今回は、ちょっぴり重い題材です。
突然ですが、あなたは、死にたいと思ったことはありますか?
きっと大多数の人は、自分から死にたいと思うことは無いと思います。
・・・でも、もし自分が難病に侵されてしまったら?
もし、収入が途絶えて貯金も無くなり、頼れる人も居なくなったら?
実は人知れず、死にたいと思うきっかけって、誰にでもあるのかもしれません。
もちろん「自殺」はダメだし、
もちろん「殺人」は犯罪です。
それでももし、あなたの大切な人が切実に「死にたい」と願ったら?
・・・そんな時に脳裏をよぎるかもしれないキーワード、
今回は「尊厳死(そんげんし)」と「安楽死(あんらくし)」について考えてみました。
そもそも尊厳死と安楽死の違いは?分かりやすく教えて!
「尊厳死」とか「安楽死」とかのキーワードが良く聞かれるのは、医療現場でしょうかね。
例えば難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)。
ALSの女性患者(当時51歳)に対する嘱託殺人容疑で、医師2人が逮捕された事件は
やりきれない思いと同時に、色々な立場から考えることがあったのではないでしょうか。
公益財団法人・日本尊厳死協会では、この事件について「尊厳死」と「安楽死」の定義について以下のように定義しています。
尊厳死:延命治療の拒否を文書で示す「リビングウイル」に基づいて延命治療を受けず、
十分な緩和ケアを受けて自然に迎える死を指す。
安楽死:延命治療さえ拒否して、積極的に生を絶つ状態(自殺・殺人含む)
つまり、尊厳死はあくまで「寿命を全うして死ぬべくして死ぬ」。
対して、安楽死は「寿命を待たずに積極的に死にたいけど、なるべく苦しまないで死にたい」。
人間、もしものことがあったら、死ぬときはこうしたい、と思うことは1つや2つはあるのではないでしょうか。
余計な治療で苦しみたくないから、延命治療はやめて!とか、
逆にお金は十分にあるから、最先端治療を最後まで続けてほしい!とか。
例のALS患者さんにも、死にたいという願いがあったとも報じられています。
しかしそれを叶えてしまった2人の医師の行為は、日本では法律違反に値しました。
・・・それでは、海外ではどうとらえられているのか?
次は海外の事情について調査してみましょう。
尊厳死と安楽死について、日本と海外での対応の違いってあるの?
日本と海外における死への向き合い方の違い。
あなたは、どう思われますか?
日本では前述のとおり、「安楽死」は法律的に認められていません。
ですが海外では、複数の国で尊厳死を合法としています。
ただ「尊厳死」と「安楽死」の定義が、日本とは少々異なるようです。
英語で「Death with Dignity」と表されている海外の尊厳死の定義は、
積極的安楽死=「安楽死」
を意味します。
消極的安楽死=「尊厳死」
は、海外では「自然死」と定義しているのです。
また、安楽死についても海外では、医師のほう助による自殺についても同じように「尊厳死」と表現されています。
これは、海外では尊厳死や自然死が当然のこととして受け入れられているからです。
本人が望む死もまた自然なこと、というとらえ方のようですね。
こういう観点から言うと、日本の問題点として挙げられるのが、患者本人の希望がかなわない可能性があることです。
日本では、患者が意思を表明できなくなると、家族が治療方法を選択し決定することが一般的となっています。
当然家族は、1日でも生きていて欲しいと願うものですよね。
そのため、実は本人が望んでいない延命治療を、何年も延々と行われることになることもあるです。
また日本の医師の立場としても、尊厳死を扱いたくない事情もあります。
過去に尊厳死に関する裁判で有罪となったケースがあり、いざ本人の意思を叶えたとしても、
死後に家族から裁判を起こされる可能性があるためです。
このように「死」については本人だけの問題ではなく、家族や周りの事情もからんできます。
今一度、自分が死んだときどうしたいか、考えてみる時間を作ってみてはいかがでしょうか。
尊厳死と安楽死の違いは?日本と各国の取り扱いの差もわかりやすく おわりに
いかがでしたでしょうか。
普段は何となくタブー視されているけれど、いつかは誰にでも訪れる「死」について、
どんな形で訪れるかわからないからこそ、
元気なうちにご家族で話し合っておくのも良いかもしれませんね。
一番悔いのない死に方を周りに伝えておくのは良いかもしれないな。
最後までお読みいただきありがとうございました。