あなたは最近思わず誰かにドヤ顔をしてしまった事はありますか?
『どやどや』と聞くとドヤ顔を思い浮かべてしまう今日この頃。
「どや」とは、関西の方言で「どうだ」の意で得意顔のこと。
さて、そんな「どや」に関連する大阪・四天王寺で行われる
『どやどや』
という祭事をご存知でしょうか。
『どやどや』とは、
極寒の真冬にふんどしを締めた裸の男達が魔除けの護符を奪い合う..
そのハードボイルド過ぎる内容から『奇祭』としても有名な行事です。
「奇祭」といえば「裸祭り」。
「裸祭り」といえば「奇祭」。
大阪・四天王寺で毎年年明けから始まる法要の一環として行われる『どやどや』は、
日本を代表する裸祭り・奇祭の一つとして長い歴史を誇ります。
それにしても、真冬にふんどし姿でお札を奪い合うって…、
一体、どういった意味があるのでしょうか?
効率性、安全性を重視する時代に生まれた現代人の目には奇異に映るこの祭事。
そして、この『どやどや』という名前には、どういった意味があるのでしょう…。
ひらがなだと余計にイメージがわかないですよね…。
そこで今回は『どやどや』の歴史や意味、日程やアクセス情報などをご紹介します。
どやどやの歴史は?
『どやどや』が行われる四天王寺は、日本最初の官寺(国営の寺院)とされており、
聖徳太子建立七大寺の(※)一つに数えられています。
その歴史は古く、推古天皇元年(593年)に厩戸皇子(聖徳太子)によって創建されたと伝えられ、
『どやどや』の原型も827年から1192年もの間続く、由緒ある祭事です。
四天王寺がある大阪市天王寺区の『天王寺』という地名の由来にもなっていることからも、その歴史の深さが伺えます。
創建当初は名前のとおり四天王を祀っていたと言われていますが、
現在は和宗の総本山寺院となり、本尊の救世観音菩薩(くせかんのんぼさつ)が祀られています。
四天王寺では毎年、1月1日~14日まで僧侶によって天下泰平・五穀豊穣などを祈願する法要が行われます。
法要中に祈祷された『牛王宝印』というお札は結願日(最終日)には柳の枝に挟んで参詣者に授与されますが、
昔は僧侶が六時堂から撒き散らしていたのだとか。
撒き散らされた『牛王宝印』に人々が群がり、奪い合っていた様子が再現されたものが、
現代の『どやどや』という行事になったそうです。
そして『どやどや』の名前の意味は2つあるとか。
一つは、前述の六時堂に『どやどやと人が群がる様子』から。
もう一つは、やはり「ドヤ顔」。
お札を奪い合う時に『ドヤァドヤァ(どうだこれでも負けないか!?)』
と威嚇しながら押し合ったことからきているそうです。
今も昔も人は「ドヤ顔」をしてしまう生き物なのでしょうね。
厳かな法要の最後に行われる行事なのに、人の様子や言葉から名前がつくほど、
当時は激しい戦いが繰り広げられていたのかも..など想像力を掻き立てられますね。
(※)聖徳太子建立七大寺
法隆寺 広隆寺 法起寺 四天王寺 中宮寺 橘寺 葛木寺の7つの寺社の総称
どやどやの2019年の日程は?
2019年の『どやどや』の日程は、下記のとおりです。
当日は『どやどや園児の部』『どやどや中高生の部』が、お昼過ぎくらいから開催されます。
以下は、2018年開催の日程ですが、例年同じ期間に開催されるため、ご参考にしてみてください。
・どやどや園児の部 14:20〜14:30
・どやどや中高生の部1 14:35〜15:00
・どやどや中高生の部2 15:05〜15:35
『どやどや園児の部』では、
男の子は上半身裸、女の子は半袖Tシャツ、下は全員短パンの格好で、
掛け声を上げながら六時堂に入っていきます。
寒そうにしながらも『わっしょい!』と掛け声を上げる姿は微笑ましく、
毎年『どやどや』の見どころの一つとなっています。
そして、『どやどや』での一番の見どころは、
若く逞しい体が『どやどや』と六時堂に入っていく高校生の部です。
紅白の組に分かれたふんどし姿の高校生によるお札の奪い合いは、
若さや体力からくる迫力だけではなく、
高校生特有のノリも相まって、非常に楽しく見応えがある光景を作り出します。
以下は大迫力の2018年の様子、まさに奇祭ッ。
どやどやへのアクセスは?
『どやどや』へのアクセス方法は、下記のとおりです。
☆電車の場合
JR・大阪市営地下鉄 天王寺駅から徒歩約11分
大阪市営地下谷町線 四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩約10分
近鉄南大阪線 阿部野橋駅から徒歩約14分
☆お車の場合
環状線方面からの場合:阪神高速道路14号松原線 夕陽ケ丘I.C.から約6分
松原方面からの場合:阪神高速道路14号松原線 文の里I.C.から約11分
南大門前に有料駐車場(200円/35分)がありますが、34台しか停められません。
当日は混雑も予想されるため、公共交通機関でお出かけすることをオススメします。
どやどや おわりに
今回は『どやどや』の歴史や意味、日程やアクセス情報などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ちなみに、この『どやどや』、昔は年代を問わず大勢の群衆が集まってお札を奪い合っていたそうですが、
現在は一般参加はできませんのでご注意を。
事故や混乱を避けるため、参加できるのは決まった学校や職員のみになっています。
とはいえ、見ているだけでも興奮し、ご利益がありそうな行事ですので、
日本人ならぜひ一度は見ておきたい行事です。
あなたも2019年の始まりは、『どやどや』に足を運んでみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史