「シチゴサーン ッテ ナンデスカ !?」
日本で外国人が聞いてくるのは道だけではありません。
突然ですが、あなたは七五三について説明できますか?
誰もが一度は耳にしたことがある七五三という単語。
最近では、七五三を行わない家も多くなっており、
『7歳と5歳と3歳の時にある行事』
ということ以外、ぼ~んやりして説明できない日本人も多いのでは?
なぜ、3歳と5歳と7歳の時にお参りするのでしょう?
なぜ、3歳から7歳の間、2年おきに行うのでしょう?
千歳飴(ちとせあめ)って何でしょう?
今回は、そんな七五三について掘り下げてみましょう。
七五三 いつ?
本来の七五三の日は、毎年11月15日。
2018年の11月15日(木)は大安ですね!
ただ、現代では11月15日にこだわらなくなっています。
ご家族のご都合に合わせ、10月後半~11月前半の土・日・祝日や、大安などの縁起が良い日に、お祝いやお参りをする事が多くなっています。
やはり土・日・祝日で、かつ大安の日に、お祝いやお参りしたいところですよね。
(でも、みんな同じことを考えて周辺の交通機関が混み合うので注意が必要です。。)
さて、何歳の時に行うか、というと、3歳、5歳、7歳。
『七五三って、その名のとおりでしょ?』
と思ったあなた・・・。
実はこの七五三、本来は数え年(生まれた年を1歳とする数え方)で行います。
つまり、満年齢(生まれた年を0歳とする数え方)でいうと
2歳、4歳、6歳が正式な七五三の年齢
ということになります。
『え!うちの子、去年だった!?』
と焦ったあなた。
ご安心ください。
現代は満年齢で数えるのが一般的となっています。
地域や家族によって慣例が違う場合もあるものの、基本的にどちらでお祝いしても大丈夫です。
七五三 由来は?
由来に関しては諸説ありますが、もっとも有力な説は・・・
江戸幕府の5代将軍である徳川綱吉の長男・徳川徳松の健康を祈り、旧暦の天和元年11月15日(1681年12月24日)に始まった、とされる説です。
他には旧暦において15日というのは『鬼が出歩かない日』と信じられており、また11月は収穫を終える月で、15日に収穫と子供の成長を神に感謝して祈るようになった説もあります。
起源は平安時代とも室町時代とも言われていますが、儀式として定着してきたのは江戸時代からとも伝えられています。
そして、この七五三という言葉、実はそれぞれの年齢で行う別々の行事の総称であることをご存知でしょうか?
数え年3歳(満2歳)の時に行われるのは『髪置きの儀』といって、江戸時代の風習であった『3歳までは髪を剃る』という習慣が終了する時期に行われていました。
主に女の子が行いますが、男の子が行う場合もあったそう。
数え年5歳(満4歳)の時に行われるのは『袴儀(はかまぎ)』といって、男の子が袴を着用し始める時期に行われていました。
行事としては男の子限定です。
そして、数え年7歳(満6歳)の時に行われるのは『帯解き(おびとき)の儀』といって、女の子が大人と同じ帯を結び始める時期に行われていました。
こちらは『袴儀』とは逆に、女の子限定の行事ということですね。
それら3つの異なった子供の行事をまとめて『七五三』と呼びます。
全て同じ行事に思われがちですが、実はそれぞれ意味があるのです。
現代でも男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳、というイメージなのは、ここからきているのかもしれませんね。
七五三 千歳飴って何?
七五三といえば千歳飴。
粘り強く細長い形状、そして縁起の良い紅白の特徴があるこの飴。
昔は衛生的な問題等から子供の生存率が非常に低かったことから、親が我が子の長寿を願う、という意味が込められています。
確かに、『千歳(千年)』は長寿を連想させますし、現在も千歳飴の袋には長寿の意味を持つ鶴と亀や、健康や力強さを意味する松竹梅など、縁起の良いデザインが満載ですよね。
成長を祝う七五三という行事も、長寿を連想させる千歳飴も、親から子への願いを込めた大切なものだったわけですね。
七五三 終わりに
さて、あなたは七五三について、どれくらい知っていましたでしょうか?
いつの時代も、親が子供に願うのは
『健康で長生きをしてほしい』
ということなのかもしれません。
ただ単純に
3歳から7歳にかけての2年おきの行事・・・
ではなく、一つ一つが
子供の成長に合わせた意味があるもの
と知れば、お参りをする時のお気持ちも変わってくるのではないでしょうか。
しかし、お子様が小さければ小さいほど、着物を着せて連れて歩くのは大変な労力です。
当日は混雑を避け、ご無理なく安全に七五三の思い出を作っていただければと思います。
なお、七五三におけるお子様のヘアスタイルについては別記事をご参考いただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史