2020年を迎えた今年、日本が第二次世界大戦を終戦してから75年もの月日が経ちました。
筆者は子供の頃、学校で「平和学習」というものを盛んに行っていたことを覚えています。
これは、第二次世界大戦でどんなことがあったのかを学ぶ上で、戦争の恐ろしさや世界平和の大切さについて学ぶ時間のことです。
ですが、大人になってからは「世界平和」について考える機会が減っているのを感じています。
つい、日々の生活に精一杯になってしまい、目の前のスマホに夢中になり、
なかなか広い目線で物事を考えることが出来なくなっている方も多いのではないでしょうか。
ですが、この機会に、もう一度第二次世界大戦のことを詳しく学ぶのはとても良いことのように思えます。
そこで今回は、終戦の日、敗戦の日について解説するほか、終戦の日の式典や黙祷の時間についてご紹介していきます。
終戦の日とは?
終戦の日とは、厳密にいえば日本に限ったことだけではなく、各国における第二次世界大戦の終戦を記念する日のことです。
アメリカ合衆国、イギリス、フランス、カナダ、ロシアでは終戦記念日が9月2日に設定されています。
この9月2日は終戦記念日でもありますが、戦勝国であるこれらの国々は「対日戦勝記念日(Victory over Japan Day)として周知されています。
当時のアメリカ合衆国の大統領であったハリー・S・トルーマンが、降伏文書に調印した9月2日のことを「V-J Day」として宣言しています。
また、中華民国と中華人民共和国、そし旧ソ連では終戦記念日は9月3日に制定されています。
中華民国・中華人民共和国では9月3日のことを「軍人節」あるいは「抗日戦争勝利の日」としています。
2014年に行われた全国人民代表者会議では「日本の侵略に対する中国人民の抗戦勝利の日」と決定されています。
このことからもわかるように、終戦後75年経った今日でも、終戦の日は各国の歴史に大きく刻まれ、今なお様々な影響を及ぼしているのです。
敗戦の日とは?
一方、日本では終戦の日を8月15日と制定しています。
これは1945年8月15日に、昭和天皇による玉音放送により、日本の降伏が国民に公表されたからだといわれています。
厳密にいえば、当時の日本政府がポツダム宣言の受諾を連合国各国に通告したのは、その前日の8月14日でした。
そして、日本政府が降伏文書に調印したのが9月2日であり、この日は終戦から7年後の1952年4月28日まで「降伏の日」「降伏記念日」あるいは「敗戦記念日」と呼んでいました。
そして1952年4月28日、サンフランシスコ平和条約が発効となり、連合国各国と日本の戦争状態が完全に終結したのでした。
そのため、4月28日は「主権回復の日」や「サンフランシスコ条約発効記念日」とも呼ばれています。
このことからわかるように、敗戦記念日とは厳密にいえば9月2日を指していたということになります。
終戦の日の式典はいつ?
終戦の日の式典は、正式名称を全国戦没者追悼式といいます。
この追悼式は1952年から日本国政府の主催で行われる式典のことで、毎年8月15日に東京都千代田区にある日本武道館で開催されています。
第二次世界大戦の日本人戦没者の冥福を祈るとともに、これからの世界平和の大切さについて考える大切な行事となっています。
式典には天皇・皇后の他、内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官や各政党の代表、そして都道府県知事など地方公共団体の代表が参列します。
また日本遺族会関係団体の代表者や報道機関の代表者、一般戦災死没者の遺族代表や、厳罰死没者遺族代表など、多くの人々が国費によって参列しています。
2019年の追悼式には、同年5月に即位した天皇・皇后両陛下がご参列されました。
またNHKが生放送で式典の様子を放送するため、参列者以外の多くの国民が式典の様子を視聴することができます。
2020年は厚生労働省の公式YouTubeチャンネルから、式典の様子がライブ配信されました。
黙祷の時間はいつ?
日本では、黙祷は弔意をあらわす大切な行動であるとされています。
ですが、終戦記念日である8月15日、一体何時に黙祷を捧げればいいのか、ご存じない方もいらっしゃると思います。
終戦記念日の黙祷の時間は、毎年8月15日の正午に行われます。
これは、1945年8月15日の正午に、昭和天皇による玉音放送が行われたからだとされています。
黙祷の時間は1分間です。
この間は心を落ち着け、目を閉じて、静かな気持ちで戦没者の方々に思いを馳せることが大切です。
それと同時に、戦争のない世界の大切さをかみしめ、これからもその平和が永遠に続くよう祈るためのとても重要な時間です。
終戦の日とは?敗戦の日はいつ?式典や黙祷の時間についてご紹介 おわりに
この記事では、終戦の日と敗戦の日について詳しくご紹介すると共に、終戦の日の式典についても詳しくご紹介しました。
戦争経験者がどんどん高齢化していく中で、若い世代の人々が戦争の恐ろしさを忘れず、世界平和の大切さについて考えていくことが大切ですね。
そのためにも、年に一度は戦争があったことを思い出し、平和の大切さについて考えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。