排他的経済水域とは一体何のことか、きちんと説明できるでしょうか?
「学校で習ったことはあるけれど、今更よくわからない・・・」
という方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、排他的経済水域についてご紹介するとともに、領海との違いについてもわかりやすくご説明したいと思います。
排他的経済水域とは?
排他的経済水域とは、日本など海に囲まれたり海に面している国が、
海で獲ることのできる天然資源などを自国の支配下に置くことのできる海域のことを指します。
天然資源はその国の「経済」に利益をもたらすことができますよね。
該当の水域について、他の国に「排他的行為」をとることのできることから、この名称がつけられました。
これは「経済的主権」と呼ばれる権利の一例です。
排他的経済水域内において、人工島などの施設を作ったり、海流や風を利用した発電所などを作ることもできます。
排他的経済水域の距離は、国連海洋法条約第57条によって定められており、沿岸から半径200カイリまで認定することができるのです。
1カイリはおよそ1.8kmとなっており、200カイリというと九州、四国、本州の半分くらいをおさめたくらいの距離です。
これはおよそ447万平方キロメートルという大きさで、日本が保有する排他的経済水域の大きさは、世界では第6位となっています。
1位はいわずもがなでアメリカ合衆国(およそ762万平方キロメートル)、次いでオーストラリア(およそ701万平方キロメートル)、インドネシア(およそ541万平方キロメートル)です。
日本は四方を海に囲まれた島国ですから、おのずと排他的経済水域の距離も広くなるんですね。
排他的経済水域の歴史は?
排他的経済水域という概念が最初に提唱されたのは1967年のことで、1982年に採択されました。
それまでは国ごとに領海の範囲がまちまちだったため、それらの統一をはかったといわれています。
日本で排他的経済水域が制定されたのは1977年のことです。
“領海法”の改正と、“漁業水域に関する関数暫定措置法”という法律が施行されたのをきっかけに制定されました。
実は、この排他的経済水域は、経済的に大きな問題を抱えています。
海洋の天然資源はどの国にとっても非常に重要な資源です。
そのため、各国はそれぞれの権利を手に入れる為、現在でも多くの問題が発生しています。
日本も、韓国や北朝鮮、中国、ロシアなどの近隣国との間で非常にセンシティブな駆け引きが続いていますね。
北方領土周辺や竹島、九州の西方や尖閣諸島などは現在でも、ロシアや韓国など近隣の国々との論争の種になっています。
排他的経済水域と領海の違いは?
それでは、排他的経済水域と「領海」の違いとは一体なんでしょうか。
そもそも領海とは、基線から最大12カイリ(およそ22.2km)までの範囲に設定することが可能な水域のことです。
領海内では沿岸国の主権・および法律が適用されます。
このほかに「領土」「領空」という言葉がありますが、これらは国家の領域を構成するための「国土」のひとつであるといえるでしょう。
領海は、1964年に「領海及び接続水域に関する条約」によって規定されました。
許可なく侵入するだけで犯罪となる「領空」とは違い、たとえ軍艦であっても、戦闘態勢を持たないことや沿岸国の安全を害さないことなどの条件を満たしていれば、他国の船が侵入しても犯罪にはなりません。
領海内には国際航行に使用されている海峡もあり、日本では津軽海峡・宗谷海峡など5つの海峡がそれに当てはまります。
これらの海峡は「国際海峡」と呼ばれています。
また、領海の外縁部分である接続水域と呼ばれる場所では、通関や財政・出入国管理・衛生に関する法令の違反に対して、沿岸国が予防措置・法的措置をとることが許されています。
基線から見ると「領海」「接続水域」「排他的経済水域」の順に層を成していると考えると、イメージが掴みやすいかもしれません。
排他的経済水域を出ると、そこからは「公海」と呼ばれるエリアになり、沿岸国は権利を持つことができません。
排他的経済水域とは?領海との違いは?わかりやすくご紹介 おわりに
いかがでしたか?
この記事では排他的経済水域とは何かをご紹介するとともに、領海との違いについてもわかりやすくご紹介しました。
日本において、外国との貿易や海の資源は欠かせないことですよね。
日本における外国との貿易は、その99.7%が海を通じて行われています。
そのため、日本にとって海は切り離せない存在です。
海の資源を守るため、また他国との信頼・安全関係を守るためにも、排他的経済水域はとても大切なものであるということがわかります。
一人一人が排他的経済水域がなんたるかを理解し、その重要さを知っていることで、日本の経済についても深く考えることができるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。