毎年、連日テレビで報道されている芸能人の薬物関連ニュース。
今年2020年は沢尻エリカさん、槇原敬之さんと大物が世間を賑わせています。
もはや風物詩となっており、呆れている人も多いのでは?
- 覚せい剤
- コカイン
- 大麻
- MDMA
と種類がたくさんある違法薬物ですが、
ニュースを見ているほとんどの人は見たことも、使ったこともないでしょう。
そこで今回は、人気俳優をはじめ以前から芸能人が使用して逮捕されている
「MDMA」という薬物について、やめられない作用や深い歴史を
わかりやすくご説明します。
MDMAとは?
MDMAとは、麻薬及び向精神薬取締法によって規制されている合成麻薬のこと。
正式名称は「3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン」といいます。
1センチから1センチ半くらいの錠剤で販売されることが一般的で、
錠剤の表面にはミッキーマウスや007のマークがついていたりします。
俗称は
- バツ
- 玉
- エクスタシー
などと呼ばれることもあり、
「なんとなく映画に出てきそうなカッコイイ雰囲気」をまとっています。
元々はPTSDなどの治療に使われてきた精神治療用の薬剤でしたが、
やがて麻薬として乱用されるようになり各国で規制の流れが強化されています。
MDMAの歴史は?
日本では10年前くらいから「薬物乱用」の一種として
耳にするようになった薬物ですが、
MDMAの誕生はなんと130年以上も遡るとされています。
明治18年(1885年)の医薬品の合成が盛んになりだした頃から研究され、
1912年にドイツの「メルク社」が合成し、誕生します。
彼らが最初にメタンフェタミンを合成、結晶化し、医薬として使えないかと模索。
メタンフェタミンとは“覚醒剤”のこと。
当初は
- 眠気覚まし
- 疲労回復
- 喘息
- 鼻炎薬
など幅広く、薬として認識されていました。
アンフェタミン類の基本の骨格がフェネチルアミンという構造だったことから、
フェネチルアミン系の誘導体ということで様々な医薬研究がなされました。
当初は、その精神活性などは見過ごされ、
価値のないものとして考えられていたようです。
その後、MDMAを再発見し世に解き放ったのが、アメリカ史に残る伝説の
マッドサイエンティスト、アレクサンダー・シュルギン博士です。
1960年、シュルギン博士は、
アメリカの一流農薬・化学メーカーである「ダウ・ケミカル」で研究中、
メスカリンと呼ばれる幻覚作用を持つサボテンの成分に魅せられ、数年後退社。
これらの精神活性物質がセラピーに使えるのではないかと、
数多くの幻覚剤を開発し、自ら飲んでテスト、
その膨大な実験データを著作として残しました。
結果、MDMAは米国でセラピーの補助剤として心理療法に用いられていました。
今から考えると不思議ですよね。
しかし、日本にMDMAが入ってきたのは、医療用としてではなく
オランダから密輸入され裏社会で広がっていったのです。
MDMAはなぜやめられないの?作用とは?
MDMAだけでなく、
たばこをはじめ大麻、覚せい剤などを使い始めるときにほとんどの人が
「自分に限ってはすぐにやめられる・・」
と謎の自信を持ったまま手を出してしまいます。
しかし、実際はそんな簡単ではなく、例外はありません。
MDMAをつかうとどんなことが起こる?
MDMAは『エクスタシー』とも呼ばれ、中枢神経を興奮させる作用があります。
また脳内のセロトニン等が過剰に放出させます。
- 幸せな気持ち⇒現実逃避できる
- 視覚、聴覚を変化させる作用があり、使っている人同士テンションが上がる⇒盛り上がれる
- 性的行為が盛り上がる⇒今まで感じたことのない快感が味わえる
など、薬を使っている間は「幸福」に満たされていると錯覚します。
しかし、もちろん悪影響の方が大きいです。
- 体温をコントロールする機能や記憶障害など体調に悪影響がある
- 急性腎不全等を起こして死亡する可能性がある
- 使っていないときに不安や不眠などに悩まされる
- 強い精神的依存性があり、乱用を続けると錯乱状態に陥る
- 違法業者が製造しているため、不純物によりさらに体への悪影響が増す
MDMAのやめられない作用は?
錠剤として手軽に摂取できることや、
その楽しげな外見から遊び半分で手を出す者も少なくないですが、
「一度だけ…」「一度くらい…」と思って手を出してしまうと
ひと時の幸福感を忘れられず、「もう一度だけ…」と、
気付けばやめられなくなっていく恐ろしさがあるということです。
MDMAとは?やめられない作用や歴史をわかりやすくご説明します おわりに
いかがでしたでしょうか。
薬物の使い道は使用者が独自に「工夫」できるため、薬にもなれば毒にもなります。
しかし、MDMAをはじめ、薬物と言われるものが
- 自分の為にならない
- 手を出してはいけない
ということは誰しもが知っていると思います。
それでも使う人は後を絶たずネット社会の現代では
「ほしい」と求めれば手にできる世の中です。
- 心の弱さ
- 置かれた環境
- 自暴自棄
など最初のきっかけは人それぞれ事情があると思いますが、
人間は弱いものです。
一度味わった幸福感や優越感はなかなか忘れることができないのです。
しかし、そのひと時の代償は大きすぎるということを忘れてはなりません。
確かに芸能人などの有名人であれば社会的制裁という、
刑事罰よりももっと重い刑を受けることになります。
しかし、一般人であれば自分との闘いです。
止めなければ、ただただ逃げ続け人としての生活がままならなくなり、
寂しく「死」を迎えることになるのです。
世界的にみると合法の国もあり、日本は厳しいといった意見もありますが、
厳しいくらいの方がちょうどよいのだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。