先日の記事(「口臭とは?原因別の対策やオススメの口臭チェッカーをご紹介」)にて
口臭の原因と対策について調べてみましたが、日本人の約9割が気にしている口臭。
口臭の原因の約6割は舌苔であり、
その舌苔対策に「舌ブラシ」が有効であると紹介しました。
今日はそんな舌ブラシのかけ方や舌ブラシを含む舌ケアについて
もっと深く探っていこうと思います。
舌ケアとは?やったほうがいい?
まず、みなさんどのような口臭ケアをされているのでしょうか。
2019年に日本歯周病学会 理事 専門医・指導医の若林健史さんが
指揮を執ったブレス・ハザードプロジェクトでは、
総合歯科医療商社の株式会社モリタ、
口臭測定器など生体ガス測定システムの株式会社タイヨウが
「口臭ケア」啓発の一環として、
全国47都道府県・4700人を対象とした口臭ケアに関する意識調査と、
口臭測定器を用いて首都圏214人を対象とした口臭実態調査を行い、
日本人の口臭の実態、各都道府県別の傾向などをまとめた
『口臭白書2019』をプレスリリースしました。
「口臭白書」ってすごい響きですよね。
このなかで
「日常的にどのようなケアを行っているのか」
という興味深い調査結果が発表されていました。
こちらを見ると、
- 4位・・・歯ブラシで舌を磨く
- 5位・・・洗口液の使用
これらが舌ケアのうちに入るでしょうか。
舌ケアを行っている人は合わせても50%にも満たしません。
どちらも行っている人もいらっしゃるでしょうから、
もっと少ないということでしょう。
では、舌ケアといわれてまず思い浮かぶ「舌磨き」について
行う目的を見ていきましょう。
舌磨きを行うことによって、次のような効果が期待できます。
口腔内の食べかすや細菌を取り除く
まずは口臭につながるのですが、「口腔内のたべかすや細菌を取り除く」効果。
ご存知の通り、舌はつるんと真っ平らではなく、
いくつもの凸凹(舌乳頭)があります。
これらに食べかすがつき、細菌が分解を行う際にガスを発し、
口臭につながってしまうわけですが、
舌磨きを行うことで食べかすの除去・細菌の除去が行えます。
誤嚥性肺炎の予防
誤嚥性肺炎の予防は、舌磨きを行うことにより、
- 舌苔を減らす
- 細菌の温床となるものを減らす
などが病気の予防になるということです。
舌苔の中で増殖した細菌が気管から肺に入ってしまうと、
免疫力が低下している場合、
誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こす原因になってしまうことがあります。
つまり、舌苔を清掃して舌をきれいにすることは口臭のみならず、
誤嚥性肺炎の予防にもつながるのです。
味覚の改善
ご存知かもしれませんが、舌は場所によって感知する味が異なります。
味は、
- 甘味
- 辛味
- 塩味
- 酸味
に区分されています。
舌前三分の二で味覚を感じるのですが、
- 甘味は舌先
- 塩味は舌先の外側
- 酸味は舌の奥のほうの外側
とそれぞれ舌のふちに沿って感じることができるとされています。
苦味だけは舌の奥の付け根のあたりで感じるとされています。
舌苔を取り除くことにより、その味覚を感じやすくなるということですね。
唾液の分泌を促す
唾液には消化を助ける作用や飲み込みをよくするだけでなく、
舌の洗浄作用の働きもしています。
そのため、口臭を予防するためには唾液の分泌量を増やすことが大切です。
よく噛む、よく話すことにより、あごを動かすことで、
口の下や耳の下の唾液腺が刺激され、唾液がたくさん分泌されます。
舌磨きにより、舌をよく動かすことで唾液の分泌を促すことができます。
しかし、何事もやりすぎは禁物です。
舌の上にはうっすら舌苔があり、白っぽいのが正常な舌の状態です。
すべての舌苔を除去しようとごしごしと強い力で舌磨きを行わないでください。
舌ケアとは?効果的な方法とオススメグッズを紹介
それでは舌ケアの方法について見ていきましょう。
舌清掃は朝1日1回が目安
1日に何回も舌をごしごしと磨いていると舌の粘膜を傷つけてしまいます。
さらに、そこからばい菌がわいてしまうことも考えられますので、
舌清掃は1日1回を目安に行いましょう。
舌ケアのタイミングは朝起きてすぐが最適で、
歯ブラシの前に行うことをお勧めします。
なぜなら寝ている間にお口の中は水分が減った状態で、舌苔が増加しているからです。
また、舌磨きをしたあとは口をゆすいだくらいでは洗い流せない汚れで一杯なので、
必ず歯磨き前に行いましょう。
できるだけ舌ブラシを使う
舌磨きに使うのは
- 専用の舌ブラシ
- 歯磨きとは別に用意した歯ブラシ
などで行いましょう。
歯磨きと同じ歯ブラシで行わないのは
歯ブラシへの細菌の付着・歯への細菌の拡散を防ぐためです。
鏡を見ながら行う
舌苔が付いていないところは舌磨きを行う必要はありません。
鏡で確認をしながらやさしく優しく行いましょう。
ブラシを動かす方向は「舌の奥から手前」に10回程度
ブラシは必ず、舌の「奥から手前」に向いて磨きます。
ブラシを前後させたりするのはやめましょう。
舌苔中の細菌をのどの奥へ奥へと送り込んでしまう危険があります。
ベーっと舌を出す
ブラシなどを舌の奥に入れると「おえっ」となることがあります。
この嘔吐反射を防ぐには、舌を思いっきり前にべーと出すのがコツです。
思い切り磨かない
舌は大変デリケートです。
病気や口臭を予防する目的の舌磨きで舌に傷をつけ、
そこから細菌が入ってしまっては元も子もありません。
軽い力で、先ほども言った通り、奥から手前に10回程度です。
無理にキレイにしない
長い期間をかけてたまった舌苔は、
たった一回の掃除ではきれいにとれるはずがありません。
日課にして徐々にきれいにしていこうと長い目で見て優しく行って下さい。
舌ケアに必須のオススメグッズ2つ!
それでは最後に、舌磨きを行う時にぜひ使っていただきたい舌ブラシを二つほどご紹介します。
歯ブラシより細い極細毛で、舌苔の溜まった舌乳頭の隙間に入りやすく、
舌表面を傷つけません。
また、横幅が大きく、一度に広範囲の舌磨きが可能で何度も磨く必要がありません。
くるくると回る360度のブラシは舌乳頭に直角にあたるよう設計されており、
汚れをよく取ってくれます。
舌ケアとは?やったほうがいい?効果的な方法とオススメグッズを紹介 まとめ
いかがでしたでしょうか。
舌ケアをやっている方は少ないの現状で、
舌ケアをしている方も多くが我流でされているようです。
これからは、今まで舌ケアされたことのなかった方も、
長い人生を見据え、1日1日の習慣としてあげてくださいね。
舌は、中国漢方では「舌で健康状態を診る」とまで言われる、大切な器官です。
あなたも正しい舌ケアの知識を育み、口内の健康を心がけていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。