないかもしれませんね。
べったら漬けとは、大根の漬物のことで東京の特産品となっています。
徳川十五代将軍徳川慶喜さんもべったら漬けが大好きだったようです。
べったら漬けは、大根を塩で下漬けした後、麹と砂糖で漬けたものです。
江戸時代は砂糖ではなく、飴を使ったようですね。
また、麹だけでつくる甘酒に漬けるという作り方もあります。
そんなべったら漬けは、糖分でベタベタすることが想像されると思いますが、
それこそが「べったら漬け」の名前の由来なのです。
べったら市で昔、
「ベタベタして服に付くぞ~べったらだ、べったらだ」
と言いながら売り子が、べったら漬けを振り回して歩いていたことから
「べったら漬け」と呼ばれるようになったとか。
そんなベタベタ服に付けられたら、堪ったもんじゃありませんね。
ですから、お客さんは「わかったわかった、買うから服には付けないで~」
となったのではないでしょうか。
べったら市はべったら漬けだけじゃない
べったら市は、べったら漬けだけ販売されているわけではありません。
宵宮と一緒で様々な露店がひしめき合って、その数は500店にも及びます。
その中でべったら漬け屋さんは30店ほどです。
ではべったら市をどのように歩けば数倍楽しめるのかオススメコースをご紹介しますね。
べったら漬け試食コース
べったら漬けはお店によってもちろん味は異なります。
ここは是非、自分の好みの物を購入したいものですよね。
各店の試食を食べ歩きしてじっくり「ききべったら漬け」をしてみてはいかがでしょうか。
食べて気に入ったものを購入し、お腹も十分満たされます。
神社御朱印コース
コースというか、べったら市へ行ったなら、
必ず宝田恵比寿神社の御参拝はしたほうが良いです。
この宝田恵比寿神社は
- 事代主命(ことしろぬしのみこと)
- 少彦名命(すくなひこなのみこと)
- 大国主神(おおくにぬしのかみ)
- 大己貴命(おおなむじのみこと)
- 素盞嗚命(すさのおのみこと)
といった、どこかで聞いたことのある神様がいっぱいです。
そして恵比寿様がご神体ですので、「日本橋七福神」のひとつとされている神社なのです。
この神社は普段は無人です。
しかし、元旦から7日、べったら市の二日間だけ御朱印がいただけるのです。
御朱印は保存会の方が書いてくださいます。
実は神社で幸運をべったり付けるということで「べったら漬け」となった
とも言われているのです。
食べ歩きコース
べったら市では、べったら漬け以外にも、たくさんの食べ物の露店が出店されています。
日本橋のビジネスマンは、べったら市で仕事帰りのお腹を満たして帰って行くようですよ。
ウナギ 伊勢定(いせさだ)
鰻の名店、伊勢定さん。
普段は暖簾をくぐるのを躊躇しそうなお店ですが、
そんなお店もべったら市では気軽に味わうことができてしまうのです。
今半(いまはん)の牛肉でコロッケ
すき焼き、しゃぶしゃぶで有名な今半さん。
お店では黒毛和牛を中心に愛情を注がれて育って牛肉にこだわって提供しているそうです。
そんな牛肉でコロッケを作ってくれるのですから、美味しいに決まっていますね。
縁日の露店
お祭りの縁日の露店は、日本のお祭りを大きく支えています。
- お好み焼き
- チョコバナナ
- 焼きそば
- あげもち
などワクワクするような食べ物がたくさんあります。
この露店なくして、宵宮は語れませんし、ロマンスも生まれませんよね~。
江戸職人コース
日本橋で開かれているだけあって、
べったら市では伝統的な職人によって作られたものが多く売られています。
刷毛の店 江戸屋
享保3年創業(1718年)の刷毛(はけ)屋さんです。
べったら市では様々な刷毛、ブラシを販売しています。
- 洋服用のブラシ
- ヘアブラシ
- メイク用のブラシ
など、職人技の逸品をべったら市で、特別価格にて購入することができるのです。
江戸切子の店 華硝
江戸時代の末期に江戸切子というガラス細工は始まりました。
江戸切子の伝統的な紋様をさらにアレンジし「糸菊つなぎ」という紋様を考案しています。
華硝さんは他にも
- 米つなぎ
- 玉市松
- 麻の葉つなぎ
といったオリジナルの紋様を考案しています。
非常に繊細で美しい紋様は世界的にも注目されているのです。
べったら市2019年の日程は?
2019年のべったら市の日程は10月19日、20日の2日間です。
毎年決まっていますので、平日の年もあれば休日にぶつかることもあります。
- 19日 御神輿
- 20日 べったら音頭の盆踊り
平日にべったら市があれば、たくさんのビジネスマンが会社帰りに立ち寄っていかれます。
べったら市へのアクセスは?
べったら市付近は通行止めなどの交通規制が布かれますので、
車で行かれるよりも断然、公共の交通機関で行かれた方が良いですね。
小伝馬町駅から宝田恵比寿神社まで
日本橋駅から宝田恵比寿神社まで
小伝馬町べったら市(2019)歴史や日程、おすすめコースを紹介 おわりに
いかがでしょうか。
べったら市ではたくさんの美味しいものや、伝統工芸に出会うことができます。
年に一度しかない、べったら漬けの為のイベントですが、毎年大勢の人が訪れるのは、
昔おじいちゃんやおばあちゃんと食べた思い出がよみがえったりするのかもしれませんね。
あなたも今年2019年は小伝馬町でべったら漬けの食べ比べをして、
歴史あるお祭りをご堪能してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。