突然ですが、あなたは健康診断の結果に異常がなかったにもかかわらず、
血糖値の上昇が原因で起こる症状があることをご存じでしょうか?
このような状態を「血糖値スパイク」といいます。
血糖値スパイクという言葉が耳慣れないのは、
最近の研究で発見されたからで、
今回は、その対策や眠気との関係をわかりやすくご紹介します。
血糖値スパイクとは?
「血糖値」とは血液中を流れる糖分の量を示すもので、
一般的な健康診断の検査項目にも入っていますよね。
これが一定値より高い状態が続くと「糖尿病」と診断されます。
ところが最近の研究で、糖尿病ではない人の中に、
「普段は正常だが、“食後の短時間だけ”血糖値が急上昇する」
という現象が起きていることがわかってきました。
この食後の短時間に急激に血糖値が上昇し、また正常値に戻ることを
「血糖値スパイク」と呼ぶのです。
血糖値スパイクの症状になると、
糖尿病と同様に体内の重要な血管が傷つけられ、
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- がん
- 認知症
などのリスクも高まります。
血糖値スパイクは糖尿病の前兆?
糖分は脳や筋肉のエネルギーの中心となる大切な栄養素ですが、
血糖値が一定より高い状態が続くと「糖尿病」と診断されてしまいます。
血糖値スパイクは、糖尿病と診断される前の段階です。
通常は緩やかに上昇するはずの血糖値が食後に急激に変動します。
グラフにすると、スパイク(=くぎ)のようにとがった線を描くので、
血糖値スパイクと名付けられたそうです。
この場合、時間がたつと正常値に戻るため、
異変に気付かないまま放置してしまう危険があるから怖いのです。
血糖値スパイクの対策は?
この恐ろしい「血糖値スパイク」も、
最新の研究では簡単な食事や生活の工夫によって、
たちまち解消できることがわかってきています。
対策1: 食べる順番は「野菜」⇒「肉・魚」⇒「ご飯・パン」
食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べると、
食物繊維が腸の壁をコーティングし、
後から糖が入ってきた時に、その吸収をゆっくりする作用があります。
その次に食べるなら、タンパク質や脂質を含む肉や魚など。
胃から腸へ運ばれる際、タンパク質や脂質に反応して
「インクレチン」というホルモンが放出され、
その働きで胃腸の動きが遅くなります。
その後にご飯やパンなど糖質を含むものを食べれば、
消化吸収に時間がかかるため、血糖値の上昇が緩やかになるのです。
とはいえ、糖質をたくさんとれば、やはり食後の血糖値の過剰な上昇を招きます。
糖のとりすぎには気をつけましょう。
対策2 :「朝ごはん」はちゃんと食べよう!「ごはん抜き」は厳禁
実験によれば、1日3食を規則正しく食べている時には
「血糖値スパイク」が生じなかった人でも、
朝ごはんを抜くと、昼食の後に“血糖値スパイク”が発生。
朝食も昼食も抜くと、
夕食の後にさらに大きな“血糖値スパイク”が生じてしまうことがわかりました。
つまり、しばらく何も食べずにいた後の食事では、
「血糖値スパイク」が一層起きやすくなるのです。
忙しくてもきちんと3食食べることが、
「血糖値スパイク」を解消する重要なポイントです。
対策3 :「食後すぐ」の「ちょこちょこ動き」が効果的!
「血糖値スパイク」を抑えるには、運動も大事。
食事のあと、「食休み」と思って動かずにいると、
「血糖値スパイク」が起きている人はなかなか血糖値が下がらず、
血糖値の高い状態が続いてしまいます。
ところが食後すぐにちょっとした散歩をした程度でも、
速やかに血糖値が下がることがわかったのです。
食後15分間程度は、消化吸収をよくするため
全身の血液が胃腸に集められます。
すると胃腸の動きが活発になり、食事中の糖分もどんどん腸から吸収されて、
血糖値が急速に上がりがちです。
ところがこの間に体を動かすと、
手や足の筋肉などに血液が奪われ、胃腸の活動が低下します。
すると、食べたものに含まれる糖分の吸収にも時間がかかり、抑えられるのです。
つまり、体を動かすなら「食後すぐ」が効果的!
少し離れたところまでランチを食べに出て、食後すぐ歩いて帰るのも良いでしょう。
日常的な動作程度でも、とにかく意識して
食後すぐに活発に体を動かしてみることがオススメです。
血糖値スパイクと眠気との関係は?
血糖値の急上昇時には強い眠気が起こり、急降下時には
- 強い空腹感
- イライラ感
- 集中力・判断力の低下
などを引き起こします。
これは誰にでも起こりえるので、食後の運転などにも気をつけなければなりません。
血糖値スパイクとは?対策や眠気との関係をわかりやすくご紹介します おわりに
いかがでしたでしょうか。
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- がん
- 認知症
などまで招く、恐ろしい血糖値スパイク。
しかし、血糖値が上昇するメカニズムを知り、それを抑える生活習慣を心がければ、
抑制することが可能です。
注意点として、一般的な健診では空腹時の血糖値を調べることから、
血糖値スパイクの可能性がある
食後1~2時間の血糖値は意識してそこを調べないと分かりません。
つまり、健康診断の「正常」という結果だけで慢心せず、
自分の日ごろの血糖値の変化に意識・関心を持つことです。
特に40、50代の男性、
そして家族(親、兄弟姉妹、祖父母、おじ・おばなど)に糖尿病の患者がいる人は
注意しておきましょう。
万が一血糖値スパイクが診断されたとしても、
普段の食事や生活の習慣を見直す対策をとることで、
血糖値が上がりにくい体が取り戻され、
様々な病気のリスクを解消することができます。
例外なく誰もが健康でいる事は何よりの幸せであるはずですから、
自分の体を大切に生きていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。