今回はジミ・ヘンドリックスについて、お話しします。
え、誰だって?
あ、あなたは、あのジミ・ヘンドリックスを知らないのですか!?
確かに最近の日本人は洋楽を耳にする事が多くなったとはいえ、
一昔前の偉人だから仕方ないのかもしれません…。
しかーし!
あなたが大好きなバンドのギタリストや、アーティストのバックバンドのギタリストも、
恐らくジミ・ヘンドリックスの影響を少なからず受けているはずです。
それくらい、凄いギタリストなので、ぜひこれを期に覚えてみてください。
ジミ・ヘンドリックスとは?
ジミ・ヘンドリックス(以後、ジミヘンと表記)はアメリカのミュージシャン。
日本では『ジミヘン』の略称で呼ばれることが多いギタリストです。
なんと、
『ローリングストーン誌(※1)が選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト
』において、2003年と、2011年に第1位に選ばれています。
まさにレジェンドな方なのです。
1942年に生まれ、1970年にこの世を去り、今年2018年で48年になります。
未だに世界中のギタリストから『神』と崇められるジミヘンですが、
何がそんなに凄いのか、見ていきましょう。
(※1)ローリングストーン誌
音楽、政治、大衆文化を扱うアメリカの雑誌のこと。
ジミ・ヘンドリックスの演奏スタイル
ジミヘンは、その高い演奏力と画期的な技法の考案によって、
エレクトリックギターの可能性を爆発的に拡大した革命児
と言われています。
高い演奏力、と言うと、正確無比な演奏のイメージですが、
実際はそこまで正確に弾けていたわけではありません。
音楽理論にも疎く、楽譜すら読めなかったと伝えられています。
ギター演奏中に発生するノイズすらフレーズに組み込んで感情を表現し、
それを高いアドリブ能力で曲を彩っていくスタイルは、
未だ世界中のどんなギタリストでも到達できていないと評されています。
エフェクター(※2)を多用していたことでも有名で、
エフェクターの設計者ですら、どうやって出しているのか分からない音を出していた言います。
パフォーマンス面でも、歯でギターを弾く、叩きつけて火をつけるなど、
後世のミュージシャンに影響を与えているのが分かります。
演奏力 × エフェクターの使用法 × パフォーマンス
ロックギタリストにとって必要な全ての要素の先駆者と言っても過言ではありませんね。
デビューからわずか4年、27歳の若さでこの世を去った後も、
世界中のミュージシャンから『史上最高のギタリスト』と呼ばれています。
のちに3大ギタリスト(※3)と称されるエリック・クラプトンやジェフ・ベックに
『誰も彼のようにギターを弾くことはできない』(エリック・クラプトン)
『(メジャーデビューしたばかりの彼の演奏を聴いて)廃業を考えた』(ジェフ・ベック)
とまで言わしめた逸話からも、ジミヘンの桁外れな才能や凄さを感じることができますね。
(※2)エフェクター
ギターなどの楽器の音色を電気的に変化させる機材のこと。
(※3)3大ギタリスト
1970年代に日本の音楽関係者が使用した言葉で、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)のこと。
ジミ・ヘンドリックスとギターとの最初の出会いは?
ジミヘンがギターと初めて出会ったのは15歳の時。
ギターに興味を示したジミヘンのために、父がアパートの管理人の息子から
中古のアコースティックギターを買ってくれたのが、伝説の始まりです。
生活は貧しく、先述のように音楽理論も持ち合わせていなかったジミヘンですが、
レコードなどを聴いて、独学でギターの弾き方を覚えていきます。
独学で楽器を弾き始めて世界最高のレジェンドに…、想像がつかないですよね…。
今の時代は、楽器を始めたいと思えば音楽教室に通うなり、教則本を買うなり、
多くの「まず一通り基礎を勉強できる」入り口が溢れています。
また、時代の流れとともにギターの奏法も多様化し、弾き方も解析されていることから、
『こんなギタープレイがしてみたい!』
といったニーズごとに答えがあるだけでなく、
最短で上達できる練習コースが体系的に用意されていたりします。
もちろん、現代でも完全に独学でギターを弾き始める人もいますが、
ジミヘンの時代はそもそも先述のような勉強法や練習法が確立されていなかった、
という現実があります。
しかし、
『自分の好きな曲を弾きたいから練習する』
という気持ちは、練習の方法以前に大切な原動力です。
昔から『好きこそ物の上手なれ(※4)』と言いますが、
どんなジャンルであれ世界的なプレイヤーとは、
それを誰よりも突き詰められた人なのかもしれませんね。
(※4)好きこそものの上手なれ
人は好きなことには努力するので上達が早いということわざ。対義語で「下手の横好き」もあり、結局は好きでも、ダラダラやっていたり、努力の方法が誤っていると、上達も成功もしにくいというのが最近の風潮。
ジミ・ヘンドリックス おわりに
今回はジミ・ヘンドリックスについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
彼がもし今の時代に生きていたら、
どんな音を奏でていたのか、、想像してしまいますよね。
ところで、レジェンドという存在は多かれ少なかれ名言を残しているものですよね。
それは、私たち常人が成し得なかった偉業の先に見えた景色から感じたことや、
人並み外れた努力から導き出された哲学など、様々です。
ジミヘンも、多くのレジェンド達と同じように多くの名言を残しています。
最後に、その中から4つをご紹介させていただきます。
『他人の心を粗末に扱うな。お前の心を粗末に扱う人間は相手にするな。』
→ いつの時代も人の心を大切にし、自分の心を大切にしてくれる人を見極めていく、それを積み重ねる人が豊かな人生を歩むと思います。
『愛国心を持つなら地球に持て!魂を国家に管理されるな!』
→ これは人類は皆が兄弟で国家間でナショナリズムを煽られて戦争しないよう訴えているように感じますよね。
『俺が10時間ギターを練習して、ああ頑張ったなと思っても、どっかの誰かは11時間練習してる。そういうもんさ。』
→ この現状に満足しそうな自分自身を戒めているような名言からジミヘンが負けず嫌いであったことが伺えますよね。10時間。。
ここで紹介させていただいた名言は、あくまで一部ですが、
音楽だけでなく、私たちの生活や人生にも響く考え方
だと思いませんか?
ジミヘンが生きていた時代から50年近く経った今なお色褪せない説得力を感じる
それは彼が人間の持つ本質を見抜いていたからかもしれません。
ミュージシャンとして、一人の人間として、魅力的な考え方を持っていたジミ・ヘンドリックス。
機会があれば、あなたもぜひ一度聴いてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史