最近、ADHDという言葉がよく耳にされるようになりました。
ADHDとは、注意欠陥・多動障害(Attention-deficit hyperactivity disorder)という神経発達症、もしくは行動障害のことをいいます。
文部科学省によれば、ADHDの定義は以下のようになっています。
“ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、および衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活どいうや学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系になんらかの要因による機能不全があると推定される。”
引用:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.htm
この記事では、ADHDの特徴や、大人のADHDについて、また自分でできるセルフチェック診断方法についても、詳しくご紹介したいと思います。
ADHDの特徴とは?
ADHDには、3つの特徴があるといわれています。
特徴1 不注意・・・物事に集中できず、忘れっぽい
特徴2 多動性・・・落ち着きがなく、じっとしていられない
特徴3 衝動性・・・自分の感情や行動をコントロールできず、衝動的に動いてしまう
ADHDの男女比は、およそ3:1で、男性に多い発達障害とされています。
発達障害に男性が多いのは、染色体に関係があるのではないか、と考えられています。
ヒトの性染色体は、男性がXY、女性がXXです。
X染色体が2つある場合、片方の染色体に不具合が起きた場合にも、もう一方の染色体がカバーできますが、男性の場合X染色体が1つしかないので、不具合をカバーしきれないと考えられているようです。
ADHDの特徴は大人になるとどうなる?
診断の基準は、アメリカ精神医学会が定める「DSM-5」をもとに行われます。
ADHDのある多くの人は、3つの特性を併せ持っているといわれていますが、症状の表れ方はひとりひとり異なり、個人にとってそれぞれの特性の強度は違います。
年齢や環境によって、洗われる特性や困りごとは異なり、またADHDの特性があるからといって、必ずしも生きづらいわけではありません。
子供の頃にADHDであった人は、次のような経過をたどるとされています。
・思春期までに症状がなくなる
・大人になっても症状が残るものの生活に支障はなくなる
・大人になっても症状が残り、生活に困難が生じる
これらの経過は、それぞれに1/3ずつの割合だといわれています。
子供の頃にADHDと診断された人の、実に2/3の人が、大人になって生活に支障をきたさないようになる、という結果が出ています。
ですが、長期にわたって日常生活や学業、仕事に支障が出る場合には専門家への相談が推奨されています。
大人のADHDとは?
ADHDは子供の発達障害として定義されたものですが、
大人でも子供でも、ADHDの特徴の本質は変わらないとされています。
本質は変わらないものの、環境の変化などにより周りの対応が変わってくることがあります。
ここからは、ADHDにおける子供と大人の違いをご紹介します。
① 子供のADHDの特徴は?
・興味のあるものを見つけるとすぐに走り出す
・高いところに昇りたがる
・友達とけんかやトラブルが多い
・じっとしなければならない場面でも、じっとすることができない
・物を乱暴に扱ったり、壊したりする
・授業中に手をあげずに答えてしまう
・気が散りやすい
・忘れ物や失くし物が多い
・ケアレスミスが目立つ
・約束を守れなかったり、忘れてしまう など
子供のADHDは、1歳ごろから症状が出てくるといわれています。
はじめは、落ち着きのない多動性・衝動性の行動が発現し、小学校高学年頃になると、多動性は少なってくるものの、ケアレスミスなどの不注意が目立ってきます。
女児の場合、多動性・衝動性はあまり見られないのですが、代わりに不注意の特徴がみられる場合が多いようです。
そのため、ADHDであるという診断が遅れることも少なくないようです。
② 大人のADHDの特徴は?
・忘れ物や失くし物が多い
・ケアレスミスが目立つ
・約束を守れなかったり、忘れてしまう
・複数のタスクを並行できない。順序だてて物事を行えない
大人のADHDの場合、子供と違って多動性や衝動性による行動は、少しずつみられなくなります。
ですが、代わりに不注意の症状が目立つようになり、社会生活の中で支障が出てくる人もいます。
また、一部の方には、多動性・衝動性が残る場合があります。
その場合の特徴としては、
・貧乏ゆすりなどを頻繁に行う
・つい失言をしてしまう
・衝動的に決断、行動してしまう
などの特徴がみられます。
ADHDのセルフ診断チェックシート
大人のADHDについて、セルフ診断チェックシートを使ってセルフチェックをすることが可能です。
もちろん、セルフチェックなので、このチェックリストの結果だけでは、あなたがADHDであるかを正確に判断することはできません。
ですが、事前にセルフチェックを行うことで、受診時に自分の困りごとを伝えやすくなったり、自分のADHD傾向を把握するために活用することができます。
チェックリストには、
a:まったくない 0点
b:めったにない 1点
c:時々 2点
d:頻繁 3点
e:非常に頻繁 4点
5項目で回答・計算してください。
① ADHDチェックリスト PART【A】
1. 物事を行うにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか?
2. 計画性を要する作業を行う際に、作業を順序だてるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか?
3. 約束や、しなければならない用事を忘れたことが、どのくらいの頻度でありますか?
4. じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることが、どのくらいの頻度でありますか?
5. 長時間座っていなければならない時に、手足をソワソワと動かしたり、もぞもぞしたりすることが、どのくらいの頻度でありますか?
6. まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなることが。どのくらいの頻度でありますか?
②ADHDチェックリスト PART【B】
7.つまらない、あるいは難しい仕事をする際に、不注意な間違いをすることが、どのくらいの頻度でありますか?
8.つまない、あるいは単調な作業をする際に、注意を集中し続けることが困難なことが、どのくらいの頻度でありますか?
9.直接話しかけられているにもかかわらず、話に注意を払うことが困難なことはどのくらいの頻度でありますか?
10.家や職場に物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって探すのに苦労したことが、どのくらいの頻度でありますか?
11.外からの刺激や雑音で気が散ってしまうことが、どのくらいの頻度でありますか?
12.会議などの着生気していなければならない状況で、席を離れてしまうことがどのくらいの頻度でありますか?
13.落ち着かない、あるいはソワソワした感じがどのくらいの頻度でありますか?
14.時間に余裕があっても、一息ついたりゆったりとくつろぐことが困難なことが、どのくらいの頻度でありますか?
15.社交的な場面でしゃべりすぎてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか?
16.会話を交わしている相手が話し終える前に会話をさえぎってしまったことが、どのくらいの頻度でありますか?
17.準備街しなければならない場合に、順番を待つことが困難なことが、どのくらいの頻度でありますか?
18.忙しくしている人の邪魔をしてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか?
上記のチェックリストの総合点数を下記にあてはめることによって、ADHDの傾向がわかります。
① 総合点が24点以上で、ADHDである可能性を検討
② 総合点が14点以上で、不注意傾向が強い
③ 総合点が10点以上で、多動性・衝動性傾向が強い
もしもあなたがチェックした項目に関して、仕事や社会生活で困難なことがあるのなら、このチェックリストを参考にして、一度専門医を受診してみることをおすすめします。
ADHDとは?特徴や大人もなるのか?セルフチェック診断方法も紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。この記事では、ADHDについてわかりやすくご紹介するとともに、大人のADHDやセルフチェックの方法についてもご紹介しました。
ADHDは、適切な環境や周りの環境が得られないと、年齢が上がるにつれて行動面の問題につながりやすいといわれています。
周囲の適切なサポート、そして理解があってこそ、ADHDの人たちが過ごしやすい環境を作り出すことができます。
ADHDがハンデにせず、成功を収めた人の中にはウィル・スミスさんやトム・クルーズさんもいますので、
集中し始めた時の集中力はむしろ武器になるのではないでしょうか。
そして、ADHDの人の困りごとを軽減し、良い部分を伸ばすためには、ご自身や周囲の方がADHDについて性格な知識を持つことも大切なので肺でしょうか。
当サイトではADHD関連のアプリについても別記事「先延ばし癖は病気?ADHDや発達障害との関連や対策アプリをご紹介ADHD」で特集していますので、よろしければご覧になってくださいね(^^
最後までお読みいただきありがとうございました。