「赤ちゃんには音楽がいい」
育児雑誌や育児サイトでよく見かけるフレーズですが、
実際のところどうなのでしょう。
植物にも音楽を聞かせたら育ちがいいというのと同様に、
赤ちゃんにもその効果はあるのでしょうか?
今回は音楽が赤ちゃんへ与える影響について、
その中でもよく聞くモーツァルト効果とはどういうものか、
オススメの曲についても併せてご紹介していきます。
音楽が赤ちゃんへ与える5つの影響とは?
音楽は赤ちゃんが成長するうえで、5つの影響を与えるとされています。
①言語能力の発達
赤ちゃんが音楽を聴くことで言葉への興味が増し、
覚えるスピードが速くなること、音を聞き分ける能力が自然と身につくことから、
外国語を含めた言葉の処理能力が格段に上がるとされています。
できれば、歌うように絵本を読み聞かせてあげると効果的だとか。
②コミュニケーション能力の向上
赤ちゃんへ音楽を聴かせながら一緒に踊ったり、
楽器を用いて演奏したりすることで、
赤ちゃんのコミュニケーション能力が上がるとされています。
赤ちゃんがマラカスなどを振り、
相手のことをよく見ながら音楽に合わせるといった行為が、
非常に高い社交性を育む効果に繋がっていくそうです。
③精神安定
赤ちゃんにも赤ちゃんなりのストレスがあります。
脳の視床下部ではストレスがかかることによって
ステロイドホルモン(血糖値の上昇や興奮を促すホルモン)が多く分泌されます。
音楽にはこの分泌を抑制し、
気分を安定させてくれる作用があります。
赤ちゃんの不安になったりする感情も、音楽によって軽くできるのですね。
④豊かな感情表現や思いやりの形成
人は好きな音楽を聴いていると、
扁桃体(喜怒哀楽や食欲、睡眠欲などの本能を司っている)などの血流が変化し、
情動が刺激されます。
これはもちろん赤ちゃんにも同じように作用します。
さらに一緒にリズムをとったりすることで
思いやりの心を育む効果が期待できます。
⑤IQへの好影響
人の脳は音楽の要素(リズム、メロディ、音の高さなど)を処理する際に、
左脳、右脳どちらも関係するそうです。
定期的に音楽のレッスンを受けていることで、
何もしていない場合よりもIQの値が高くなる傾向があることが
カナダでの研究によって明らかになっています。
モーツァルト効果とは?
よく
「赤ちゃんにモーツァルトを聴かせるといい」
と言います。
いわゆる「モーツァルト効果」はイギリスの科学雑誌に掲載されてから広まりましたが、
必ずしもモーツァルトがいいとは言えないのが実際のところで、
明るくて覚醒作用のある音楽であれば類似の効果が見られるようです。
結局は、それぞれ自分が好きな明るい曲を聴いている方が
やる気や結果が出るということではないでしょうか。
赤ちゃんにオススメの曲は?
自分の赤ちゃんにはどんな音楽を聴かせてあげるのがいいだろうと考え、
ネットなどで調べた音楽を流す方も多いかと思います。
でも、オススメはママが好きな曲なのです。
赤ちゃんはママの様子を見て不安になったり安心したりするので、
ママの心理状況がダイレクトに影響します。
ママが好きな曲でリラックスしてニコニコしてくれるだけで、
赤ちゃんは喜んだり気持ちが落ち着くのです。
赤ちゃんはママの分身でもあるのですから、
思い切って自分の好きな落ち着く曲を聴かせてあげるとよいでしょう。
赤ちゃんへ音楽を聴かせるタイミングは?
○寝かしつけの時
赤ちゃんが心地よく眠るために聴かせてあげたい音楽では、
ママが子守唄を歌ってあげることが一番です。
子守唄には音程やリズム、音量や速度に変化が少なく、
赤ちゃんの好むゆったりとした繰り返しの多い、
比較的音程の高い曲という特徴があります。
子守唄がなかなか難しい場合は、
このような特徴が見られる曲やオルゴールなど
優しい音楽を選んであげるといいでしょう。
赤ちゃんにしっかりとした睡眠リズムをつかんでもらうためにも、
お休みの音楽はできるだけ毎日決まった時間に聴かせてあげましょう。
いつも夜寝る前にその音楽が流れることで、
いつしか「お、眠る時間だ!」と赤ちゃんは覚えてくれるようになるからです。
そして眠った後には音楽はかけず、静寂の中で耳と脳を休ませてあげましょう。
赤ちゃんの耳を育てるためにも音楽を楽しんでもらうためにも
オンとオフの環境を大事にしてあげましょう。
○赤ちゃんと音楽でコミュニケーションするには?
同じ歌でも、名前のパーツでは、
赤ちゃんの名前や、「ママ」「お母さん」などの
より身近に感じられる言葉で替え歌を歌ってあげましょう。
また、楽器を使って赤ちゃんの真似をしながら遊ぶのも効果的です。
赤ちゃんの脳では音楽と言語の処理をする部分がとても近い位置にあり、
特に替え歌はこれから言葉を話し始める赤ちゃんにとって
とてもいい刺激になります。
このまね遊びを通じて相手との関わりを深め社会性が向上し、
周りに興味を持ち、自発的な表現も見られるようになります。
音楽の影響を活かしたリトミック
最近、習い事として増えている「リトミック」をご存知でしょうか。
ピアノ教室や音楽教室で3歳児までを対象に行われています。
音楽教育の一つであり、音楽とリズム・動きを融合させた教育スタイルで、
ママも一緒に参加し、音楽の楽しさを体も使って味わうことで
感覚的なセンスやインスピレーション、想像力が豊かになることが期待されているものです。
加えて、他のお友達と同じ教室で習うことで
順番待ちや、集団行動をすることで
コミュニケーション能力、思いやりといった心の発達にもいい影響があると人気です。
音楽の赤ちゃんへの影響は?モーツァルト効果とは?オススメの曲は?おわりに
いかがでしたでしょうか。
音楽は赤ちゃんに限らず、すべての人間にとって心を育む大きな力があります。
大人でもライブに行くと心が躍り、開放的な気分になったりしますよね。
脳の形成が始まったばかりの赤ちゃんにとってはより影響が強いのです。
もちろん、ママの歌声に勝るものはありませんが、
この機会にぜひ様々な音楽を通してコミュニケーションをとってみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。