あなたは「帯祭り」をご存知ですか?
静岡県島田市で3年に一度だけ開催されるお祭りで日本三大奇祭のひとつに数えられ、
その歴史は300年以上を誇り2019年で109回目を迎えます。
「帯を祭る?」
「なぜ日本三大奇祭なの?」
今回はそんな「帯祭り」を掘り下げて、
歴史や今年2019年の開催日程、アクセス情報などを紹介していきたいと思います。
「帯祭り」とは?
静岡県島田市で3年に一度「寅、巳、申、亥」の年に行われる
大井神社の「大祭(おおまつり)」といわれる神事と余興。
これが日本三大奇祭のひとつとして数えられているお祭りです。
「帯祭り」では1丁目~7丁目までをそれぞれ「街」と分け役割が決められています。
1~5街は屋台を引き回し、6街は鹿島踊り、7街は大奴、大名行列を行います。
見どころもそれぞれにあり「屋台のすれ違い」では、2台の屋台同士が向かい合い、
どちらも道を譲らず屋根に乗った青年衆が熱くなる姿に観客たちも大いに盛り上がります。
鹿島踊りは江戸時代から正確に伝えられている珍しい踊りで
県の無形文化財にも指定されています。
さらに大名行列では具足、先騎、鉄砲隊、御弓などと共に
メインである25人の「大奴」が練り歩きます。
この「大奴」は大名行列の花形といわれ、
左右に約1.8メートルの木太刀を突き出し、柄には見事な丸帯をかけています。
「大奴」のしぐさはとても奇妙で足の上げ方や高さ、
指先の動きに至るまで正確に伝えられています。
奇祭と呼ばれているのはこの「大奴」の奇妙なしぐさからきている
ともいわれています。
最終日には
- 大奴
- 大名行列
- お神輿
- 鹿島踊り
そして1~5街の屋台が約1キロの長さで続き
大井神社からお旅所を丸1日かけてゆっくりと往復します。
また、3年に一度の「帯祭り」では特に地元の人たちの思い入れも強く
お祭りで着る法被(はっぴ)の刺繍などにもお金をかけ
密かに競い合っているともいわれています。
「帯祭り」の歴史は?
元禄8年(1695年)に神事祭式が定まり、
初めて神輿渡御が行われたといわれています。
当時、島田には嫁いできた花嫁は晴れ着姿で大井神社にお参りしていました。
そしてその姿で町中を歩き披露するという習わしがありましたが
広域な町を歩かせるのはあまりに気の毒だと花嫁を気遣うようになりました。
そこで女の命といわれる帯を神輿渡御の警護役を担っていた「大奴」が
大太刀に飾り安産祈願の意味も込め町の人たちに披露するようになりました。
すると花嫁の親たちは嫁入り道具である帯を特に気にするようになり、
その逸品をみようと商人たちも集まるようになり
現代のファッションショーのようになっていきました。
これが「帯祭り」の始まりといわれています。
「帯祭り」の2019年の日程は?
「帯祭り」は3年に一度10月の中旬に開催されます。
第109回目となる2019年の開催日程は
- 10月12日(土)
- 10月13日(日)
- 10月14日(月・祝日)
の3日間になります。
帯祭りの流れ
衣装揃え(前日)
前日から「衣装揃え」が行われます。
早朝に青年衆が祭り半被を着て大井神社拝殿前に集合し
お祭りの無事を祈願してお祓いを受けます。
御夕祭(初日)
初日に大井神社では宵宮(よいみや)祭が行われます。
各街のお供はそれぞれ町内外に披露されます。
御本祭(中日)
中日に大井神社では大祭の式が執り行われお祭りが無事に行われることを祈ります。
境内の春日神社前から本殿まで奉納舞しながら一周します。
各街のお供は町内外披露は前日から続きます。
お渡り(最終日)
大祭の最終日は大井神社から御旅所までのお渡りの日です。
大名行列を先頭に、
- 神輿渡御行列
- 鹿島踊り
- 屋台
と長い行列が続きます。
約1キロにも及ぶ長い行列が10時間ほどの時間をかけ、ゆっくりと往復します。
朝出発した一行は御旅所で祭事を終えると再び大井神社に戻り、
夕闇の中本陣入りが行われます。
「帯祭り」へのアクセス情報
開催場所
JR島田駅北側 本通り周辺
アクセス
電車
JR島田駅から徒歩5分
車
- 新東名高速道路 島田金谷ICから約15分
- 東名高速道路 吉田ICから約15分
【駐車場】
臨時駐車場が用意されます。
- 大井緑地公園(島田球場南側)
- 島田浄化センター東
シャトルバス
大井川緑地公園~JR島田駅南口間をシャトルバスが運行されています。
【運行時間】
9:00~18:00
【交通規制】
お祭り期間中はメイン通りを中心に
7:30~22:30までの間に大規模な交通規制が実施されます。
「帯祭り」おわりに
いかがでしたでしょうか。
日本三大奇祭といわれる「帯祭り」。
もともと嫁いだ花嫁を気遣う人々の優しさから始まったお祭りだったものが
現代では奇祭として残っています。
「帯祭り」は他では見ることができない催し物ばかりですが、
中でも大名行列は大きな見どころとなっています。
特に奇祭といわれるほどに奇妙なしぐさで
「帯祭り」の由来にも大きくかかわる「大奴」は必見。
さらに3年に一度しか開催されない希少性から不思議なお祭りといえますね。
今年2019年は「帯祭り」が3年ぶりに開催されます。
あなたもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。