あなたは葵祭をご存知ですか?
正式名称を「賀茂祭」と言い、京都府京都市にある下鴨神社と上賀茂神社の例祭です。
祇園祭、時代祭と共に「京都三大祭」の一つに数えられ、
平安時代から国家的な祭典として重要視されてきた歴史もあります。
「源氏物語」の中にも記述がありますし、
当時は「祭りといえば葵祭」と評されるまで有名だったのですよ。
そんな葵祭について、いつ開催されるのか、
その詳しい歴史や見所、アクセス情報を今回は探っていきたいと思います。
葵祭 2019年はいつ?
葵祭は毎年5月15日に開催されます。(雨天時、翌日に順延)
また、下鴨神社で5月3日に行われる流鏑馬(やぶさめ)神事が特に有名ですが、
5月に入ると祭当日までに様々な前儀が行われます。
葵祭の歴史とは?
葵祭の起源は古墳時代後期の欽明天皇(在位539 ~571年)の頃まで遡ります。
当時、飢餓や疫病が流行したため、
天皇は卜部伊吉若日子(うらべのいきわかひこ)を勅使として天災の原因を占わせたところ、
原因が賀茂大神の祟りであることがわかりました。
そこで4月の中酉の日に祭礼を行ったところ、風雨はおさまり、
五穀は豊かに実って国民も安泰になったと言われています。
これ以降、上賀茂神社は多くの人々から信仰されるようになったのです。
平安時代には律令制度により、国家行事としての地位を確立します。
現在まで当時の王朝風俗の伝統が残されており、葵祭の大きな特徴の一つとなっています。
平安時代以降、何度も中断や中止が繰り返されましたが、
江戸時代の1694年(元禄7)に祭が再興され、
賀茂祭から葵祭と名が変わりながらも王朝の伝統は忠実に守られ続けました。
その後、東京遷都、戦争などで再び中断があったものの、
昭和28年からは行列が再び巡行するようになりで、斎王代も昭和31年に復活しました。
行列は「勅使代」と「斎王代」を中心にした二つが主ですが、
名前に付いた「代」とは文字通り「代理」という意味です。
また、
- 「勅使」・・・「天皇の使者、代理」
- 「斎王」・・・「神に仕える未婚の皇女」
です。
葵祭の見所は?
葵祭の当日を迎える前に、関連のある様々な「前儀」が行われます。
中でも5月3日に行われる「流鏑馬神事」は有名です。
下鴨神社にある「糺の森(ただすのもり)」にある
全長500メートルにも及ぶ馬場で行われ、迫力満点ですよ。
他にも5日には計12頭の馬が疾走する「賀茂競馬(かもくらべうま)」が上賀茂神社で、
地上から弓を射る「歩射神事(ぶしゃしんじ)」が下鴨神社で行われるなど、
古風で見応え十分の神事もぜひお楽しみください。
しかし、やはり何といっても一番の見所は当日15日の「行列」(「路頭の儀」)です。
行列は、
- 勅使を中心・・・「本列」
- 斎王代を中心・・・「斎王代列」
に大別されます。
当時の様々な朝廷の役職に扮した人々が牛車とともに京都御所から出発し、
下鴨神社を経て上賀茂神社まで約8kmの道のりを行列します。
葵祭の主役は、天皇の使者であり行列の最高位者である勅使です。
しかし十二単(じゅうにひとえ)などの重厚で煌びやかな衣装に身を包んだ斎王代も
負けず劣らず主役級ヒロインと言ってよいでしょう。
行列の通る時間帯は大体次の通りです。
- 京都御所を出発(10:30)→堺町御門 → 丸太町通 → 河原町通 → 下鴨神社到着(11:40頃)
- 再出発(14:20)→下鴨本通 → 洛北高校前 → 北大路通 → 北大路橋 → 賀茂川堤 → 上賀茂神社到着(15:30)
総勢500名、長さ1kmを超える行列で通過には約1時間もかかります。
壮大で優雅な光景は圧巻です。
葵祭へのアクセスは?
公共交通機関をご利用の場合
京都御所まで
- 電車・・・最寄りは地下鉄烏丸線の「丸太町駅」(御苑の南)か「今出川駅」(御苑の北)。降りて御苑に入り、徒歩約5分。
- 市バス・・・「烏丸今出川」(51、59、102、201、203系統)で降りて御苑に入り、徒歩約5分。
下鴨神社まで
- 電車・・・最寄りは京阪電鉄「出町柳駅」(徒歩約10分)
- (京都→(JR)→東福寺駅→(京阪)→出町柳駅、かもしくは京都駅→(徒歩約10分)→七条駅→(京阪)→出町柳駅)
市バス・・・「下鴨神社前」(1、4、205系統)降りてすぐ。
上賀茂神社
電車…最寄りは地下鉄烏丸線の「北山駅」(徒歩約15分)
市バス・・・「上賀茂神社前」(4、46、67系統)降りてすぐ。
車をご利用の場合
お祭り当日の市内は大変混雑しますし、交通規制も敷かれます。
近くの駐車場はほとんどが早い時間に埋まりますので、
出来るだけ公共交通機関をご利用されることをお勧めします。
京都駅付近の駐車場に車を止めて、公共交通機関に乗り換えるのがスムーズです。
京都駅への最寄りは「京都南I.C.」か「京都東I.C.」です。
葵祭とは? おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は「葵祭」について見てきました。
時代が変わっても守られ続ける伝統を間近で見ることができます。
ゴールデンウィーク中に行われる前儀も迫力満点です。
是非京都に足を運んで、日常とは一味違う高貴な「日本」を堪能してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。