あなたは体に発疹ができる有名な2つの感染症
「手足口病」と「水ぼうそう」の違いを知っていますか?
一見して同じような赤い発疹、でもよく見ると明らかに違いますよね。
今回は、手足口病と水疱瘡(水ぼうそう)の違いや、感染経路、予防法を
わかりやすくご紹介していきます!
知っておいて損はないはずですよ。
手足口病と水疱瘡(水ぼうそう)の違いは?
原因となるウィルスが違います
- 手足口病の原因ウイルス・・・「エンテロウイルス」「コクサッキーウイルス」
- 水ぼうそうの原因ウィルス・・・「水痘・帯状疱疹ウイルス」
このウイルスはヘルペスと同じ仲間に分類されています。
潜伏期間が違います
- 手足口病の症状が出るまでの潜伏期間・・・3~5日
- 水ぼうそうの症状が出るまでの潜伏期間・・・10~21日
のどや目の粘膜から体内に侵入したウイルスは、リンパ節で増殖し
その後、5日ほど経つと血液に入り込んで全身に広がり、肝臓や脾臓でさらに増殖します。
そして最後に皮膚にたどり着き、ようやく発疹が現れます。
そのため、水疱瘡は感染してから症状がでるまでの潜伏期間が長くなります。
*水ぼうそうは、発疹の症状がでる前から周りの人にうつる可能性があります。
発疹がでる1~2日前から、発疹がでてから1週間ほどは、
ウイルスが体内から放出されているため、うつる可能性があります。
かかる回数が違う
- 手足口病・・・原因ウイルスに複数の種類があり何度もかかる可能性がある
- 水ぼうそう・・・一度感染すると免疫がつくため、基本的には2回以上かからない
ただし、1回目が軽く済んだ場合など、抗体が少なく免疫がつかないことがあるため、
再度水疱瘡になる可能性があります。
また、免疫力が低下する病気にかかっているときなども、再度なる可能性があります。
症状の違い
- 手足口病・・・口の中以外の発疹は、痛みやかゆみはない
- 水ぼうそう・・・発疹にかゆみをともなう
妊婦さんの場合
- 手足口病
経過観察と対症療法などを行うことで済むと考えられていて、流産や胎児に異常がでるようなことは稀 - 水ぼうそう
妊娠初期には流産になることが多く、妊娠28週以前では胎児の約2%が「先天性水痘症候群(CVS)」になる危険がある
さらに、出産前後、特に出産の5日前~2日後に水疱瘡の症状がでた場合は、
母体で十分な抗体を作る時間がなく、
胎児は抗体をつけてもらえないまま生まれてきてしまいます。
その場合、母体、赤ちゃんともに重症化する可能性が高いとされ、
赤ちゃんは17~30%が重症化、その内30%は死に至ってしまいます。
手足口病と水ぼうそうの感染経路は?
- 手足口病感染経路:飛沫感染・接触感染・糞便感染
- 水ぼうそう感染経路:飛沫感染・接触感染・空気感染
飛沫感染
ウイルスがせき、くしゃみなどにより、細かい唾液や気道分泌物につつまれて
空気中に飛び出し、約1mの範囲で人に感染させることです。
接触感染
- 皮膚や粘膜の直接的な接触
- 手すりやタオルなどのような物体の表面を介しての間接的な接触
などにより、病原体が付着することで感染することです手が触れることで感染することです。
糞便感染
ウィルスは、回復後も
- 口(呼吸器)から1〜2週間
- 便から2〜4週間
にわたってウイルスが排泄されるので、
おむつなどの交換後に汚染された手指を介して感染が広がります。
空気感染
水ぼうそうのウイルスはとても小さいので空気に浮くことができます。
この空気中に含まれたウイルスを吸い込んだり、目の粘膜に付着することによって感染します。
手足口病と水ぼうそうの予防法は?
- 手足口病・・・一般的な手洗いと感染を拡大させないためにマスクをする
- 水ぼうそう・・・予防接種
予防接種は、2014年10月から定期接種となりました。
予防接種の種類は注射による生ワクチンの接種で、接種回数は2回です。
2回の予防接種で抗体ができる割合は90%以上です。
その抗体は20年間体に残ることが確認されています。
対象年齢
- 1回目・・・ 1歳~3歳
- 2回目・・・ 1回目から3ヶ月以上の間をあけて3歳までに接種
手足口病、水ぼうそうにかかった子供の登園や登校の目安は?
手足口病
明確な出席停止期間は設けられていません。
- 厚生労働省・・・「保育所における感染症対策ガイドライン」
- 文部科学省・・・「学校において予防すべき感染症の解説」
では、
- 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること
- 熱が下がってから1日以上経過していること
とかかれています。
ただし、ウイルスは症状がなくなったあとも、2~4週間程は便の中に排泄されています。
そのため、十分な手洗いと、感染中・感染後しばらくの間の排泄物は適切に処理をしましょう。
<h4水ぼうそう
水ぼうそうには、「すべての発しんが痂皮化するまで」出席停止期間が決められています。
すべての発疹が痂皮化する(=かさぶたになる)までに1週間程度かかるため、
その間は登校(園)できないということになります。
手足口病、水ぼうそうにかかってしまった時の対処法
どちらも経過が良好なことがほとんどです。
そのため、特に薬を使わずに自然に治るのを待つこともあります。
できるだけ安静にして、熱が出ているときには水分補給をこまめにしましょう。
ただし、水ぼうそうの場合は、解熱剤を使用すると重篤な副作用(ライ症候群)を
起こすことがあるので、自己判断で市販薬などの解熱剤は使用せず、
医師に相談、処方してもらいましょう。
ライ症候群とは
- 激しい嘔吐
- 意識障害
- 痙攣
といった症状があらわれます。
死に至る確率も高く、後遺症として脳に障害が残ることもあります。
手足口病と水ぼうそうの違い感染経路や予防法 おわりに
手足口病も水ぼうそうも、からだに発疹ができるという特徴を持つ感染症です。
しかし、水ぼうそうのほうがウィルスが小さく、
感染力、症状が強く出ることが多いです。
どちらも大人がかかると重症化しやすく、水ぼうそうの場合は妊婦に感染してしまうと大変です。
症状が出たら自分で判断せず、早めに受診しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。