人は、生きるために食べたり飲んだりします。
もちろん呼吸もします。
そんな食べ物や飲み物…空気と一緒に
あなたの身体には無数の細菌やウィルスが入ってきていることをご存知でしょうか。
毎年、夏になると食中毒を起こすО-157や、冬に蔓延するインフルエンザウィルス…
症状が出た人だけに、菌やウィルスが入ってきたと思いますか?
実は、重篤な症状を発症しないだけで、
あなたの体の中にもこの菌やウィルスが入ってきている可能性があります。
「えっ?じゃあ、なんで下痢をしたり熱が出たりしないの?」
と疑問に思うかもしれません。
お答えします。
人には、体に害となる菌やウィルスが入ってきたとき、
それらを外に出したり、やっつけたりするシステムが体内に備わっているのです。
その役割を果たしているのが、
腸
なのです。
今回は、あなたの体内にある腸とは何なのか、どのように害となる菌やウィルスを排除しているのか、
その腸を健康にする方法などをご紹介していきたいと思います。
そもそも腸ってどんなもの?
腸ってホースみたいな管というイメージがあると思います。
そのホースみたいな腸の長さは、なんと大腸で約1.5 m、小腸で6~7 mもあります。
そして、そのホースみたいな管を開いて表面積をみてみると
…なんと
大腸でテニスコート半面分、
小腸でテニスコート一面分もあるのです!
この長くて広い腸は、表面に絨毛(じゅうもう)という突起(とっき)に覆われています。
イメージは、毛の長い絨毯(じゅうたん)を細く丸めて管にしたといったところです。
この絨毛(絨毯の毛の長い部分)には、大きく分けて2つの働きがあります。
1つは、胃で消化された栄養をさらに消化し、栄養のみ吸収するという働き。
もう1つは、絨毛が左右に波のように動くことで、栄養以外の食べ物のカスや体内に入ってきた
悪い細菌やウィルスを外に押し出すという働き。
これは栄養や!ちゃうちゃう、それ悪い細菌や!
と判断して吸収や排除している腸ってスゴイですよね!
では、この判断は何がしているのでしょう。
それは、ずばり免疫システムです。
腸の免疫システムってなに?
免疫システムとは、免疫細胞達(細菌を食べてしまうマクロファージ、抗体という細菌をやつける武器を飛ばずB細胞など)…
イメージは戦隊物のレンジャー達が、それぞれの特性を活かし、悪い細菌やウィルスを駆逐することです。
私たちの体中の免疫細胞の約7割が腸にいるのです。
このレンジャー達…免疫細胞を強くすることが、免疫力を高め、悪い細菌を駆逐することにつながります。
っと、ここまで“害となる”とか“悪い”細菌という呼び名で呼んできましたが…
「じゃぁ、良い細菌がいるの?」と聞かれると思います。
“良い”細菌はいます!
○“良い”細菌ってどんなもの?
細菌には、“良い細菌(善玉菌)”、“どちらとも言えない細菌(日和見菌)”、“悪い細菌(悪玉菌)”があります。
善玉菌とは、いわゆるCMなんかでもよく聞くビフィズス菌や乳酸菌などです。
日和見菌とは、大腸菌などで、普段普通に体の中にいるのですが…
疲れたり風邪をひいたりして体が弱ったときに悪さをする菌です。
悪玉菌とは、О-157やサルモネラなどの有毒なものです。
最近流行の、腸内細菌(腸内フローラ)は、この全ての細菌をしめします。
善玉菌だけではないんですね!
この3種類の細菌が、体の中でひしめき合い、エサをとりあって、増えていき…影響を及ぼしているのですね〜。
と言うことは、「善玉菌を増やしてやればいいんじゃない?」と思いませんか?
その通りです。
○免疫力を高める方法、善玉菌を増やす方法
では、免疫細胞達を強くする=免疫力を高めたり、善玉菌を増やすにはどうしたらよいでしょうか?
・食物繊維や発酵食品を積極的に食べる。
食物繊維や発酵食品は、善玉菌のエサになります。
代表的な食物繊維は、タマネギ、ゴボウ、バナナ、しいたけ、トウモロコシ、海草類などです。
そして代表的な発酵食品は、ヨーグルト、なっとう、みそ、チーズなどです。
これらをしっかりバランスよく食べることが大切なんですね〜。
だた、ここで気をつけることがあります。
それは、砂糖たっぷりのヨーグルトや食物繊維を付け合わせに食べる油たっぷりの美味しいお肉です。
砂糖や油は、悪玉菌のエサなのです(涙)
とはいっても、食べたいですよね…美味しい物や甘い物。
そこは食べましょう(笑)
…だた調理法や素材にこだわって食べましょう。
例えば、お肉を焼く油をオリーブオイルにするとか、
砂糖を蜂蜜にするとか…。
小さなことからコツコツと、その積み重ねが大切です。
・オリゴ糖を食べる
善玉菌のエサになるオリゴ糖を、前述した食べ物と一緒にとると効果がアップします。
オリゴ糖は、小腸で吸収されず大腸まで届くので、大腸の免疫力アップにも役立ちます。
オリゴ糖と蜂蜜をヨーグルトに入れて食べると、便秘によく効きますよ。
(御パンダ実証済)
・体温をあげる
免疫細胞って、体が冷えていると働きが鈍ります。
例えば、体温が1度下がると、免疫力も30%下がると言われています。
なので、体温を上げる食べ物(しょうが、たまねぎ、ニンニク、にんじん)を積極的にとったり、
冷えない洋服を着ることが大切です。
腸の健康 おわりに
健康でいたいとは思いつつ…日々の食事に気を遣ったりすることは、忙しい私たちには大変なことですよね。
でも…、ほんの少しだけ気をつけてみましょう。
例えば朝は、パンだけでなくヨーグルトとオリゴ糖を食べる…など
それだけで、意外に変化があるものです。
あなたが一生付き合っていく腸です。
どうか、丁寧に大切に日々ケアしてあげてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。