コロナ禍で旅行の機会は減っていますが、
現代社会の移動手段としてなくてはならないのが
新幹線。
仕事で移動する際にも大変重宝されていますよね。
新幹線に乗車するとそのスピードに毎回驚くとともに、
「もう少し乗車時間が短ければ、ここからだって通勤も可能だろうになぁ」
誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
あなたは、そんな多くの人たちの長年の夢を乗せたリニア計画をご存知でしょうか。
今回はそのリニア中央新幹線について、ルートや停車駅、開業はいつになりそうなのか、お話していきましょう。
リニア中央新幹線とは?
簡単に言えば磁力で浮いた新幹線が最大時速500kmで品川―大阪間を移動できる計画です。
今年2020年7月現在、東海道新幹線での移動時間は
品川-名古屋間が約92分、
品川―大阪間が約143分
となっていますがリニア中央新幹線が開通すると、
品川―名古屋間を約40分、
品川―大阪間を約67分(最大時速500km)
で移動できるとされています。つまり、
名古屋から品川、大阪から品川への通勤も夢ではない
ということになります。
わかりやすくリニア新幹線を紐解いてみましょう。
従来の車輪での走行ではスピードを上げると車輪が空転してしまうことで線路との摩擦が消え、
速度維持が困難だったそうです。
そこで考えられたのが車体を浮かせて走行させること。
具体的には磁力のS極とN極の反発と吸引の力を使って浮かせて走らせること。
これにより、タイヤと線路との摩擦は起きず、最大時速505kmという速さが実現するのです。
ただ、これを実現する前提条件として従来の線路ではなく、磁石の埋め込まれた道路(ガイドウェイ)が必要となるそうです。
ガイドウェイに取り付けられた電磁石と、車両に搭載された超電導磁石(※1)というSFチェックな両者が吸引と反発を継続して繰り返すことで夢のような速度が実現するのです。
(※1)「金属を一定温度以下にすると電気抵抗がゼロになる『超電導現象』」を活用して磁力を強くして半永久的に電流を流せる。
リニア中央新幹線のルートは?
ここまで説明すると、「うちの近くには止まるのかな?」と、
リニア中央新幹線のルートが気になりますよね。
現在のところ計画が発表され着工しているのが、
・品川駅(東京)
・神奈川県駅[仮称](神奈川県・JR東日本横浜線・橋本駅付近)
・山梨県駅[仮称](山梨県・甲府市大津町付近)
・長野県駅[仮称](長野県・飯田市上郷飯沼付近)
・岐阜県駅[仮称](岐阜県・JR東海中央本線・美乃坂本駅付近)
・名古屋駅(愛知県)
未着工なのが、
・大阪駅(大阪府)
となっています。
また、停車駅はありませんが、静岡県の県北も通過する予定です。
しかし、その静岡県から水問題(※2)を理由として工事の同意がまだ得られていないのが2020年6月末の現状です。
(※2)リニア中央新幹線の通過するトンネルのうち、静岡県を通過する部分で、工事中に一定期間は大井川水系の水を最大毎秒2トン、県外へ放出することとなる試算をJR東海側が示し、その水を必要とする静岡県民が多く、工事をしなくても渇水が頻発する大井川でさらに2トンも放出するのは生活に支障が出る恐れがあります。
リニア中央新幹線はいつ開業予定なの?
様々な障壁はあるものの、ワクワクするリニア中央新幹線の計画、いつ完成するのでしょうか。
JR東海の公式発表では、品川―名古屋間の開業は2027年、大阪市までの全線開業は2045年としていましたが、
その後、「名古屋開業後連続して、大阪への工事に速やかに着手し、全線開業までの期間を最大8年前倒すことを目指す」と発表されています。
つまり、名古屋―大阪は2037年~2045年に開業する予定とされています。
すでに品川―名古屋の起工式は2014年12月17日に行われ、各地で工事は進んでいますが、
2020年4月末~5月中、新型コロナウイルス感染症流行の影響で各地の工事も中断を余儀なくされました。(その後順次再開)
ただ、前述の通り、静岡工区の準備工事が2020年7月現在、同意が得られず、着工できていないのが現状です。
リニア中央新幹線とは?ルートや停車駅、開業はいつ?延期? おわりに
いかがでしたでしょうか。
楽しみでならないリニア中央新幹線の完成ですが、
JR東海社長が「南アルプストンネルの静岡工区の準備工事が6月中に再開できないと2027年中の開業は難しくなる」と述べている以上、2027年の開業は難しいともされています。
そんな状況下で泣きっ面に蜂となっているのが新型コロナウィルスの猛威で、未だに先行きが見えません。
強引に工事を進める中で様々な予想外のトラブルも増えてしまうでしょうし、
テレワークにより人々の働き方が大幅に移動しないものへ変化していくニューノーマルの状況下、
「今はそれどころじゃない」
と、2027年にも、もしかしたら当初見込んでいたほどの利用者がいない可能性も囁かれるようになっています。
それでも、夢の高速輸送と、その地に住む人々の幸せ、そのどちらも納得のいく未来が来てくれることを願いましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。