安倍内閣に初入閣を果たした小泉進次郎議員と滝川クリステルさんの結婚、妊娠の報道が
連日世間をにぎわしていましたね。
と、いうのも人気も話題性もある小泉進次郎議員が「育休」を取るのかどうか?!
というのが現在注目の的というわけです。
有名人は大変ですよね・・・
高齢出産を控え、ただでさえ心配なのにもかかわらず、産まれた後のことについてまで
関係ない人にあーだこーだ言われるなんて・・・
しかし、小泉進次郎議員だけの問題ではない少子高齢化時代の育休問題!
そこで今回は、現在の育児休業法とは?歴史や育児休業期間についてわかりやすくご紹介します。
育児休業法とは?
正式名は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
という名前です。
簡単に言うと、
「育児や介護がしやすいように短時間勤務や休みを与えることを企業側に義務づける法律」
です。
現在の育児休業法は?*2019年9月現在
あまり大きな報道はされませんでしたが、2019年の1月(平成29年1月)より
『育児介護休業法』及び、
関連する『男女雇用機会均等法』が改正施行されています。
現在の育児休業法は、これまでのフルタイム勤務に頼った働き方ではなく、
それぞれのライフスタイルを尊重する多様な働き方への需要が高まっているため、
国は育児をしながら仕事を両立する働き方を強く後押しており、
各種制度の追加や見直しが行われています。
育児休業法は、正社員だけのものではなくなった?
育児休業法はパート・アルバイトや派遣社員なども対象となります。
今回の改正で、パート・アルバイトや派遣社員などの
有期契約労働者の育児休業取得要件が緩和されています。
具体的には、
【旧】
- 勤続1年以上あること
- 子が1歳以降も雇用見込があること
- 子が2歳までの間に労働契約が更新されないことが明らでない者
↓
【改正後】
- 勤続1年以上あること
- 子が1歳6か月になるまでの間に労働契約が(更新される場合は、更新後のもの)満了することが明らかでない者
派遣社員については、派遣元だけでなく派遣先も事業主とみなし、
措置を行うことが義務になっています。
「子の看護休暇」の取得単位が変わりました!
「子の看護休暇」とは、有給休暇とは別に子ども一人につき年に5日間病気の看護や、
検診などで休まなければならないときに取ることができる休暇です。
今までは、1日単位での取得しかできなかったのですが、
今回の改正で所定労働時間が4時間超の労働者の場合、
半日単位でも取得ができるようになりました。
育児休業の対象となる子の範囲が変わりました
ここ数年で、晩婚化に伴い、不妊・不育治療の末特別養子縁組や養子制度で
親子になる家族も増えてきました。
そのため、今回の改正では
- 特別養子縁組の監護期間中の子
- 養子縁組里親に委託されている子
といった法律上の親子関係に準じると言えるような関係にある子についても
対象の追加となっています。
育児休業法の歴史は?
育児休業の歴史を振り返ると、
高度経済成長に伴い女性も働き始めた1975年に「育児休業法」が制定されましたが、
その際は女性公務員の一部(教員,看護婦,保母)を対象としたものしかありませんでした。
1991年 「育児休業等に関する法律」
この頃に、ようやく以下のように一般的なものとして成立しました。
具体的には、
- 労働者は男女を問わず,子供が1歳になるまで育児のために休むことができる。
- 労働者からの申し出があった場合,原則的に雇用主はこれを拒むことができない。
- 育休を理由に解雇してはならない。
と定められました。
しかし、休業期間中は無給であり、違反した場合の罰則規定もなく、
原職復帰や不利益取扱い禁止の明文規定がないこと等問題だらけでした。
1995年 「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
少子高齢化の現代では、育児と介護はセットなのです。
介護も育児も共通しているのは「とにかく大変」ということ・・・・
しかし、介護については今回横に置いておきますが、以下は覚えておいて損はないですよ。
- 介護休業制度も盛り込まれました。
- 育児休業期間も事情により最長1年半まで延長できるようになりました。
2009年 改正
少子化が進み、対策の観点から課題となっている「仕事と子育ての両立」支援等を
一層進める目的で、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる
雇用環境を整備しようとする機運が高まり、具体的に下記が定められました。
- 子育て期間中の働き方を見直し
- 父親も子育てができる働き方の実現
- 仕事と介護の両立支援
- 苦情処理・紛争解決の援助,調停の仕組みの創設などの実効性の確保
その後も2016年、2017年などたびたび改正され、
- 育児休業期間の延長
- 介護休業の取得回数緩和
- 企業の努力規定の義務化
などが盛り込まれ、2019年の改正がされています。
育児休業期間は?
育児休業は子供が1歳になるまで育児のために仕事を休める制度で、
両親ともに育児休業を取得する場合は子が1歳2か月になるまで取得可能です。
妻の産休中に夫が休業した場合、夫は2度目も取得できます。
配偶者が専業主婦(夫)でも休業できます。
また、保育所に入所を希望しているが入所できないなどの場合には、
1歳6か月になるまで延長可能です。
さらに1歳6か月に達した時点でも保育所に入れないなどの場合は、
再申請することにより最長2歳になるまで延長できます。
女性の育児休業期間はどれくらい?
女性は、産後8週間の休業(産後休業)が労働基準法で認められているので、
育児休業はその終了後から取得できます。
男性の育児休業期間はあるの?
子が出生した日から育児休業できます。
男性の場合も
- 正社員以外の有期雇用
- 同じ企業に1年以上続けて雇用されている
などの条件を満たせば取得できます。
育児休業中の収入は?
- 休業中は雇用保険を財源に原則1年間
(条件付きで最長2年まで延長可能)、育児休業給付金として産前給与の50%(休業を開始して6か月間は67%)が給付されます。 - 育児休業給付金は非課税のため、所得税はかかりません。
(翌年度の住民税算定額にも含まれません) - 育児休業中の社会保険料は、労使ともに免除されます。
給与所得が無ければ、雇用保険料も生じません。
その結果、手取り賃金で比べると休業前の最大約8割となります。
仕事復帰後も育児をサポートする制度がある?
短時間勤務とは?
- 3歳未満の子どもを養育する従業員は1日6時間の短時間勤務を選択できるほか、残業をしなくてすむ所定外労働の免除を受けられます。
- 小学校就学前の子どもを養育する従業員は、残業時間に制限を設ける法定時間外労働の制限のほか、病気の子の看護のための休暇や深夜就労の制限を受けられます。
- 転勤についての配慮してもらえます。
事業主は、労働者を転勤させる場合の、育児の状況についての配慮義務があります。
育児休業法とは?歴史や育児休業期間 おわりに
いかがでしたでしょうか。
昭和世代の「当たり前」が令和では「犯罪」と呼ばれることが多くなりましたよね。
昭和世代から言わせてみれば、
「そんなことくらい」
「俺たちがおまえくらいの時はな・・」
はもう通用しないのです。
- ワンオペ育児
- 二人目不妊
- 離婚率の高さからくるシングル世帯の増加
- 一向に減らない虐待問題
- SNS問題
親たちの余裕のなさのしわ寄せは間違いなく子どもたちに直撃します。
育児休業法は、労働者のための法律です。
決して、流行りの芸能情報だけで済ませてはいけない
「明るい未来」への貯蓄問題として扱っていってほしいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。