2020年9月18日、全世界で話題の映画『TENET テネット』が日本でも公開されました。
この作品はバッドマンシリーズの『ダークナイト』3部作や
『インセプション』、『インターステラー』などのSF超大作を生み出した
鬼才クリストファー・ノーラン監督によるオリジナルアクションサスペンスです。
今作は公開してから週末動員ランキングで2週連続トップに立ち、予想通りの大ヒット!
ただ、今回は多くの人が感想として
「意味不明」
「わからない」
「けれど、見てしまう」
といった声が上がっています。
この難解さこそがクリストファー・ノーラン作品の持ち味で、難しい中にあるメッセージ性が愛されています。
今回はそんなクリストファー・ノーラン作品について紹介していきたいと思います。
合理天狗くん。クリストファー・ノーラン監督の新作がヒットしているみたい。見にいきたいね
おや。クリストファー・ノーラン作品はけっこう難しいのだが、御パンダ君は最後まで見られるのか?
失礼な!こう見えて僕は映画通なんだよ。ノーラン監督といえばバットマンシリーズ!ジョーカー大好き
ふむ。確かに『ダークナイト』は素晴らしい作品じゃが、初期の作品も良いものがたくさんある。今回はクリストファー・ノーラン監督について、オススメ作品と共に紹介するぞ
クリストファー・ノーランとは?
クリストファー・ノーランはイギリス出身の映画監督であり映画プロデューサー、脚本家です。
2000年に2作目となる長編映画『メメント』で大躍進しました。
この作品は弟のジョナサン・ノーランが書いた短編を基にしています。
そのヒットを受けて『バットマン』の新シリーズの監督に抜擢し、大ヒットしたことが有名ですね。
その他にも『インセプション』、『インターステラー』など数億ドル規模のヒットを連発しています。
クリストファー・ノーラン監督は子どもの頃から8ミリでの撮影を始め、1989年に短編『tarantella』を発表している
やっぱり大成する映画監督は予算とか云々言う前に撮影しちゃうんだよね
うむ、そうじゃな。クリストファー・ノーラン監督はその後、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで英文学を専攻するかたわら、16ミリで映画製作も行っていたそうじゃ
そう、1998年には初長編作品『フォロウィング』を発表し、がトロント、ロッテルダム、香港などの映画祭で高い評価を受けた。この作品は白黒映画であり、なんと予算6000ドルで製作しているのじゃ
うむ、当然時間もじゃ。その証拠にノーラン本人が監督・製作・撮影・編集・脚本すべてを担当しておる
ひえー!大変だ。シルベスター・スタローンのロッキーもそうだったよね。その気迫が大成するには必須なんだよ
うむ、勢いに乗ったクリストファー・ノーラン監督は続く『メメント』でインディペンデント・スピリッツ・アワードの監督賞と脚本賞を獲得。この作品は弟のジョナサン・ノーランの短編が原案となっておる。ジョナサン氏は他にも『プレステージ』、『ダークナイトシリーズ』、『インターステラー』などで兄と共に脚本を書いておるぞ
ふーん。兄弟で活躍しているなんてすごいね。2人はどうやって育ってきたんだろ?喧嘩しないのかなぁ
ふむ。ではクリストファー・ノーラン監督の生い立ちについて紹介してみよう
クリストファー・ノーランの生い立ちは?
クリストファー・ノーラン監督はイギリスのロンドン出身です。
イングランド人でコピーライターの父とアメリカ人で客室乗務員だった母のもとに生まれました。
なんとイギリスとアメリカ両方の国籍を持っており、幼少の頃はロンドンとシカゴの両方で過ごしました。
その後ハートフォードシャーのインデペンデント・スクールであるヘイリーベリー・アンド・インペリアル・サービス・カレッジを卒業後、
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンに入学しています。
そして、イギリス小説を学ぶ傍ら、短編映画の制作をはじめたのです。
クリストファー・ノーラン監督は幼い頃はイギリスとアメリカを行き来しておった。しかし、学校がイギリスだったため学生時代はほとんどをイギリスで過ごしておる。ロンドンの中心部にキャンパスがある総合大学に進学後、イギリス小説を学びながら短編映画を製作していたのじゃ
いや。今は名監督となったクリストファー・ノーラン監督じゃがイギリス時代は不遇であった。そのため、クリストファー・ノーラン監督はデビュー以降合作映画をのぞいてイギリス映画を撮っていない
先程も触れたが、デビュー作の『フォロウィング』(1998)の製作時には、脚本と監督の他に、製作・撮影・編集も担っていた。全編白黒で撮影された『フォロウィング』は、製作費6000ドル(約66万円)という超低予算で制作が行われた。製作費はクリストファー・ノーラン監督と、その友人たちで工面したそうじゃ。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで英文学の学士号を取得した若き日のノーラン監督は、映像関係の仕事に就きながら、短編の映像作品を製作し、映画監督としてのデビューを目指す日々を過ごしていた
サラリーマンと監督業を両立していたわけだ
そうじゃ。クリストファー・ノーラン監督は平日は仕事、土日は映画の撮影というハードスケジュールをこなしながらデビュー作を作り上げた。しかし、結果として映画会社からの『不採用通知の束』が送られてきただけだった。2005年に行われたガーディアン誌のインタビューで、彼はこう語っている
正直に言うと、イギリスはとても閉鎖的な場所だよ。ハリウッドには、素晴らしい心の広さがある。新しい人々に対する猛烈な欲求と言ってもいいね。イングランドでは、新しいものに対する不信感が強いんだ。文化を守るためには良いことかもしれないけれど、映画業界に挑戦しようっていう人間にとっては、辛いことだよ。
イギリス時代は認められなかったけれど、2作目で大ヒットしているんだよね。イギリスは天才を手放してしまったんだね
そう、イギリスにとっては進撃の巨人の作者が少年ジャンプ編集部に持ち込みに来たのを突っぱねたような損失じゃろう
クリストファー・ノーランのオススメ映画5選は?
それでは、クリストファー・ノーラン監督の生い立ちも頭に入ったところで
2020年時点のオススメ映画を5つご紹介します。
①ダークナイト(2008)
概要
アメリカン・コミック『バットマン』を原作とした実写映画作品です。
『バットマン ビギンズ』に続く「ダークナイト・トリロジー」の第2作目であり、
バットマンの実写映画作品としては累計で第6作品目となります。
あらすじ
バットマン、地方検事のハービー・デント、ゴッサム市警のジム・ゴードンの三人は、ゴッサムから組織犯罪を無くすために活動をしていた。
街は沈静化に向かっていたが、ある日、道化師のマスクを被った犯罪者の一団がゴッサム・シティ銀行を襲う。しかし、一団は互いを裏切り、殺し合ってしまう。
生き残った最後の1人、ジョーカーは、銀行に預けられていたマフィアの資金を奪って逃走。
ハービー・デントは、事態を収束すべく犯罪の一掃を推し進めていくが、ジョーカーはデントの恋人であり、バットマンの最大の理解者であるレイチェルに狙いを定めていく…。
やっぱりノーラン監督といったら『ダークナイト』だよね!ジョーカーかっこいい!
『ダークナイト』は、クリストファー・ノーラン監督の『バットマン』シリーズ3部作、いわゆる『ダークナイト・トリロジー』の最高傑作じゃ。『ダークナイト』は前作『バットマン・ビギンズ』を上回る大ヒットとなり、世界で10億ドルを超える興行収入を記録しておるぞ
なんといってもヒース・レジャーの狂気がすごいんだよね!
第81回アカデミー賞にも8部門にノミネートされるなどコミック原作映画の歴史を塗り替えた一作じゃ。『悪のカリスマ』と呼ばれるジョーカーを演じたヒース・レジャーは撮影直後に急逝するが、本作が公開されるとその演技が絶賛され、アカデミー助演男優賞を受賞した
ヒース・レジャは役に入り込み過ぎてしまった噂もあるけど、それくらい惹き込まれてしまう作品なんだよね
②メメント(2001)
概要
クリストファー・ノーラン監督の第2作目となる長編映画であり、出世作です。
監督の弟であるジョナサン・ノーラン氏が書いた短編『Memento Mori』が元になっています。
ストーリーは終わりから始まりへ、時系列を逆向きに映し出していくという形式を取っています。
その革新的な内容が口コミで広がり、封切り時に11館だった上映劇場が500館以上に拡大し、10週目にして全米チャート8位にランクインしました。
あらすじ
主人公のレナードは、自宅に押し入った強盗の手によって妻を強姦・殺害されてしまう。
事件の際、自身も脳に損傷を負い「前向性健忘」となった彼は記憶が10分間しか保たなくなってしまった。
復讐のため、レナードは見聞きするあらゆる情報をメモや写真、時には自らの肉体にタトゥーとして刻みつけていく。
果たして犯人は誰なのか?
『メメント』は斬新な「巻き戻し」構成を使っている。主人公の記憶力の限界である10分間に合わせ、時間を短く区切り、順番を入れ替え、最後に起こったことから最初に起こったことへと逆向きに再生していったのじゃ
見ていると混乱するよ。集中力が必要な映画だね。そして、この映画はオチがすごい
1回見ただけでは理解できないこともあるので、諦めずに何回か見てみると良いぞ
③プレステージ(2006)
概要
2人のマジシャンの因縁と対決を描くサスペンス映画です。クリストファー・プリーストの1995年の小説『奇術師』を映画化した作品でもあります。
第79回アカデミー賞では撮影賞と美術賞にノミネートされました。
『バットマン・ビギンズ』に続くいてクリスチャン・ベールが主役を務めます。
ストーリーの中核となる瞬間移動ショーのトリックの秘密を握る実在の発明家ニコラ・テスラを、2016年に亡くなったミュージシャンのデヴィッド・ボウイが演じている点も見どころの一つとなっています。
あらすじ
舞台は19世紀末のロンドン。
マジシャンのボーデンはライバルであるアンジャーの瞬間移動マジックを調べるため、彼のマジックの最中に舞台下に侵入し、水槽に落ちて溺死してしまう。
その場にいたボーデンはアンジャー殺害の容疑で逮捕される。
そして、ボーデンの回想が始まる。ある日水槽脱出マジックでボーデンが犯したミスにより妻が溺死させられたことから、ボーデンに対してライバル心以上に大きな復讐心が芽生えたアンジャー。
以後、2人は生死を掛けた騙し合いを繰り広げていき…。
ヴィクトリア女王治世末期のイギリスを、美しく精密に再現しておる。衣装やセット、小道具が高く評価され、アカデミー賞では美術賞を含む2部門にノミネートされておるぞ。マジシャンたちの華麗なマジックバトルに魅せられながら謎解きを楽しもう
この映画もどんでん返しがあるよね!でも、ノーラン監督作品だから時系列を理解するのが難しい…
主人公2人の視点を変えた回想と、現在という3つの物語を細かく分割しておるからな。発生した順番を入れ替えているのでこの映画もまた『時系列シャッフル映画』と言える
出来事を発生順に並べ変えなきゃいけないね。パズルみたい!でもトリッキーな展開でびっくりするよ
④インターステラー(2014)
概要
クリストファー・ノーラン監督のオリジナルSF大作です。
人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男の姿を描いています。
こちらの作品もジョナサン・ノーラン氏が脚本に加わっています。
あらすじ
砂漠化が進行し、深刻な食糧危機に見舞われた近未来が舞台。
地球以外に生存可能な惑星を見つけ出し移住するため、元NASAパイロットのクーパーは愛する娘を残し、宇宙に旅に出た。
人類の生き残りをかけて謎の存在「彼ら」が用意したワームホールに突入する。
『インターステラー』では壮大な世界観を表現するためによりリアルな撮影環境が用意された。
CGを嫌うクリストファーノーラン監督は広大なアイスランドをロケーションに決定し、実物大セットを設置して撮影に挑んだという。フィルムとIMAXカメラで徹底した 臨場感を表現したのだ
トウモロコシ畑も実際に栽培したみたいだね!
何よりアイスランドでの撮影がすごい。スタッフは約10000ポンド(4500キロ)のモックの宇宙船をアイスランドに運んだそうだ。極寒のアイスランドでの撮影中、アン・ハサウェイは水中の場面を撮っている際にドライスーツに不備があったために低体温症となったそうじゃぞ
過酷な撮影現場名だけあってそのリアリティは凄いよね
原題となった『interstellar』とは『宇宙に散らばる星々の間を旅する』という意味を持つ。重力研究専門の物理学者に協力を依頼しブラックホールを詳細にCGで再現した。その過程で科学論文が出来上がるほどだったそうじゃ。ちなみにアカデミー賞では5部門にノミネートされ視覚効果賞を受賞したぞ
宇宙を旅する話だけれど、ノーラン監督の作品らしく時間も深く関わっているんだよね。主人公と残された家族側で経過するときの流れが違う。そのことで大きな展開が生まれていく過程は見事だったよ
うむ。なかなか難解で一筋縄ではいかないストーリーじゃが、緻密に作られているので見ごたえがあるぞ
⑤インセプション(2010)
概要
クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作によるSFアクション映画。
第83回アカデミー賞では撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞を受賞。
主演はレオナルド・ディカプリオでその独得の世界観は人間の夢の世界を斬新に描いています。
あらすじ
主人公コブは人が眠っている間に夢(潜在意識)に侵入し、他人のアイデアを盗みだす一種の産業スパイであった。
コブはとある事情で愛する人を失い、国際指名手配犯となってしまう。
ある日コブはサイトーという依頼主により、人生を取り戻す唯一のチャンス「インセプション」という最高難度のミッションが与えるられるのだが……。
他人の夢(潜在意識)に入り込んでアイデアを盗むというスパイの主人公が、仲間と共に危険なミッションに挑む。この夢泥棒のパーティー、レオナルド・ディカプリオに渡辺謙といった非常に豪華なキャストになっておる
夢の世界が何層かに分かれているっていうのも興味深いよね。1層目で眠ることで2層目に、2層目で眠ることで3層目へと進むことができる。深い層へと潜れば潜るほどターゲットに近づける
ラストシーンは色々と考えさせられる。この作品もまた何度でも見てその世界観にひたりたくなるものじゃ
クリストファー・ノーランとは?生い立ちやオススメ映画5選をご紹介 おわりに
いかがでしたか?
クリストファー・ノーラン監督のストーリーは難解ではありますが、理解するために何度でも見直して楽しめますし、
友達と語り合うネタとしても最高ですよね。
また、なるべくCGを使わないリアルな映像美に圧倒され、現実のように惹き込まれていきます。
映画館でその世界観に圧倒されるもよし、DVDでストーリーを繰り返し研究するもよし。何度でも楽しめますよ!
僕はやっぱり『ダークナイト』!ジョーカー大好き
わしは『インセプション』じゃな。世界観が独特で惹かれる。何よりも俳優陣が良い。わしも若いころはディカプリオに似てるなんて言われたもんじゃ
それより新作のテネットがめちゃ面白そう!どうせ一回じゃ理解できないだろうから普通の映画館とIMAXシアターで2回は観に行かなくっちゃ!
最後までお読みいただきありがとうございました。