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社会人が知らないと99.7%出世できない情報セキュリティ(11) 「不正のトライアングル」

「不正のトライアングル」理論

 

あなたは「バレなければいい」と不正なことや不義理なことをしたことがありますか?

 

誰もが後になって振り返り

 

「何であんなことをしてしまったんだろう」

 

「…時間よ、1時間だけ戻れッ!」

 

などと後悔した黒歴史があるかと思います。

このような状況に陥らない為に、私たちは自分がどういう状況で誘惑に負けるのかを

 

客観的に理解し、予防することが大切になります。

 

この有効な対策として、「不正のメカニズム」という理論があります。

 

これは、D.R.クレッシー(アメリカの組織犯罪研究者)が、多くの犯罪者を研究する中で導き出して、

「人が悪いことをする時に必ず揃っている3つの状況」

を体系化した考え方です。

皆さんも悪いことをした状況を振り返ると、当てはまる節があるのではないでしょうか。


①機会

悪いことができる、または容易となる客観的な環境のことです。

例えば、1人の経理担当者に権限が集中したことによる横領行為のリスクや、1人のAKB48ファンの男性の人事担当者にすべての採用権限が集中することで職場が人事担当者好みの女性だらけとなるリスクなどが挙げられます。

 

②動機

不正行為を行うための主観的な事情のことです。

例えば、借金や「朝から晩までやりたくない仕事するのだからせめてAKB48似の子たちと仕事がしたい」などの状況が挙げられます。

 

③正当化

不正行為を積極的に是認し、自分に都合の良い理由をこじつけて良心の呵責を乗り越える事です。

例えば、「お金を一時的に借りるだけ」や、「AKB48似の子たちと仕事をすれば俺の生産性が48倍になるし、職場の離職率も減るだろうから会社にとってもプラスなはずでWinWinだ」などと自分に言い訳することが挙げられます。

 

以前は不正が起こる原因を無くす考え方が主流でしたが、最近では、さらにその前段階で不正を起こしにくい環境を整備する考え方が主流となってきています。



状況的犯罪予防

ロナルド・クラーク(イギリス)に提唱された理論で、不正を行う人を「異常」ではなく合理的に判断を行う
「普通」とみなします。

 

ただ、特徴として「苦痛を避けて、快楽を求める」という短期的な損得勘定で行動し、逮捕(苦痛)などのリスクが低く、簡単に利益(快楽)が手に入る時に不正を起こすと考えます。

 

利益 > 不利益 = 不正実行

 

短絡的なので目先の不利益(苦痛)が大きければ躊躇し抑止できると考えます。

 

利益 < 不利益 = 予防

 

上記を踏まえ、下記5つの環境・状況を整備して不正を予防します。

 

1、物理的にやりにくくする(例:銀行の地下金庫など)

2、やると見つかる仕組みを作る(例:防犯カメラや指紋採取など)

3、やっても割に合わないようにする(例:長い懲役など)

4、その気にさせないようにする(例:失敗した人の事例の公開など)

5、言い訳を許さないようにする(例:婚姻届など)

 

本当に大切なのは、どんな環境下でも私たち自身が

 

自分で考えて適切な判断を下せること

 

です。

 

主観的ではなく、相手の立場に立って物事を汲み取ったり、状況を客観的に社会規範と照らし合わせ、適切な判断を行えるモラルを育むことが最良の予防策なのです。

 

Photo by Tom Roberts on Unsplash

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