世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症。
ここ連日、東京都では多数の新規感染者数の報告が上がっており、
感染第二波が懸念されます。
そんななか、緊急事態宣言が解除されてからぽつぽつと聞かれ始めた
「職場クラスター」という言葉。
緊急事態宣言が解除され、テレワークから出社して仕事に戻りつつある中
起きてしまっている職場クラスターとはどのような現象なのか、
起きやすい環境などあるのか、対策について調べてみました。
職場クラスターとは?
職場クラスターとは職場の中でおこる
新型コロナウイルス感染症の患者クラスター(集団)のことを指します。
そもそもクラスターとは英語(cluster)で
- 房
- 集団
- 群れ
を意味します。
厚生労働省は
と3月に指針を出しており、この指針より、小規模患者クラスターの定義が
- 感染経路が追えていること
- 数人~数十人規模
と読み取れます。
これらのことから、職場クラスターとは
- 感染経路が明らかな患者が持ち込み、職場内で感染が起きる
- 数人~数十人規模
の小規模患者クラスターということとなります。
職場クラスターの起きやすい環境とは?
それでは職場クラスターが起きやすい環境とはどのような環境なのでしょうか。
集団感染が起きやすい環境のこれまでの共通点は
- 換気が悪い
- 人が密に集まって過ごすような空間
- 不特定多数の人が接触するおそれが高い場所
があげられます。
これがあなたの元にも届いただろうマスクに同封されていた書類にあった、
- 密集
- 密接
- 密閉
いわゆる3密のことです。
また、海外ではエアコンの風に乗って飛沫が飛んだという報告も入っています。
換気のされていない部屋でエアコンをかけていると
風に乗って飛沫が広がってしまうということですね。
新型コロナウイルス感染症ではこれまでのインフルエンザ等で言われている
- 飛沫感染
- 接触感染
と併せて会話・発声の時に排出される小さな飛沫(マイクロ飛沫)が
大きな原因であることが明らかとなっています。
これを予防するために有効なのが、一時入手困難となっていたマスクなのです。
そう、「うつらない」ためにマスクをつけているのと同時に
「人にうつさない」ためにマスクをしているということを
意識することが大切なのです。
特に新型コロナウイルス感染症は無症状感染者もいるとされています。
実際、症状のない人が新型コロナウイルス感染症陽性であったため、
野球の試合が中止になったニュースは記憶に新しいかと思います。
今日出社した人の中に「症状が確認されている感染者」はいないかもしれませんが、
「症状が確認されていない感染者」はいるかもしれないのです。
そのようなときに
- 職場の中だから
- 暑いし
- 電話が通じにくいから
とマスクを外してしまったとしましょう。
その空間でエアコンの風に乗せられて、
唾液によるマイクロ飛沫が職場内に広がるのです。
エアコンに換気機能があるものは多くありません。
室内の空気を冷やしたり、温めたりしているだけです。
その風に乗って職場の中で広がってしまうのです。
職場クラスターを発生させないためにできる対策とは
どのようにして職場内でのクラスターを起こさないようにすればいいでしょうか。
まず、他での対策と同じように三密をさけることがあげられます。
- 密集・密接を避ける
職場内での席は感覚を開ける、会議などは広い部屋で行う又はテレビ会議システムを利用する・文書にて伝達するなど比較的狭いところに人がたくさんいる環境を作らないことが大切です。 - 密閉を避ける
先にも述べた通り、エアコンは換気を行いません。部屋の空気から「熱」だけを部屋の外に排出し、涼しくしたり、または逆に外気の「熱」だけを部屋の中に入れ、暖めたりして温度を調整しています。このため、エアコンをつけることで外のウィルスや花粉が室内に入ることはありませんが、室内に漂った飛沫は換気しない限り排出されません。(一部の換気機能のあるエアコンは除く)
窓や扉を開けて換気を行うことはとても重要です。
たとえ「せっかく部屋が涼しくなったのに」と思っても
窓や扉を定期的に開け、換気を行ってください。
ただし、これからどんどん暑くなってきますので
「窓開けているからエアコンはつけさせない」などということはないように
お願いしたいところです。
また、併せて思いつくのは消毒ですね。
触るたびにすべてのものを消毒するというのはとても難しいかと思います。
不特定多数の人が触るドアノブやエレベーターのボタンなどは
定期的に消毒の必要があるかもしれませんが、
- 電話
- コピー機
- パソコンのキーボード
など、毎回消毒していたらそれだけで就業時間が終わってしまいそうな気さえします。
それよりも社員の皆で
- 「手洗い・うがい」を都度行うようにする
- 顔や粘膜を触らないように習慣づける
など方が実現しやすいのではないでしょうか。
職場クラスターとは?どこで起きやすい?できる対策について考察 おわりに
いかがでしたでしょうか。
職場クラスターとは職場の中で起きる小規模患者クラスターのことで、
よそで起きる小規模患者クラスターと変わりがないということが
わかっていただけたかと思います。
職場であろうと、家庭であろうと、出先であろうと
- 三密を避ける
- 手洗いうがい
- マスクの着用
が重要であるということです。
無症状感染者がたくさんいると仮定し、
- 誰もが感染する(感染している)可能性がある
- 誰もが人にうつしてしまう可能性のある感染症である
ということを改めて認識し、それぞれが責任をもって感染防止行動をすることが
大切なのではないでしょうか。
そして、7月に入り、連日200人の感染者が確認されるようになるとともに東京を中心にエピセンター化が進んでいる危険な状態となりました。
当サイトではエピセンターについても「エピセンターとは?クラスターとの違いや児玉教授についても徹底解説」という記事で特集しておりますので、よろしければ併せてお読みいただけると幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。