新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、感染予防の観点から、テレワークを導入する企業が増えてきています。
しかし、テレワーク導入の前提として在宅で仕事を始められる環境を整える必要があります。
Wi-Fiなどの通信設備に加え、PCや作業用の机、イスなど、備品を揃えなくてはなりません。
それらは初期投資とはいえ、意外にもまとまった費用がかかってしまいます。
それに対して、政府は何か補助をしてくれるのでしょうか。
そこで今回は、テレワークで助成金がもらえるのか、助成金の申請方法についても詳しくご説明していきたいと思います。
テレワーク導入企業が増加
テレワークとは、ICT(※)技術を活用し、オフィスに通勤することなく仕事を行う働き方のことです。
その語源は、『Tele(遠隔)』と『Work(働く)』。
この2つの言葉を合わせた造語です。
在宅ワークやリモートワークなども、このテレワークという言葉に当てはまります。
(※)「Information and Communication Technology(通信技術を用いたコミュニケーション)」の略。
近年では、実際にテレワークを導入している企業が増加傾向にあり、
2018年には、テレワーク導入企業率は13.9%、
2019年には、なんと19.1%にまで増加しています。
(総務省『通信利用動向調査』より)
今年2020年は新型コロナウイルスの世界的な流行により、ますますテレワークを導入する企業が増えてくることは明白で、
今後ワクチンが開発されてもこの流れは止まらないことが想定できます。
テレワークに助成金は出るの?
結論から言うと、テレワークに助成金は出ます。
ですが、テレワークに関する助成金には、いくつかの種類があり、あなたが助成金の対象になるのか、
きちんと確認することが肝心です。
では、主なテレワークの助成金の種類についてみていきましょう!
① 時間外労働等改善助成金
またの名を“テレワークコース”という助成金です。
この時間外労働党改善助成金は、時間外の制限や、その他の労働時間の改善、また仕事と生活の調和の推進を目指し、テレワークに取り組む中小企業に対して、実施のための費用の一部を助成する助成金です。
こちらは事業主に向けた助成金で、対象となるには、【新型コロナウイルス感染対策を目的とした取り組みを行うこと】が必要です。
この助成金が対象となる費用は、
・テレワークを導入の際にかかる通信環境の導入
・テレワークにおける管理者向けの研修
・同じくテレワークにおける労働者向けの研修
などです。
また、この助成金には期限も設定されています。
【令和2年2月17日~5月末までの間】に、助成の対象となるテレワークが実施されていることが条件です。
② テレワーク導入促進整備補助金(はじめてテレワーク)
こちらの助成金は、“東京しごと財団”による助成金です。
対象となるのは、東京都が実施するテレワークの導入に向けたコンサルティング(「2020TDM推進プロジェクト」)を受けた、都内の中堅企業、または中小企業です。
対象となる企業の規模には条件があり、
・都内に勤務する常時雇用労働者が2名~999名まで
・労働者を6ヶ月以上継続的に雇用している
・就業規則にテレワークについての規定がない
という条件が設定されています。
③ テレワーク活用・働く女性応援助成金
こちらは女性の労働者を対象とした助成金です。
②のテレワーク導入促進整備補助金(はじめてテレワーク)と同じく、“東京しごと財団”による助成金で、女性の新規採用、または職域拡大に必要な設備を整備するための費用の一部を、助成してくれるという制度です。
こちらの助成金の対象となるのは、
・テレワークの環境整備にかかる費用
・サテライトオフィスの運営にかかる費用
であり、その上限額は250万円となっています。
④ IT導入助成金
今年2020年春にあらたに策定された、新しい助成制度です。
新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、中小企業や小規模事業の経営難を救うために、臨時対策として策定されました。
こちらの助成金の対象となるのは、
・中小企業
・小規模事業主
となっています。
一時公募期間は今年2020年3月13日から31日までとなっていますが、今後、また新たな動きがあるかもしれません。
対象に当てはまる方は、【IT導入補助金ホームページ】をこまめにチェックし、情報を見逃さないようにしましょう。
⑤ ふるさとテレワーク
「ふるさとテレワーク」は、都市部から地方へと人の流れを作り、地方における時間や、場所の有効活用を狙った試みの助成金です。
対象となるのは、地方自治体や民間の企業で、地方にサテライトオフィスを構える際、その費用の一部を助成するという制度です。
地方の過疎化を防ぎ、人の流れを活発にすることが狙いです。
テレワーク助成金の申請方法は?
ここからは、テレワーク助成金の申請方法について、詳しく説明していきたいと思います。
① 【時間外労働等改善助成金】の申請方法
【時間外労働等改善助成金】の交付申請書は、こちらの厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。
必要事項(助成金振り込み先の金融機関情報や、事業内容および助成金の使用目的など)を記入し、各都道府県の【労働局】あてに郵送します。
申請の際の詳しい注意事項については、厚生労働省ホームページに記載されていますので、注意して目を通すようにしましょう。
② テレワーク導入促進整備補助金(はじめてテレワーク)の申請方法
【テレワーク導入促進整備補助金(はじめてテレワーク)】を申請にするには、いくつかの段階があります。
1…東京都が実施する、テレワークに向けたコンサルティングを受ける
2…『テレワーク導入パッケージ提案書』が作成され、テレワーク導入に必要な機能、ツールなどを決定する
3…こちらの「テレワーク導入プラン」ホームページより、『テレワーク導入パッケージ提案書』に基づいて導入する機器、ソフト等を選定
4…上記ホームページにて、申請時に必要な「導入予定機器等一覧表」を作成する。
5…『テレワーク導入パッケージ提案書』、「導入予定機器等一覧表」、その他必要な申請書類を用意し、“東京しごと財団”あてに郵送する。
※必要書類については、“東京しごと財団”のホームページを確認してください。
その後、“東京しごと財団”より審査がありますので、助成の可否についての連絡を待ちましょう。
③ テレワーク活用・働く女性応援助成金の申請方法
【テレワーク活用・働く女性応援助成金】の申請方法は、必要書類の持参提出です。
あらかじめ、“東京しごと財団 雇用環境整備課”に、申請日時を電話予約した上で、支給申請書類を提出する必要があります。
書類の持参先や、各申請書のPDFデータについては、こちらの“東京しごと財団”のホームページで確認することができます。
④ IT導入助成金の申請方法
【IT導入助成金】については、こちらの特設のホームページで申請方法を確認できます。
また、こちらの特設ホームページでは、申請の流れや、必要な手続きに対し、「申請の手引き」について丁寧に解説されていますので、申請の際には参考にすると良いでしょう。
⑤ ふるさとテレワークの申請方法
【ふるさとテレワーク】の申請方法については、総務省の「ふるさとテレワークポータルサイト」から確認することができます。
こちらの特設ページから、申請に必要な書類のデータをダウンロードすることができます。
また、「ふるさとテレワーク」では、テレワークに関するセミナーなども定期的に行われているため、テレワークについて知識のない方や、これからの導入を考えている方にとっても、安心できる取り組みとなっています。
テレワークで助成金がもらえるの?申請方法をわかりやすくご紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか?
この記事では、テレワーク導入の際に申請できる助成金や、各助成金の申請方法について、詳しく調べてみました。
助成金の種類や申請について、このコロナ禍のドタバタしている中で取り組むのは難しいと感じることもあるかもしれません。
ただ、せっかくテレワークの制度を導入するのなら、使える助成金の存在を知っておくのは大切なことです。
テレワークに関する助成金には、さまざまな種類がありますので、あなたがどの助成金の助成対象になるのかよく理解し、テレワークの実施にかかる費用を、上手に抑えることができればいいですね。
当サイトではテレワークのデメリットに着目した別記事「テレワークのメリットはない?深刻なデメリットをわかりやすくご紹介」もございますのでお暇なときにお読みいただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。