毎年春になると実施される「春の交通安全週間」。
あなたもきっと耳にしたことがあるのではないでしょうか。
文字通り、安全で円滑な交通を図り、交通ルールやマナーを徹底する為の活動なのですが、
具体的に、何故毎年決まった時期に行われるのかなど、
詳しいことに関してご存知ない方も多いと思います。
今回は、春の交通安全週間が一体どんなものなのか、いつからいつまであるのか、
そしてなぜ毎年やるのかということについて探っていきたいと思います。
春の交通安全週間とは?
春の交通安全週間は正式には「春の全国交通安全運動」と言います。
その歴史は戦後間もない1948年(昭和23年)まで遡り、
国家地方警察本部主導で12月10日から16日までの一週間「全国交通安全週間」として
実施されたのが最初です。
以降、何度か体制が変わっていくのですが、
現在と同じ形になったのは1962年(昭和37年)のこと。
交通事故が急増していたことを皮切りに、交通安全に対する施策の中心が政府に移り、
その前年に決められた「春(秋)の全国交通安全運動」という名称を受け継いだ形で、
原則として4月と9月の年二回実施されるようになりました。
4年に1回、「統一地方選挙」がある年は5月に時期がずらされます。
「春の全国交通安全運動」、「統一地方選挙」共に
地方自治体による実働で動いている現状があり、同時にこの二つを実施すると、
- 自治体によっては作業量として無理が生じる可能性
- 生活環境に支障が生じる可能性
- しっかりと一つの取り組みに向き合うことができなくなる懸念
などが鑑みられた結果、期間を変更する形をとっているのです。
運動の重点として、
- 「子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止」
- 「自転車の安全利用の推進」
- 「全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底」
- 「飲酒運転の根絶」
の4つが挙げられており、運動期間中の交通事故を低減する目的から、
様々な啓発活動は運動期間が始まる前から実施されています。
また、期間中には「交通事故死ゼロを目指す日」も定められています。
しかし、安全運動中それ以外の期間関わらず、統計の記録が残る
1968年(昭和43年)以降で「交通事故死ゼロ」が達成されたことはなく、
毎日国内のどこかで死亡事故が起こっている現状があります。
昨年平成30年一年間を見ても、交通事故による死者数は3,532人にのぼり、
1日平均約10人が亡くなられている計算です。
もちろん交通安全週間の活動だけで交通事故が完全に無くなるわけではありません。
しかし、この活動を通し交通ルールの遵守と正しいマナーを習慣付けることで、
私たち各々が道路交通環境の改善に努めることが重要であることは間違いないでしょう。
春の交通安全週間はいつからいつまで?
例年、原則として4月6日~4月15日の10日間に渡り行われます。
しかし2019年は4年に1度の「統一地方選挙」が4月に行われるため、
約1ヵ月遅い5月11日(土)~5月20日(月)に実施されます。
※「統一地方選挙2019年」は、4月7日(日)と21日(日)に行われます。
期間中の「交通事故死ゼロを目指す日」は日付けの末尾が0の日となっています。
例年だと4月10日、今年2019年は5月20日です。
春の交通安全週間はなぜ毎年やるの?
日本での春は卒業や入学などを通して生活環境が新しくなり節目となる時期です。
不慣れな新しい環境や、新学期で浮ついた気分によって交通事故が起きがちになります。
特に、小さい子どもの交通事故件数は5月~7月にかけてが最も多い
という統計データが出ています。
春の交通安全週間は新入学生の通学開始に合わせて運動を実施し、
子どもの他、保護者そして高齢者など大人の交通安全意識を高めるという目的があり、
更なる普及・浸透を図るために毎年継続的に実施することは非常に重要なのです。
春の交通安全週間とは? おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は春の交通安全週間について探ってきました。
自分の身を守るため、そして将来を担う子供たちを守るために
私たちは交通事故を減らす努力をしなければなりません。
正しい交通ルールを身に付けるのはもちろん、
交通安全週間を通じて周囲の人々と一体となって、
より安全で住みやすい社会を目指していければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。