今回は「SaaS」と「PaaS」と「IaaS」について、
わかりやすくご説明します!
今回はAzure,AWS等のクラウドサービスに欠かせないキーワードです。
例として「基本情報技術者試験」の過去問から、問題です。
問題:
クラウドのサービスモデルをNISTの定義に従ってIaaS,PaaS,SaaSに分類したとき,
パブリッククラウドサービスの利用企業が行うシステム管理作業において,
PaaSとSaaSでは実施できないが,IaaSでは実施できるものはどれか。
回答:正解を下記から1つ選んでください
ア:アプリケーションの利用者ID管理
イ:アプリケーションログの取得と分析
ウ:仮想サーバのゲストOSに係るセキュリティの設定
エ:ハイパバイザに係るセキュリティの設定
※この問題の出題歴: 応用情報技術者平成28年春期 午前問42
とってもこんがらがりやすい「SaaS」と「PaaS」と「laaS」ですが、
それぞれの役割を押さえておけば、簡単に理解できるようになりますよ。
では早速、合理天狗くんにわかりやすく説明してもらいましょうね。
「SaaS」と「PaaS」と「laaS」って何なの?
クラウドの定義は「インターネット上でサービスを利用すること」です。
このサイトをブラウザを使って読んでいるあなた、
既にクラウドサービスを使っていますよ。
そう、例えばこのサイトをあなたが公開すると仮定しましょう。
記事が書いてあるウェブページを作ったら、どうやって全世界に公開しましょうか?
ネットで公開する方法を「SaaS」「PaaS」「laaS」別に考えてみましょう。
「SaaS」とは何?どこまで使えるの?
「SaaS」は正式名を「Software as a Service」と言い、
ネット上で動作するソフトウェアまで提供するサービスです。
ここではサイト上に記事をアップするための
ソフトウェア「ライブドアブログ」を利用しようとしていますね。
この「ライブドアブログ」などのサービスがSaaSに分類されます。
サイトを更新するためには、
ライブドアブログが提供するエディタ―に記事を書き込んで「送信」するだけ!
目次とか検索窓とかは、ライブドアブログが自動的に設定してくれます。
記事をアップする人は手間なく簡単に作業できる反面、
レイアウトが固定されていたり、ライブドアブログの表示が外せなかったり、
自由なレイアウトでサイトを作るということはできませんね。
「Paas」とは何?どこまで使えるの??
「PaaS」は正式名を「Platform as a Service」と言い、
ネット上にウェブ記事を置く場所までを提供するサービスです。
ここではブラウザからアクセスするアドレスまでは提供されているのですが、
ライブドアブログのように、
すぐに記事を公開できるソフトウェアは搭載されていません。
そこでサイトを公開するために自分でWordPressをインストールして、
ホームページを構築しようとしています。
ライブドアでは限られた中から選んでいたレイアウトも、自分で好きなように作ることができます。
しかもサイトを置くサーバやOSは用意されているので、
公開場所を自分で用意する必要はありません。
サイトを展開する場所があるのでサイトの内容だけにこだわることができる反面、
色々記事を追加していたらサイト容量を超えてしまったり、
自分で乗せたいソフトウェアが動作しないOSが乗っていると
使いたい機能を持ったサイトを作れなくなってしまうため、
ある程度の知識が必要となってきます。
「IaaS」とは何?どこまで使えるの??
「IaaS」は正式名を「Infrastructure as a Service」と言い、
ネット上で動作するインフラのみ提供するサービスです。
サイト記事を格納・公開するサーバまでは提供してくれます。
そのサーバの
- ハードディスク量はいくらにするか
- OSは何を乗せるか
- アドレス名は何にするか
まで自分で設定する必要があります。
サイトに更新するための設定をほぼ丸ごと自分で設定できるので、
思い通りのサイト公開ができる反面、
相応の専門知識が無いとサイト公開までたどり着けません・・・
このように、クラウド上でどのレベルまでサービスを提供するか、
という枠づけとして
「SaaS」「PaaS」「IaaS」で分類されているのです。
「SaaS」「PaaS」「IaaS」別でできることは?
さて、「SaaS」「PaaS」「IaaS」別にできることとは何なのでしょう?
まずは何でもありなのが「IaaS」。
OSのセキュリティレベルから権限変更、ファイル上限サイズ設定など、
基本的な部分の設定ができます。
反面、しっかりと設定しておかないと、
簡単にIT犯罪に巻き込まれるので注意しましょう!
ほどほどに自由度があるのが「PaaS」。
OSレベルなどは変更できませんが、
アプリケーションは自分の好きなものを用意できます。
SQLLiteなどのデータベース種別の選択もOK。
反面、アプリケーションから侵入してくる
ハッカー対策は万全にしておかなくてはいけません。
アプリケーション自体のセキュリティホールにも注意が必要です。
良く言われているのが、
WordPressのセキュリティホールからサイト改ざんされたりする被害。
実は、自分でサーバ構築したばかりに自分のサイトがめちゃくちゃに・・・
というケースはPaaSレベルの利用者に多いのですよ!
最後に全部おまかせの「SaaS」。
アプリケーションまで用意してくれるので、
基本自分で設定を触れるのは限られています。
このアプリじゃない方を使いたいな・・・と思っても無理ですね。
あくまで用意された環境の上で、簡単に利用したいという場合に向いています。
ご自分でどのレベルを使用するかは、
そのために背負うリスクと合わせて検討してくださいね。
SaaSとPaaSとIaasの違いは?わかりやすくご説明します! おわりに
いかがでしたでしょうか。
そのまま見るととってもややこしい「SaaS」「PaaS」「IaaS」ですが、
役割を把握することで、区別できるようになりますね。
特に情報処理試験を勉強中の方は、よーく学習しておいてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。