アロマテラピーって、何でしょう?
パッ..と思い浮かぶイメージは
『匂いでリラックスすること』
ではないでしょうか。
でもそれは一つの側面に過ぎません。
アロマテラピーの歴史は長く、効果や用途も様々です。
そもそもアロマテラピーとは何なのか?
いつ頃から存在するのか?
普段あまり考えないですよね。
今回は、そんな奥が深いアロマテラピーについて、掘り下げていきましょう。
アロマテラピー そもそも何?
アロマテラピーという言葉は
『芳香療法(ほうこうりょうほう)』
という意味の造語で、文字どおり
『香り』によって心身の不調を取り除く
という意味があります。
『えぇ~、、医療技術があるのに、
何が悲しくて匂いを嗅いで不調を改善しようとするの?』
と思うかもしれません、いや、思いますよね普通。。
アロマテラピーってほんの一部の人たちの趣味みたいなのじゃなかったの??
アロマテラピー 歴史
実は『香り』の歴史はとても古いのです。
記録によると、紀元前に発展した世界最古とされるメソポタミア文明時代まで遡ります。
この時代の香りの用途は、薬として医療に利用されていた他、宗教儀式の場で使われていたり、さらには現代のように香水や化粧品としても用いられていたとか。
その後、香りの文化はギリシャやローマにも伝わります。
あの医学の父と言われるヒポクラテスも芳香植物を使った入浴やマッサージを推奨し、積極的に医療に取り入れていたと伝えられています。
今でこそアロマバスやアロママッサージはリラックス目的で親しまれていますが、当時はそれだけでなく主に医療の一環として行われていた、ということですね。
つまりアロマテラピーとは、つい最近出てきた娯楽や趣味の類いではなく、数千年もの昔から様々な用途で発展してきたものなのです。
アロマテラピー メカニズム
それでもまだ普通に考えて、
『・・いやいやいや、匂いを嗅いだだけで、どうやって心や体を癒すの?』
と、思ってしまいますよね。
実は『香り』は、人間の脳に直接働きかけ、さらに血液を通して全身に行き渡るのです。
まだ意味が分からないですよね?
では、あなたが『香り』を検知した際のルートを一つずつご説明していきます。
脳へのルート
鼻から吸い込んだ香りの刺激は、なんと0.2秒以下で脳に伝わります。
『この間わずか0.2秒』と、格闘漫画でありがちな超スピードです。
歯痛や体の深部の痛みが脳に伝わるまでの時間は0.9秒またはそれ以上。
なので、およそ5倍の速さです。
芳香成分は電気信号に置き換えられ、脳の中で感情や記憶を司る部位や、自律神経、ホルモン、免疫を司る部位にも作用します。
後述しますが、芳香成分には植物ごとに様々な効果があり、その効果で脳の中のあらゆる部位が影響を受ける、ということです。
全身を回るルート
肺に取り込んだ空気(香り)は、肺の粘膜から血管に吸収され、血液とともに全身に回ります。
脳と同様に、香りによる様々な効果が全身の各部に作用し、最終的には尿や汗として体外に排出されます。
作用のまとめ
こうして、香りの効果は脳に伝わって心に作用し、血液とともに全身を回る事で体に作用していくのです。
いかがでしょう、簡単にですが、アロマテラピーの歴史と、心身に作用するメカニズムを説明しました。
しかし、気をつけなければいけない事もあります。
それは、アロマテラピーは正式な医療行為ではない、という事です。
確かに植物の香りには様々な効果が確認されています。
しかし、その本質は
『人間の身体が持つ力を後押しするもの』
と考える必要があります。
東洋でいうところの『漢方』と近い考え方、という認識が正しいと思ってください。
その一方で、いわゆる西洋医学で解決できなかった病状や、薬で取り除くことができなかった痛みが、アロマテラピーによって緩和した事例もあります。
香りが持つ効果を知ることで、心身を健やかにしてくれる事が期待できる、それがアロマテラピーの本来の姿なのです。
アロマテラピー 種類
それでは、アロマテラピーで期待できる効果とは、どういったものなのでしょう?
以下は、どの症状にどんな植物の香りがオススメか、症状別にご説明していきます。
症状 | 効果があるとされる植物の香り |
花粉症 | ベルガモット ラベンダー レモン レモングラス etc… |
風邪・インフルエンザ | グレープフルーツ サンダルウッド ペパーミント ユーカリ etc… |
月経痛 | イランイラン カモミール・ローマン ゼラニウム ローズオットー etc… |
二日酔い | カモミール・ジャーマン クラリセージ ジャスミン フランキンセンス etc… |
肩こり | ジュニパー スイートマージョラム ネロリ ベチパー etc… |
上記でご紹介した症状も植物も、あくまで一部のものです。
あなたも日々の生活の中で悩まされる事が多い症状ではないでしょうか。
また、一つの植物には複数の効果があります。
例えば花粉症の欄で紹介したベルガモットには、他にも抑うつ、胃の不調、切り傷に効果があるとされています。
ただし、上記はあくまで伝統的・習慣的な利用法の一覧となりますので、並行して医師の治療も受けることが必要です。
アロマテラピー 終わりに
いかがでしたでしょうか?
多くの日本人にとって『アロマテラピー=趣味』という認識が多いかと思われます。
でも、実際のアロマテラピーは長い年月を超えて愛され、神秘的でさえありますよね。
コンビニでも簡単に医薬品が購入できる時代になり、少しの不調でも薬を飲む人が増えた現代。
薬を飲まなければ治らない症状であれば飲むべきですが、副作用も少なくありません。
ほんのわずかな不調であれば、薬に頼らず、アロマを使ってあなたの身体が本来持つ回復力を高めての治療方針もご検討してみてはいかがでしょう。
(あくまでほんの少しの不調の時ですよ。。)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史