北海道の最果てとも言われている襟裳岬(えりもみさき)に近いところに
「百人浜(ひゃくにんはま)」と呼ばれている砂浜があります。
現在は綺麗なオートキャンプ場となっていますが、
この百人浜の名前には悲しい由来があります。
今回の記事では百人浜の由来、オートキャンプ場と幽霊話までご紹介していきますね。
百人浜の名前の由来は?
なぜ、百人浜と言う名前が付いたのか?
諸説あるのですが、一番有力な説が「船の難破」です。
江戸時代の盛岡藩が蝦夷の東方へ御用船を向かわせていました。
その船には100名程の乗組員が乗っています。
ある夜、海は時化(しけ)で船が大きく傾き難破してしまい、
海に投げ出された乗組員はそのまま亡くなるものも多くいました。
亡骸と一緒に、やっとの思いで浜にたどり着いた者もいたのですが、運悪く、晩秋。
蝦夷の晩秋は冷え込みが厳しく、飢えも重なり多くの乗組員は息絶えてしまったそうです。
その浜には飢えの者も合わせて100人が漂着し、すべて砂に埋もれてしまったそうです。
その話から「百人浜」と名付けられたと伝えられています。
百人浜オートキャンプ場の魅力
さて、悲しい名前の由来をご紹介しましたが、
現在では百人浜のオートキャンプ場は魅力的で多くの人に親しまれる名所となっています。
まず、「百人浜オートキャンプ場」は、「浜」と付きますが
砂浜に面しているわけではありません。
- 手入れの行き届いた芝生のフリーテントサイト
- 車で行けるオートキャンプサイト
- 高床式のバンガロー
などがあり、一般的なキャンプ場のように密集していないことからプライベートが守られます。
フリーテントサイトは木立も程よくあり、夜になると満天の星空が楽しめて、
きっとあなたも「何もない」という贅沢を感じられるはずです。
管理棟にはコインランドリーもシャワーもありますし、炊事場もあります。
もちろんトイレもあり、ロードバイクの人やライダーにとって嬉しい人気スポットなんですよ。
シャワーでは落ち着かない人は近隣の高齢者センターで入浴もできちゃうのです。
ちなみにペットは絶対不可となっていまして、
その分、しっかりと管理されているキャンプ場です。
百人浜オートキャンプ場の怖い話
前述の通り、百人もの亡骸が砂に埋まったという百人浜。
当然、怖い話、つまり幽霊はなしのひとつやふたつはあります。
—-「恐怖の部屋」引用—-
この話は百人浜のキャンプ場で体験したという「もんもんさん」から聞きました
もんもんさんは千葉県からフェリーで苫小牧について北海道を一周していました
北海道宿泊最終日に襟裳の百人浜のキャンプ場でテントを張り旅行の疲れをとっていたそうです
そんな折りになにやら物音がして目が覚めました
「ざっざっざっざっざっざっざっ」
自分のテントの外をを何人もの人が歩いている足音でした
うるさいなぁと思いつつもすぐに居なくなるだろうと寝袋の中に頭を埋めてじっとしていました
「ざっざっざっざっざっざっざっ」
おかしい、さっきから足音が離れていかない
どうやら自分のテントの周りを歩いているようだ、時計を見ると深夜0時
「ざっざっざっざっざっざっざっ」
あまりのうるささに思わずもんもんさんは叫びました
「うるせぇぞ、いったい何時だと思っているんだ」
すると今までしていた足音がぴたりと止まり、直後に
「ばたばたばたばた」とテントを叩く音が・・・
頭に血の上ったもんもんさんは「誰だぁ」と叫びテントから躍り出ました
しかし・・・・・外には誰もいない・・・
急に恐ろしくなったもんもんさんはテントに戻ろうとしたその時です
「ばしっばしっばしっばしっ」体を何人もの人に叩かれたのです
もんもんさんは気が遠くなりそのまま気絶しました
朝になり何事もなかったのような百人浜、いったい誰が彼を叩いたのでしょう
そして、洗面所で顔を洗おうと何気なく腕を見ると手形の痣が・・・
着ていたTシャツを脱いで体を見ると、全身に無数の手形の痣がついていたそうです
もんもんさんは顔も洗わず早くキャンプ場を立ち去る気になりテントに戻りました
戻ったテントには手形がびっしりついていました。
—-引用終わり—-
恐いです。。
音だけなら夢かと思うのですが、朝起きて手の跡がって・・・
盛岡藩の人たちだったのでしょうか?
もちろんキャンプ場を利用しても、何も感じない人のほうが多いです。
おそらく、霊の通り道にテント張っちゃったのではないでしょうか。
しかし、伝説は200年もの前の話。
夏場の利用者の多い時期などは安心して利用することができるでしょう。
人が少ない時期は美しい星空を一晩中眺めていれば
怖さよりも感動が勝るのではないでしょうか。
百人浜付近の見所は?
百人浜の周辺には様々な見どころがありますのでご紹介します。
襟裳岬(えりもみさき)
森進一さんの歌「襟裳岬」の歌詞にあるように、襟裳の春は何もない春です。
本当です。
夏になって、ようやく緑が溢れ、あっという間に秋になり、極寒の冬になります。
そんな襟裳岬は、百人浜から車で10分ほど行ったところにあります。
とにかく風が強く、風のない日に襟裳岬に行けたなら奇跡だと思うほどです。
風が強すぎて周囲の植物は低木ばかりが目立ちます。
襟裳岬は野生のゼニガタアザラシの生息地で有名なのです。
ゼニガタアザラシを間近で見ることのできる
カヤックの「アザラシウォッチングツアー」も人気です。
▼お問合せ先
- クリフカヤックス
- 所在地:北海道幌泉郡えりも町字えりも岬59番地
- 電話:01466-3-1088
悲恋沼(ひれんぬま)
百人浜オートキャンプ場の遊歩道を5分ほど歩くと「悲恋沼」という沼が現れます。
名前通り、悲しい恋が由来している沼で、昔、アイヌの娘と和人の男が恋に落ち、
夜、人目を忍んで逢っていたそうです。
しかし、その恋は長くは続きませんでした。
アイヌ同士の争いが起き、さらに、
和人の男は役目を終えて本州へ帰らなければならなくなったからです。
二人はあの世で結ばれることを誓ってお別れしましたが、
アイヌの娘は悲しみ、男が去ったあともずっと泣き暮れていたそうで、
その涙が沼になったと伝えられています。
この悲恋沼では8月の上旬ころに蛍が見られます。
沼地ではありますが、蛍が住み着くほどお水が清らかなのが特徴で必見ですよ。
豊似湖(ハートレイク)
秘境湖と言われる「豊似湖(とよにこ)」は
あの北海道銘菓「白い恋人」で有名になった湖です。
湖畔では気が付きませんが、上空から見るとハート形の湖なのです。
白い恋人のCM初冬編では湖面が凍結して白いハート型になっていました。
上から見ないとハートに見えませんが、この湖はとってもきれいなエメラルドグリーンで、
海から龍が遊びに来ていると言われています。
時期により、豊似湖ヘリコプター遊覧飛行というツアーがあるので
興味のある方はお問い合わせしてみてくださいね。
- えりも町役場 産業振興課 商工観光係
- 〒058-0292 北海道幌泉郡えりも町字本町206番地
- 電話 01466-2-4626
百人浜アクセス方法
帯広市からお車で
新千歳空港からお車で
百人浜 おわりに
いかがでしたでしょうか。
悲しいお話がたくさん残る襟裳の百人浜。
現在は整備され、美しく、過ごしやすい易いキャンプ場となっています。
空も、空気も水も格段に綺麗です。
また、襟裳には美味しい海産物のお店もたくさんありますので、
あなたも心を落ち着けたい時は百人浜へ訪れて、
夜はゆっくり星を見ながらキャンプ場で疲れを癒してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。