突然ですが、本日のテーマは「無形資産」です。
そもそも御パンダくんは「無形資産」が何かを判っていないようですね。
もっとも、普段スーパーで売り出しPOPになっていない単語ではありますし、
会計業務を行っていない方には、馴染みのない言葉かも知れません。
ちょっとググってみたけど、何だか専門記事しか出てこない・・・
どう考えても銀行様用語だよね?と感じたあなた、是非とも先を読み進めてください。
できるだけ分かりやすく「無形資産」を解説します!
会計の基本、無形資産って何?償却期間って何のこと?
「無形資産」を語る前に、まずは「有形資産」について考えてみましょう。
文字通り、形のある資産を指します。例えば下記のような資産です。
所有するのに保管場所が必要な資産と言えそうです。
・建物附属設備
・構築物
・船舶
・航空機
・車両運搬具
・工具
・器具備品
・機械装置
対して「無形資産」は形が無い=以下のような資産を指します。
・ダム使用権
・水利権
・特許権
・実用新案権
・意匠権
・商標権
・ソフトウェア
・育成権
・営業権
また「資産」と名が付いているので、両方とも税金(主に所得税)の対象となります。
ただの所有物ならそのまま税金がかかってしまいますが、お仕事の必要経費として計上すると節税になる場合があります。
資産を費用として算出する際に用いる手法を「減価償却」と言います。
「減価償却」は何のためにあるかと言うと、所有者の資産が仕事をするために必要な場合、
必要経費として算出する金額をに適切に算出するためです。
例えばライティングの仕事をするために、新しくPCを購入したとします。
これは仕事をするための必要経費として、確定申告の時には減税対策として必要経費としたい訳です。
PCは耐用年数が4年と決められており、問題なければそのまま4等分した金額を必要経費として算出するのですが
PCに限っては3年間で均等に減価償却することができます。
4等分→3等分になると、1年間で必要経費として計上できる金額が大きくなるので、その分節税につながります。
ここで「3年間」「4年間」と言っている期間のことを「償却期間」と言います。
そもそも、PC購入費はライティングのお仕事をするために必要な経費だった訳ですよね。
でも、もし新しくPCを購入しなくても古いPCで十分お仕事ができたのだったら、
その分出費は無く、必要経費も無かったことになりますね。
PCは必要経費として計上できる「償却期間」が3年間もしくは4年間と決まっているため、
5年目からは必要経費として計上することはできません。
では次に、無形資産に対する償却期間について調べてみましょう!
無形資産にも償却期間があるの?わかりやすく教えて!
会計時に利用する資産の考え方として、実は「有形資産」「無形資産」の他にもう1パターン、
「減価償却資産」「非減価償却資産」があります。
両方の関係性は以下のような感じです。
減価償却資産:時間の経過によって価値が減少するもの
・有形資産・・・建物や機器など
・無形資産・・・特許権、ソフトウェアなど
非減価償却資産:経年しても価値が下がらない資産、使用していないもの
・有形資産・・・土地、書画、建設中の建物など
・無形資産・・・借地権、電話加入権など
この中で「減価償却資産」であれば、無形資産にも償却期間が存在します。
例えばソフトウェアの減価償却計算方法は、残存価格を0円と見なした「定額法」のみとなります。
自社で利用するためのソフトウェアは、耐用年数5年と見なして計算されます。
販売を目的としたソフトウェアは、税務上では耐用年数3年と見なされます。
ところが、最近はそうも言えないみたいですよ。
コロナ禍によって倒産・休業を余儀なくされる企業や商店などが増える一方の中、
何とか倒産まで行かないように、無形資産を担保として政府が融資してくれる制度が始まりそうです。
それでは今度は、無形資産担保融資について調べてみましょう!
無形資産担保融資とは?メリットとデメリットは??
「無形資産担保融資」とは、企業の所有する機器や設備の他に無形資産として
・技術、ノウハウ
・顧客基盤
・知的財産
などを一括して担保にし、銀行が融資するイメージを実現する制度です。
金融庁が2020年11月4日から銀行による中小企業の事業支援を促す融資改革の議論を始め、
今後は法務省の意見を踏まえ、2021年に法制審議会(法相の諮問機関)で民法改正を検討する予定です。
「事業者を支えるための資金調達の選択肢が増えるのは望ましい(日本商工会議所)」
など新制度に期待する声が多いようです。
メリットとしてはやはり、コロナ禍で打撃を受けた中小企業に対して資金供給の手段を広げる手段となることです。
以前から「将来有望な企業でも担保がないために融資できない」といった問題点が指摘されており、
こうした問題点の解消も見込めます。
さらに融資する銀行側にもメリットがあり、融資先を再生させることが自らの利益となること、
また貸し倒れによる信用コストを減らす効果も期待できると言われています。
無形資産も担保にすると企業全体の価値に担保権を設定することになりますが、
これまで以上に銀行の「目利き力」が問われることになるようです。
研究会の参加者からは「融資制度を見直しても金融機関のノウハウが十分ではない」との指摘も出たそうで、
金融庁幹部は「企業と密接な関係を築いてきた銀行ほど優位になる」とも言われているとか。
何だか結局コネ次第、な方向に行くのはどうかなぁと思いますね・・・
無形資産とは?償却期間や無形資産担保融資についてわかりやすく紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。
形が見え無くても、立派な資産として定義できるのが「無形資産」。
「無形資産担保融資制度」が適用されると、これからの企業にとっては融資チャンスが広がると同時に
会計業務の負担も大きくなりそうなので、そちらへのサポート対応も期待したいところですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。