あなたは「共依存夫婦」という言葉をご存じですか?
物・行動・人間関係に執着し、依存する夫、または妻。
その依存症の夫や妻を心配し世話をする(共依存)。
そんな関係を「共依存夫婦」と言います。
インターネットで調べてみると関連ワードには以下が並びます。
浮気
別居
子供
末路
「許せないことをされた!でも別れようと思わないんだよねぇ。」
「夫婦の絆が強いだけじゃないの?」
というセリフはよく耳にしますよね。
どんなときも、共に愛し、敬い、慰め合い、共に助け合う。
その命ある限り真心を尽くすことを誓った夫婦。
しかし、頑張って続けてきた夫婦関係は、もしかしたら共依存の夫婦関係かも?
今回は「共依存夫婦とは何か」「共依存夫婦の境界線、チェックリスト」についてお話しします。
共依存とは?夫婦間での特徴は?
共依存とは、世話を焼く人(共依存者)と世話を焼かれる人(依存者)の関係で成り立っています。
まず、共依存者は、依存者の世話をすることで自分の存在価値を見出しています。
つまり、自分の感情や欲より依存者の世話を優先し、熱中してしまうのです。
そもそも「共依存」という言葉の発祥はなんでしょう。
それは、アルコール依存症の夫を献身的に世話をし、疲れ果ててしまう様子からできたものなのです。
「ああ、なんてダメな人、救ってあげられるのは私しかいない。」
「この人を理解してあげられるのは私しかいない。」
というように、パートナーの1番の味方になろうと努力した結果なのです。
そう、心身ともに疲れ果ててしまい、それでも尚、世話を焼いてしまうのが共依存なのです。
共依存になってしまう仕組みは?
依存者が向き合うべき問題をこんな風に責任が自分にあると思い込んでしまうのです。
「自分が何とかしなければならない」
「私なら絶対になんとかできる」
そして、これは周りからは「献身的に支えていて素晴らしい人」などと評価されてしまうこともあります。
そのため、自己肯定感を高めてしまい、辛くなっても行動を変えることが難しくなっていきます。
また、その地位自体に存在価値があると思い込み、それを守る事が目的で、自分の感情や欲を我慢する人もいます。
例えば、浮気やDVです。
自分が心身を傷つけられるようなことをされたとしてもこう思ってしまいます。
「自分自身には価値がないが、妻、または夫という地位には価値がある」
「なんとか自分の価値をなくさないために、その地位を守らなければならない。」
やがて、離婚ができず、嫌われることにも怯えてしまうのです。
そんな、地位や立場に依存し、浮気や暴力などに耐え、自分の感情や欲を我慢することも共依存なのです。
共依存夫婦とは?セルフチェックリストをご紹介
本来、夫婦とは支え合って生きていくものです。
「なんとなく夫婦だから許してしまう」
「夫婦だから他の人には言えない酷い事を言ってしまう」
という人も多いのではないでしょうか?
一体どこからが愛情で、どこからが共依存なのか確認してみましょう。
あなたは何個当てはまりますか?
①自分に自信がない・愛された記憶がない
自分に自信がない人は自分自身で存在価値を見出せません。
このため、「結婚=自分を選んでくれた」ということで自分に自信がつきます。
妻や夫という地位があることによって自分の存在価値を見出すのです。
②固定概念にとらわれやすい・責任感が強い
「妻とは、夫とは、こうあるべきだ!」
この考え方が強い人は、自分が辛い現状になったとしても「夫婦なら支えるべきだ」という考えに陥り、そこから抜け出すことが出来ません。
③頼みごとをされたら断れない
相手にどんな頼みごとをされたとしても「夫婦だから」「嫌われたくないから」と断れません。
④感謝されることが好き
「感謝されたい」「もっと好きになってほしい」と、相手の気持ちを先読みし、相手の気持ちを優先してしまいます。
ナルシストや自己愛性人格障害の人に利用されるのも共依存の人に多い傾向があります。
⑤相手が悲しんでいると悲しい気持ちになり、嬉しいと嬉しい気持ちになる
相手の状況を自分の事のように感じ、感情移入してしまいます。
感情移入してしまうと「どうにかしてあげたい」という気持ちが働き、解決するまで頑張ってしまいます。
いかがでしたでしょうか。
このチェックリストの内容を見ると「結構当てはまるかも」という人が居るのではないでしょうか?
共依存というものは、誰にでもあり得ることだということです。
誰でも持つ感情。
しかし度を超えると共依存となる。
それだけ共依存と愛情の境界線は曖昧であるということが分かります。
共依存夫婦とは?克服するには?
もし共依存の可能性がある場合、克服するには、どうすればよいのでしょうか?
まずは今までの特徴やチェックリストを見て「自分は共依存かもしれない」「どうにかしなければ」と思う客観性を持つことが大切です。
なぜなら、共依存はご自身の内面にあるものであるため、客観的に自分を見る目線がなければ治すことは非常に困難なのです。
これは煙草を吸う方が禁煙外来に行き、アルコール中毒の方が病院に通うのと似ています。
依存症は病気の一種であり、適切な治療をしなければありません。
それと同じように共依存も病気なのです。
本当に自分が共依存から抜け出したいと思った時には、病院へ行き治療をすることをお勧めします。
共依存とは?夫婦間での特徴とチェックリストをわかりやすくご紹介 おわりに
さて、ここまで共依存の特徴とチェックリスト、克服するにはどうしたら良いかを話してきました。
夫婦になったからには支え合っていきたい。
自分をできない事、相手が出来ない事を補い合って生きていきたい。
そう思うのは当然の事です。
でも、何事もほどほどに。
相手の為にも自分の為にも、共依存という関係は良くありません。
夫婦でもお互いに自立し合って、より良い関係を築いていけるよう心がけていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。