あなたは「山あげ祭」をご存知でしょうか?
毎年、栃木県 那須 烏山市で行われているユネスコ無形文化遺産に指定されているお祭りです。
「山あげ祭」は全国の数あるお祭りの中でも他では類を見ない
「移動式の野外劇」が行われる祭りとして知られ、毎年12万人もの人が訪れています。
今回は「山あげ祭」とはどんなお祭りなのか?
歴史や2019の開催日程、アクセス情報なども含め紹介していきたいと思います。
山あげ祭とは?
毎年7月に栃木県 那須 烏山市で行われる八雲神社例大祭の奉納行事とされるお祭りです。
450年以上の伝統を誇り「烏山の山あげ行事」として
国の重要無形民俗文化財にもなっています。
2016年にはユネスコ無形文化遺産にも指定されています。
「山あげ祭」の見どころは移動式の舞台で行われる日本一の野外歌舞伎です。
烏山の市街地を封鎖して壮大に歌舞伎が公演されます。
この移動式の舞台は
幅7メートル、高さ10メートル以上、長さは約100メートルに渡り続きます。
- 大山
- 中山
- 前山
- 館
- 橋
- 波
などの装置が配置され瞬く間に様々な変化を演出し観客を沸かせます。
公演が終了すると素早く解体され次の公演会場に向かいます。
「山」と舞台装置一式は一日6回程度、
- 組み立て
- 公演
- 解体
- 移動
が町中で繰り返され、の総移動距離は3日間で20キロにも及びます。
一連の作業は約100人の若衆が担っています。
舞台に使用される「山」とは舞台の背景のことで
烏山特産の和紙を網代状に組んだ竹の木枠に何度も重ねて張り、
そこに山水が描かれたものです。
その「山」を人力で舞台へあげているため「山あげ」といわれています。
野外歌舞伎で上演される代表的な演目は
- 将門
- 戻り橋
- 子宝三番叟(こだからさんばんそう)
- 関の扉(下)
- 老松
- 吉野山
- 蛇姫様
- 梅川(上)
等です。
「山あげ祭」のもうひとつの見どころとなっているのが「ぶんぬき」です。
「ぶんぬき」とは各町内の屋台同士がお囃子を競う行事で
他町のお囃子を「ぶんぬく」という意味。
基本的には屋台同士がで出会えば「ぶんぬき」は始まりますが
中でも一番盛り上がるのは全屋台が集結して行われる「ぶんぬき」です。
約30分間お囃子を披露し続ける光景に会場は沸き、異様なまでの興奮に包まれます。
山あげ祭の歴史は?
永六3年(1560年)に当時の烏山城主であった那須資胤(なすすけたね)が
牛頭天王(こずてんのう)を八雲神社にお祀りし、
- 疫病退散
- 五穀豊穣
- 天下泰平
を祈願した際の奉納余興が「山あげ祭」の起源とされています。
当初は相撲や神楽獅子等が行われていましたがその後、踊りや狂言に変わっていきました。
江戸歌舞伎が流行したのをきっかけに常盤津所作を奉納余興として行うようになりました。
同時に舞台の装置や背景なども徐々に大規模になっていき、
現在のような全国でも類をみない華やかで迫力のある野外歌舞伎舞踊になりました。
「山あげ祭」2019年の日程は?
「山あげ祭り」は毎年7月の第4金曜、土曜、日曜日の3日間に渡り開催されます。
今年2019年は7月26日(金)~7月28日(日)になります。
7月26(金)
神幸祭(出御)天王建
早朝から八雲神社で神事が行われます。
本殿と神輿を幕で繋ぎ、神様にお御遷りいただき当番町を巡行し御仮屋に納めらます。
芸題を神様に奉納し、これを「天王建」と呼びます。
この公演のみ神事でこのあとからの公演は余興になります。
奉納余興(訪問)
各町の各所に遍く山の恵みを分け与えるため「山」をあげ各所で余興を奉納します。
他町で余興を奉納することを訪問と呼びます。
7月27日(土)
渡御祭
早朝に御仮屋で神事を行い7町を巡行します。
7月28日(日)
還幸祭(還御)
夕刻に御仮屋で神事を行い八雲神社の鳥居まで神輿を先頭に
子供神輿、神主、八雲講、屋台の順で送ります。
鳥居の前で飾りを外し7町を巡行します。
夜になり鳥居をくぐると太鼓の音とともに本殿に入ります。
出御とは逆に神輿と本殿を幕で繋ぎ、神様に本殿へ御遷りいただき神事を終了します。
「山あげ祭」へのアクセス情報は?
電車
- JR烏山駅より徒歩6分
シャトルバス
無料のシャトルバスが土、日のみ運行します。
- 出発・到着場所・・・烏山小学校、JR烏山駅、那須南病院
- 時間・・・始発10:00~最終21:30
車
- 東北自動車道 宇都宮よりIC約50分
- 東北自動車道 矢板ICより約35分
- 北関東自動車道 宇都宮上三川ICより約50分
- 常磐自動車道 那珂ICより約60分
駐車場
- 市役所職員駐車場
- JA烏山支店
- 烏山小学校
- 愛宕台駐車場
- 中央公園
- 社会福祉協議会烏山支所
- 烏山運動公園
当日は祭り会場周辺に約1000台分の駐車場が設けられますが
駐車場ごとに利用可能時間が異なります。
また土、日しか利用できない駐車場もありますのでご注意ください。
山あげ祭 おわりに
全国で「山あげ祭」だけでしか見ることのできない
壮大なスケールで行われる「日本一の野外歌舞伎」、いかがでしたでしょうか。
この余興公演をみるために遠方から足を運ぶ人も少なくないそうです。
野外歌舞伎を支える約100人の若衆たちの一糸乱れぬ団体行動も
観客の心を熱く沸かせるものがありますね。
「山あげ祭り」は
- 「野外歌舞伎」
- 舞台の背景である「山」
- 「100人の若衆」
- 「ぶんぬき」
など、みどころが盛りだくさんです。
今年2019年の夏は是非「山あげ祭」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。