あなたは「テーパリング」という言葉をご存じですか？
投資に疎い日本に住んでいると、
という人がほとんどのはずです。
そんな方たちのために今回は、「テーパリング」の意味や影響を
わかりやすくご紹介しますので、見ていきましょう！
「テーパリング」とは？意味は？
御パンダ
合理天狗君って『テーパリング』の意味わかる？
合理天狗
うむ、『テーパリング（tapering）』とは量的緩和政策による金融資産の購入減額を示すことを表しておる
御パンダ
うーん、量的なんとかじゃなくて、もうちょっと噛み砕いてほしいなぁ
合理天狗
だんだんと先細っていく様を想像してみると良い
合理天狗
景気が後退する、あるいは社会的要因により経済が冷え込むと、政策金利の引き下げが行われるじゃろう
合理天狗
生産設備投資がしやすくなるじゃろう、それによって業績を向上させるのが狙いじゃ
御パンダ
わかるようなわからないような・・金利っていま実質ゼロみたいな感じなんじゃないの？もう引き下げることができないとかやってるじゃん
うむ、そういう時に中央銀行はさっき言った量的緩和策を実行するのじゃ
御パンダ
あー、それさっき聞き逃したけど、量的緩和策ってなんなん？
量的緩和策は中央銀行つまり日銀が国債や不動産担保証券などを大量に購入することじゃ
御パンダ
なるほど、それで市中に資金を供給し、景気を向上させるわけね
合理天狗
ご名答。テーパリングとは、この量的緩和策の購入額を徐々に減らしていくことなのじゃ
合理天狗
タイミングとしては、雇用統計などの景気指標が一定の改善を見せた時じゃ
御パンダ
なるほど、もう大丈夫だろうと判断したときなんだね
合理天狗
うむ、購入額を減らすことから、別名「出口戦略」とも呼ばれるのじゃ
「テーパリング」による影響は？
御パンダ
日本だけじゃなく世界でもテーパリングって言葉は使われるんだよね？
合理天狗
当然じゃ。例えばアメリカでは、ワクチン接種が進み、経済の正常化が近づいたことで、景気が回復しておるじゃろう
合理天狗
そう、こうしてアメリカの景気回復が加速していることで、市場ではＦＲＢ（連邦準備理事会）が２０２２年にかけてテーパリングを開始するという見方が多い
合理天狗
一般的にテーパリングは、中央銀行の国債などの買い入れが少なくなるから需給も少なくなり長期金利は上昇、価格は下落するぞ
合理天狗
うむ、長期金利は企業の借り入れコストにあたる。この長期金利が上昇するということは企業価値を反映する株価は安くなるのじゃ。特に、アメリカで調達された資金が投資される『新興国株』の株式相場には、マイナスの影響が出るといわれておったり、今回のテーパリングが実施されるころには、市場は落ち着いており、影響は限定的との見方もある
合理天狗
うむ、最近では景気回復を確認できる「経済指標」が発表される度に、ＦＲＢがテーパリング議論をいつ始めるかを推察しており、その都度マーケットは反応しておる
「テーパリング」の過去の事例は？
テーパリングの過去の事例でいえば、
２００８年のリーマンショック後が上げられます。
アメリカで起きたリーマンショックにより、
FRBは政策金利をゼロ%付近まで引き下げ、
「量的緩和策」として国債や、不動産担保証券などの
資産を購入しはじめました。
２００８年～２０１５年までに積み上げた米国債は、
「約２.５兆ドル」に達しました。
そのリーマンショックから７年の月日が経過し、
雇用統計も改善されたことから、
FRBは２０１５年ごろに、「テーパリング」を開始しました。
まず、国債や不動産担保証券の購入額を減らし、
残高がこれ以上大きくならないように調整します。
２０１６年からは「政策金利」を段階的に上昇させます。
購入減額と政策金利の利上げにより、２０１８年から
米国債や不動産担保証券の残高が、減少しはじめていました。
合理天狗
『このままテーパリングが進んでいくのではないか』と予想されておったが、２０２０年に状況が一変したんじゃ。
合理天狗
そうじゃろうな。ここにも悪影響がでるとは困ったものじゃ
テーパリングとは？意味や影響についてわかりやすくご紹介！ おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、「テーパリング」の意味や影響をわかりやすくご紹介しました。
この先の市場では、しばらくテーパリング議論によって、
長期金利が上昇し、株安となる場面があるかもしれません。
テーパリングが開始しているということは、
経済は回復傾向にあるため過度に警戒しすぎる必要はないでしょう。
ただ、米金利は、世界経済の中心である
アメリカ合衆国の景気バロメーターであると同時に、
世界的なお金の流れやすさの指標でもあります。
あらゆる資産価格に影響を与える指標ですので、
投資を行っている人は都度チェックしておくとよいですよ！
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
