2020年4月現在で未だに収束の気配が見えない「新型コロナウィルス」。
その感染拡大は全世界の人々だけでなく経済も暗くし続けています。
こうした中、メディアで出てくる「集団免疫」というワードをご存じでしょうか?
イギリスの首相が感染収束の手段として実施しようと提言しましたが、
取りやめたことでも話題となりましたよね。
今回は、新型コロナウィルス終息の流れの一つとなり、
感染が広がる中で今後も議論されていくであろう「集団免疫」について、
一体いつできるのか、免疫力の高め方もあわせてご紹介します。
集団免疫とは?
人類は長きにわたり感染症との闘いを繰り返し、
- 衛生環境をよくする
- 診療技術を高める
などで感染症の拡大防止に努めてきました。
そこから得た手段が「集団免疫」です。
一般に、感染症は免疫をもっている人にはかかりません。
一度感染した人がウィルスの抗体を持って増えることで、
感染の連鎖が断ち切られ、感染者が減少していくというものです。
大多数の人が発症しないことで、
感染すると命が危ぶまれてしまうリスクが高い人を保護する仕組みが機能できる
ものでもあります。
そこで、日本でも乳児の頃から
- 結核
- はしか
- 肺炎
などさまざまな感染症に対するワクチンの予防接種が行われています。
その結果、現在、ワクチンがある感染症に対しては、
9割を超える人が免疫をもつようになっています。
ただし、インフルエンザの場合は、
流行しているウィルスに対して、ワクチンの予測が外れると、
予防接種を受けていても感染拡大を防ぎきれないこともあります。
この「免疫を持つ人が多ければ多いほど、感染症が流行しにくくなる」
という考え方にもとづいた感染拡大の予防策は、「集団免疫」といわれる。
感染症の拡大防止のための、重要な予防策となる。
イギリス首相は間違っていなかったのでは?
イギリス首相が新型コロナウィルスの対策案の一つとして「集団免疫」を提言した背景には、
インフルエンザの予防接種率80%以上の実績が背景にあったとされています。
イギリスではこの実績により
インフルエンザによる死亡者や流行の低さの実績があるからです。
しかし、イギリス首相の提言時期が
今回の新型コロナウイルスには未知の部分が多く、
ワクチンの開発もされていない状況だったため撤回したというわけです。
集団免疫はいつできるの?
では、集団免疫はいつになればできると判断されるのでしょうか?
今の時点では、数十万人の死者を出す恐れもあるギャンブルだと言われています。
イギリスで免疫学を研究する専門家によれば、
集団免疫はワクチンがあることが前提だといいます。
残念ながら、いま流行している新型コロナウィルスに対しても、
まだワクチンはありません。(2020年4月現在)
今後、ワクチンを開発して臨床試験を経て実用化するまでには、
相当な時間がかかる見込みとされています。
というのも、ワクチン接種で起こる副作用がゼロということがないからです。
世界中の人の多くがワクチン接種をすることで
副作用を起こす危険性をできる限り低くしなければ実用化はできないのです。
免疫力の高め方は?
新型コロナウィルスに対する一般的なすべき予防策として、
- 帰宅時・食事前・トイレ後の石鹸での手洗い
- 電車内での咳エチケットの励行
など、一人一人が日常生活のなかで感染症対策を行うことが重要です。
加えてできることは、
一人一人がウィルスや菌に打ち勝つ「免疫力」を高めることです。
免疫力が高ければ、ウィルスや菌が体の中に入ったとしても発症しません。
では、どうすれば免疫力を高めた状態にできるのでしょうか。
- 運動
- 睡眠
- 食事
- 笑顔
などによって維持・向上することができるとのことです。
とはいえ、「免疫力」はよく聞く言葉ですが、
学会で認められた概念とはいえず、定義も曖昧なものです。
「これを食べれば、新型コロナウイルスに対する免疫力が高まる」
といった特化した食事法による効果も、実証されたものはありません。
そのため、日本の安倍首相も首相官邸サイト「新型コロナウイルス感染症に備えて」の
「新型コロナウイルスに感染しないようにするために」という項目には、
「手洗い」の次に「普段の健康管理」とあり、
<普段から、十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけ、免疫力を高めておきます>
「免疫力を高めておきます」とありますが、
このサイトでは「免疫力」とは何かは説明されていません。
なので、特別
- あおさ
- 納豆
- ヨーグルト
などを食べましょう。
というウワサで商品棚が空になることもあったようですが、
あくまで「ウワサ」で科学的な根拠はありません。
一つ言えることは、自分自身が具合が悪くならないよう、
健康を維持・向上するために
- 健康的なバランスのとれた食事
- 早寝早起き
- 体を動かす
- ストレスをためない生活
などを今まで通り行うことが大切だということです。
集団免疫とは?いつできるの?免疫力の高め方もあわせてご紹介します おわりに
いかがでしたでしょうか。
ワクチンの開発により集団免疫をつけることで、いずれは
- インフルエンザ
- おたふくかぜ
などのように扱われていくことは予測されますが、
そこに至るまでにはもうしばらく時間がかかるようです。
しかし、すでに新型コロナウィルス感染拡大による生活の制限や経済の悪化は、
免疫力を決して上げることはなく、日本や世界を暗闇へと導いています。
一日も早く、
ワクチン開発と同時に世界的に免疫力が付けられるような対策が望まれます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。