コロナ禍の昨今、外出の自粛に伴い「おうち時間」が増えていますよね。
でもそのせいで、とある相談件数が増えていると言われています。
それは「DV」。
2020年度のドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数が
13万2355件にも上り、過去最多となったことが内閣府の調査
で分かりました。
また、DVがある家庭では児童虐待も起きている事例が多いことが明らかに
なっており、未成年の子どもと同居している家庭の6割に当たる数が確認
されています。
今回はDVについて、特に夫側が加害者となるケースについて、離婚できる
条件や対策・事例について調べてみました。
どこから「DV」と認定される?夫が加害者の場合だけをDVと呼ぶの?
内閣府の見解によると「DV」の定義としては
『配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力』
という意味で使用されることが多いそうです。
もちろんどんな事情があっても基本的には暴力をふるうことはいけないことですし、
圧倒的に身体的・経済力が強いことを自覚したうえで弱い相手に対して攻撃する
ことは男性・女性ともに許されることではありません。
つまり夫からの暴力だけを「DV」と呼ぶわけではないのですが、一般的に
男性の方が女性より体格も大きく力も強いため、多くの被害者は女性です。
そのため多くのDVは、女性の人権を著しく侵害する重大な問題です。
特に昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外出自粛や休業などが
行われている中、生活不安・ストレスにより、肉体的な暴力だけでなく
言葉による暴力・精神的な虐待も含め、その深刻化が確認されています。
暴力が理由で離婚できないとか思いこんでるのかもしれないよ?
では実際、DVを理由に離婚は可能なのか?
そのあたりについて調べてみましょう。
夫からのDVが理由で離婚できる?警察は呼べるの?
結論から言うと、夫婦間における暴力や虐待:いわゆる「DV」は、
「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)
として離婚原因となり得ます!
DVの被害を受けた場合は、緊急の場合には、ためらわずに110番通報を
してください。
そしていち早く警察や弁護士、市区町村の福祉事務所に相談しましょう。
一時的に暴力夫から避難するための一時保護施設やNGOによって運営されて
いる民間シェルターを紹介してくれます。
また暴力によって怪我をした場合には、医者に診断書を書いてもらい、
傷の写真を撮っておくなどしておきましょう。
日頃「暴力を振るわれている」「辛い」と感じているけれど、警察や弁護士
に連絡する勇気が無い・・とお思いなら、DVに悩んでいる方用の全国共通
・相談ナビダイヤルを設けています。
電話番号は「0570-0―55210」です。
まずは上記に相談してみましょう。
DVは家庭内で起こる場合が圧倒的に多く、特に昨今のコロナ禍で自粛期間
が長引くと外からよその家庭の様子を知る術が限りなく少なくなります。
そのため、ささいな不安だと感じたとしても、とにかく外に発信することが
何より大切です。
警察や弁護士に相談すると、DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者
の保護に関する法律)が適用されることがあります。
裁判でDVが認定されるとこの法律が適用され、DV夫に対しては
・被害者の住居や勤務先などで待ち伏せしたりなどする行為を一定期間(6か月)禁止
・同居している場合には、一定期間(2か月)夫を住居から退去させてその付近を徘徊することを禁止
・面会要求の禁止
・無言電話や連続した電話、ファックス、メールを禁止
・子どもにつきまとったりすることを禁止
こうした命令を出してもらうこともできます。
そんなフェミニストな御パンダくんのために、過去のDV事例を検証してみましょう!
DVの事例をご紹介!証拠を集めれば離婚できる!
ここからは、DVを理由に離婚が成立した事例をご紹介します。
ケース1:M子さんの場合
もともと短気なところがあったM子さんの夫。
M子さんからのちょっとした注意で激高し、殴りかかってくるようになりました。
会社での営業成績も振るわないうっぷんを解消するはけ口として、M子さんを殴る
だけでなく、足で蹴る、髪の毛をつかんで引っ張るというような暴力を振るうこと
も増えてきたそうです。
そのような生活が26年間も続き、M子さんはついに離婚を考えるようになりました。
周囲の勧めもあり弁護士に相談。
家を出た後も、夫は留守番電話やメールなどで執拗にM子さんの生命や身体に危険を
及ぼすような言動を続けました。
そこで、M子さんは裁判所に保護命令の申立てをしました。
証拠としてはケガをした箇所を写真で残す、診断書を取る、暴言などの録画・録音、
相手からのメールやLINE、日記をつける、相談履歴などが挙げられますが、M子さんは
警察にDVの相談をしていた履歴があり、まずは接近禁止命令が出ることとなりました。
また日記を付けていたこと、相手からのメール記録などを残しておいたため最終的には
離婚理由としてDVが認められ、慰謝料や治療費の請求ができたということです。
ケース2:専業主婦A子さんの場合
A子さんは夫と結婚して専業主婦になり、子どもが二人いました。
夫の年収は約1000万円でしたが、夫は結婚してから別人となったようにA子さんに暴言を吐き、
行動を支配するようになりました。
夫のモラハラに耐えかね、A子さんは子どもを連れて実家へ帰りました。
しかし夫はA子さんに生活費をまったく渡さなくなりました。
そこでA子さんは離婚を考え、弁護士に相談をしました。
妻には生活費をもらう権利があるので、こうした例も経済DVとなり離婚理由として認められます。
当初、夫は婚姻費用を渡さないと言い張りましたが、交渉の末、離婚が成立するまでは月額20万円を
支払ってもらう内容の合意を取ることができました。
その約半年後、双方の合意のもと離婚が無事に成立しました。
長期間DVを受け続けていると感覚がマヒしてしまい、自分には何も出来ないと思い込んでしまいがちです。
まずは何でも良いので外に発信することで、行政や近所の人や友人などに気づいてもらうのが大事ですね。
夫のDVはどこから?離婚できる?警察は呼べる?事例別にご紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。
コロナ禍で増加しつつある「DV」。
辛い状況下でも決して泣き寝入りしてはいけません!
直接暴力を受けたら、まずは警察や行政・弁護士に相談しましょう。
そこまで勇気が無ければ、勇気をもって相談窓口へ電話しましょう。
「相談した」という履歴を作ることが大事です。
最後までお読みいただきありがとうございました。