あなたは「日立さくらまつり」へ行ったことがありますか?
茨城県日立市で3ヵ所に分かれて行われており、満開の桜が春の訪れを歓迎するこのお祭り、
なんと今年2019年で57回目を数えます。
伝統あるお祭りで、「日本さくら名所100選」にも選ばれており、
桜の鑑賞以外にも楽しめるイベントが盛りだくさんです。
今回はそんな「日立さくらまつり」の見所や日程、アクセス情報を
詳しく探っていきたいと思います。
日立さくらまつりとは?
今では日立市の春の風物詩として毎年盛り上がりを見せる「日立さくらまつり」。
歩行者天国が行われるなど、市内外の人にも認知されていますが、
そもそもどのような経緯で日立には桜が植えられるようになったのでしょうか。
その歴史は明治期にあった「日立鉱山」による「公害問題」抜きには語ることができません。
明治38年から「日立鉱山」は開発が始められましたが、
同時に有害な排煙により近隣の農作物や木々が枯れてしまいました。
この問題に対して、角弥太郎(かどやたろう)という人物が
この地域に「大島桜」を植栽しました。
「大島桜」は伊豆大島の噴煙地帯に自生することが知られており、
彼はそれに着目し、自然環境の回復を試みたのです。
また、煙に耐えることのできる桜・植物育成のために
明治42年には農事試験場まで設けられます。
現在まで日立に多くの桜が植えられるようになった礎となるのがこの試験場です。
試験場では大島桜の発芽・苗木の育成に成功し、山林などに次々と植えられていきます。
また、ソメイヨシノも大島桜の苗木に接ぎ木される形で育成されるようになり、
市街地にも多くの桜がもたらされるようになります。
「日立さくらまつり」の会場となる
- 「平和通り」
- 「かみね公園
- 「十王パノラマ公園」
にも、戦後の「国土緑化運動」に後押しされる形で多くの桜がもたらされたのです。
公害から環境を守るという意味での「地域振興」の歴史を知ることで、
少し別の角度から「日立さくらまつり」の深みを感じることができるでしょう。
日立さくらまつりの見所は?
一番の見所はやはり、「桜」でしょう。
ゆっくり花見を楽しむなら「十王パノラマ公園」、
イベントも同時に楽しみたい方には「平和通り」と「かみね公園」がオススメです。
いずれの会場も18時以降にライトアップされ、
昼とは少し違う演奏的な雰囲気を楽しむこともできますよ。
また、「平和通り」では金・土・日の日中に歩行者天国が行われ、
約130本のソメイヨシノによる桜のトンネルの中をのびのびと楽しむことができます。
更に、4月の第1土・日曜には歩行者天国中の「平和通り」で
「日立風流物」という伝統芸能が催されます。
「日立風流物」とは江戸時代から伝わるからくり人形芝居のことで、
国の重要有形民俗文化財(「山車(だし)」)と、重要無形民俗文化財に指定されています。
2009年にユネスコ無形文化遺産となり、
2016年に「山・鉾・屋台行事」と改めて再登録、
今では国内外から注目されるようになりました。
歩行者天国中には他にも、「日立のささら」という舞の伝統芸能や、
「みこしパレード」、「出店」などがお祭りを盛り上げてくれます。
「かみね公園」では「スプリングフェスティバル」と称して
日替わりで様々なイベントが行われます。
詳しくは公式ホームページをチェックしてみてくださいね。
日立さくらまつりの日程は?
桜の開花に合わせ、毎年4月1日~4月第3日曜で行われます。
3会場の夜間ライトアップの時間は以下の通りです。
- 平和通り 18:00~23:00
- かみね公園 18:00~21:30
- 十王パノラマ公園 18:00~21:00
ぜひ、開花情報をチェックのうえにご予定を立ててみてくださいね。
日立さくらまつりへのアクセスは?
電車でお越しの場合
「平和通り」、「かみね公園」へ
最寄り:「日立駅」
徒歩約10分で「平和通り」、バスに乗り約10分で「かみね公園」に着きます。
「十王パノラマ公園」へ
最寄り:「十王駅」
徒歩約30分です。
車でお越しの場合
「平和通り」、「かみね公園」へ
最寄り:常盤道「日立中央I.C.」
また、駐車場は「かみね公園駐車場」を利用されると便利でしょう。
収容台数約500台で、料金は無料です。
「十王パノラマ公園」へ
最寄り:常盤道「日立北I.C.」
併設して、100台近くのスペースがある駐車場がございます。
※祭り開催中は「歩行者天国」などで交通規制が敷かれる場合もあります。
念のため、事前に公式ホームページ等で確認されることをオススメします。
日立さくらまつりとは? おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は「日立さくらまつり」について、
桜が植えられた背景や見所、アクセス情報などを見てきました。
明治期の「日立鉱山」による「公害問題」から始まり、
人々の「地域振興」の想いの下、力強く、優しく育まれてきた日立さくら。
美しく、歴史も深い桜に加え、「日立風流物」まで楽しめる贅沢なこのお祭り。
今年は日立に足を運んで、春を満喫してみてはいかがですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。