昨年2019年12月から中国で感染が確認された「新型コロナウィルス」ですが、
2020年に入り日本へも感染者が見つかり、現在ではヨーロッパやアメリカでの感染拡大がみられています。
なかでもイタリアでの感染者数と死者の増加が顕著となり、
3月9日にはイタリアのコンテ首相は国内全域で人の移動を制限する
「外出禁止令」措置を発表しました。
日本でも3月16日に政府が新型コロナウィルスの警戒レベルを
「国内発生早期」から「国内感染期」に引き上げ、
東京では3月28日、29日は外出自粛を要請しており、
国としては4月8日に緊急事態宣言が発令されることになりました。
今回は、この先、日本の最も感染者の多い東京で外出禁止令が出たらどうなるのか、
イタリアの例からわかりやすく解説します。
イタリアの外出禁止令とは?
政府から国民に出されるやむを得ない事情を除き、外出を原則禁止する
というものです。
イタリア政府は3月8日以降、首都ミラノを含むロンバルディア州など
北イタリア一帯を「隔離地域」に指定し、
地域内の住民に対して移動制限を敷いていましたが、
- 隔離地域から南部に脱出しようとする動きがみられた
- 外出を控えない住民も多かった
などで対象を全国に拡大しています。
交通機関は稼働していますが、商業活動は大幅に制限されています。
飲食店は、営業する場合は
- 客や従業員の対人距離を1メートル以上に保つ
- 午後6時で閉店する
などが求められ、
学校は、3月15日までとされていた休校措置が4月3日まで延長されています。
イタリアで人気のサッカーリーグ「セリエA」の試合を含め、
スポーツイベントの多くは延期や中止となり、
ジムやスキー場などのスポーツ施設も閉鎖されています。
しかし、残念ながら感染の終息には至らず
3月21日の発表ではイタリア感染者の死亡者数は4,000人を超えています。
コンテ首相は「全員が協力しなければ成功しない」とし、
すべての人の移動を制限する首相令を出した。
- スポーツイベントは無観客
- イベント、会議、スポーツへの練習参加
なども控えるとしました。
理由なく外出すると罰金の対象となります。
イタリア隣国の対応は?
ヨーロッパは陸続きのため、イタリアの隣国でも感染者数は増加しており
外出禁止令が出されています。
なかでもイタリアに次ぐ感染者数がいる
スペインでも3月14日に非常事態宣言を発表し不要不急の外出を禁止に
違反した場合は最高600ユーロ(約72,000円)の罰金を科しています。
フランスでも3月15日から、営業できる店を食料品や薬を扱う店に限定し、
店舗前に軍を配置し入店する人数を制限しています。
ヨーロッパでの感染拡大への歯止めが利かない状況を受け、
3月17日火曜日正午以降は、一切の外出を禁止する(*例外を除く)
という政府からの命令が3月16日月曜日20時、
フィリップ首相によるテレビ演説で正式に法律が発表されました。
外出の際は上記をフランス内務省のホームページからダウンロードして、
必要事項を記入して携帯する義務があります。
- 仕事に関わる外出
(多くの会社が閉鎖、または自宅勤務を条件としているなか、医療関係、政府関係、そのほか出勤理由証明ができること) - 家の近所への食料に関する買い物
(スーパーは平常営業をしています) - 病院への移動
- 家族や助けが必要な人のもとへの移動
- 家の近所での短時間の運動、動物の散歩
この証明書を所持していないと最低35ユーロの罰金が求められるようで、
初日で4,000件以上の罰金対象の人がいたようで、
バケーションではないことを明確にしています。
外出禁止令が日本で出たらどうなる?
すでに全国化しつつあるコロナ感染ですが、
日本では当初、北海道で重篤な患者が相次ぎました。
様々な理由があると思われますが、
- 寒いこと
- 寒いので暖房を利かせた比較的密閉された空間に、ウイルス保菌者とともに長時間滞在することから感染する可能性
といった点が指摘されました。
そのため、北海道内では移動制限が出され、
3月10日から4月3日まで実施される見込みです。
この間、健康上や仕事上の必要性がある場合を除いて外出は禁止され、
理由なく外出した者は罰金などの対象となり、
警官が路上で通行人に外出理由を尋ねることもあるようです。
北海道民の努力の甲斐もあり、北海道の感染拡大も一定の人数でおさえられており
日本全土で感染が拡大とまでは現在のところ至っていません。
そのため、日本では中国やヨーロッパでの緊急事態宣言も
どこか他人ごとのようになっています。
マスクやトイレットペーパーが目の前に無くなることで、
不安を抱き買い占めが起こる心情からいうと、
政府が「外出禁止令」を出すと途端に国内がパニックに陥ることは
容易に想像がつきます。
外出禁止令が日本で出たらどうなる?イタリアの例からわかりやすく!おわりに
いかがでしたでしょうか。
4月に入っても、ヨーロッパでは新型コロナ感染拡大に伴い、
感染者に対する「差別」意識も広がり国民のメンタルが心配されています。
収束の糸口が見えないことで、経済的不安も続く中、
人々の心をも不安に蝕まれているようです。
この問題はわが国でも決して他人ごとではありません。
一人一人が現在の状況を理解し、地道に
- うがい
- 手洗い
- マスクの着用
- 不要不急の外出を控える
などの行動を継続しなければ、明日は我が身だということなのです。
あなたももし不要不急の外出がしたくなってしまったら、
自分がお世話になった高齢者の顔を思い浮かべるようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。