あなたはプラスティックフリーという言葉を聞いたことがありますか?
最近では今年2019年6月に、カナダの首相ジャスティン・トルドー氏が、
「カナダは早ければ2021年にもプラスティックを廃止する」
と正式に宣言したことで話題になりました。
ヨーロッパでは、既に昨年2018年にEU議会で同内容が可決されており、
数年後の廃止に向けてプラスティックフリーに動き始めています。
日本も国連での取り決めで、
2030年までにはプラスチックごみ廃棄量を25パーセント削減するとしています。
過剰包装といわれる日本で、
完全な「プラスティックフリー」にすることは難しいかもしれませんが、
できることから少しずつ始めてみるのはいかがでしょうか。
ここではプラスティックフリーの生活がどんな生活なのか、わかりやすくご紹介します。
プラスティックフリーとは?
東京湾で釣れたイワシの中からプラスティックが出てきた、というニュースをご存知ですか?
小さなプラスティックであるマイクロプラスティックが、
日本人を含めて各国の人種の人体から発見されたというデータもあります。
今やプラスティックが海洋に流れ出る影響は魚や海洋生物だけにとどまらず、
私たち人間を含めて全ての生き物に影響が出始めています。
プラスティックフリーとは、一度ごみとして廃棄されてしまうと半永久的に残り、
有害な問題をもたらすプラスティックから、少し距離を置こうという取り組みです。
プラスティックのリサイクルとは?
あなたが出したプラスティックごみのうち、
どのくらいの量がリサイクルされて再利用されているかご存知ですか?
環境への取り組みが盛んなカナダであっても、
リサイクルは全体の10パーセント未満となっています。
日本のプラスティックリサイクル率は、84パーセントがリサイクルされています。
しかし、この高いリサイクル率のうち、
全てが新たなプラスティック製品に生まれ変わるわけではなく、
そのうちの7割以上を燃やしているのです。
「サーマルリサイクル」というプラスティックを燃やした時に生じる熱を
エネルギーとして回収することを総じて、リサイクルの一環としています。
プラスティックの原材料は石油であるため、
サーマルリサイクル時によく燃えることが利点に挙げられていますが、
同時に大量の二酸化炭素も排出するため、地球温暖化が進む原因にもなっています。
このサーマルリサイクルは、世界の認識ではエネルギーリカバリーの一種であり、
リサイクルとは見なされていません。
ちなみに、プラスティックごみの海洋発生量は日本は第30位となっています。
発生量が高くないようにみえますが、実はワースト第1位の中国をはじめ、
上位にランクインする東南アジア各国に、日本はプラスティックごみの輸出をしていました。
要するに、ごみの上乗せをしてきました。
よって、プラスティック容器包装の廃棄量で見ると、日本はなんとワースト第2位に
ランクインしています。
日本のリサイクル事情をご理解いただけたでしょうか。
製品リサイクルの普及が難しいことと、
大量のプラスティックが廃棄され続けていることをふまえて、
プラスティックの消費量を控える生活をわかりやすくご紹介します。
プラスティックフリーの生活とは?メリットとデメリットをご紹介
普段の生活の中で周りを見渡すと、
たくさんのプラスティック製品に囲まれていることに気付くでしょう。
特に多いのがキッチン周り、バス用品ですが、
その中で自然素材のものに代用できるものも多々あります。
そして、掃除用洗剤などは目的別に購入せずとも、身近な材料で応用できます。
プラスティックフリーのメリットは、
- 必然的に体に優しい素材に変えるので、手荒れや肌荒れが改善される期待ができること
- プラスティック製品の購入を控えることで、シンプルな生活になること
- 環境に配慮した生活で、気持ちが優しくなること
反対にデメリットとしては、
- プラスティックフリーの食材を探すことが難しいこと・・・お住いの近くで量り売りを行っているお店をピックアップしておきましょう。
- 続けることを断念してしまう人が多いこと・・・最初から完璧を目指さずに、できる範囲で少しずつ始めましょう。
プラスティックフリーの始め方とは?
プラスティックフリーの生活のコツをわかりやすくご紹介します。
サランラップをビーワックスラップに変えてみる
サランラップは一度使ったら捨ててしまうことが多い使い捨てプラスティックの代表格です。
ビーワックスラップは一枚1000円~1500円程度で少々お高めですが、
丁寧に扱えば数年は持ちます。
皿にラップをして冷蔵庫に入れる代わりに、食材の保存はタッパーを使いましょう。
耐熱ガラス製のタッパーはそのまま電子レンジで温めることができて便利です。
半分にカットして余った野菜なども、切り口を下にして皿にのせておけば、
数日は冷蔵庫で保管ができます。
お肉を冷凍庫で保管するのにサランラップを使っていたのであれば、
新聞紙にくるんだりタッパーに入れましょう。
ショッピングバッグを持参する
レジ袋をもらわず、ショッピングバッグを持参します。
ばら売りの食材をそのまま買い物かごに入れるのが嫌いな方は、
食材用に小さなネットを持っておくと便利です。
皿洗いスポンジをやめてみる
普段使っているスポンジから、マイクロプラスティックが海に流れ出ているのをご存知ですか?
スポンジは摩耗するたび細かなプラスティックが下水管を通っていきますが、
非常に細かな為フィルターを通り抜けて海に出て行ってしまっています。
外洋に出たマイクロプラスティックはやがてサンゴ礁を死滅する原因になっています。
ここでは普段使いのプラスティックのスポンジから、
コットン製の布に変えてみることをお薦めします。
身近な手ぬぐいでも、コットンの毛糸を編んだものでも結構ですし、
- ヘチマたわし
- 棕櫚たわし
などもお薦めです。
肌ざわりも柔らかで乾きが早く、煮沸消毒もできるためスポンジよりも衛生的です。
食器洗いを重曹に変えてみる
皿洗いの際、全てのものに食器用洗剤をつけていませんか。
食器洗い洗剤は、
使い終わってしまえばプラスティックボトルを捨ててしまうことになります。
または詰め替えボトルもプラスティックです。
本来、基本的に食器用洗剤は油汚れを落とす為のもので、除菌作用はありません。
(スポンジつけ置きなどの除菌作用がある洗剤はあります)
ですので、コップやごはん茶碗など、
油を使用していない食器は汚れが落ちれば洗剤は必要ありません。
油汚れは最初に不要紙でふき取った後、
重曹を入れたお湯(洗い桶に大さじ1~2杯程度)で20分程つけ置きすると、
汚れを中和し匂いも取ってくれます。
油を使ったフライパンは水に重曹を溶かして沸騰すればスルッと汚れが取れます。
掃除用の洗剤を控えてみる
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目的別にたくさんの洗剤を持っている方は、
- 重曹
- クエン酸
- ビネガー
を組み合わせて掃除をしてみることをお薦めします。
例えば、浴槽は
- ビネガーをスプレーして石鹸かすを浮かせる
- 重曹ペーストを布につけてこする
ときれいになります。
また、ガラスの掃除にはクエン酸がお薦めです。
半分に切ったレモンをこするのでも効果があります。
この3つの材料を自由に組み合わせながら自分流でお掃除してみてはいかがでしょうか。
プラスティックフリーとは?おわりに
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いかがでしたでしょうか。
今回はプラスティックフリーの生活について、ご紹介してきました。
ご紹介したコツ以外にも、さまざまなプラスティックフリーへの方法がありますので、
マイボトルを持参するなど工夫することができます。
あなたも自分流のプラスティックフリー生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。