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2024年に刷新されるお札のデザイン。
1万円札の顔となるのが渋沢栄一さんだと発表されたとき世間はザワつきました。
一番多かった反応は
「だっ、誰?」
ではなかったでしょうか。
でも調べてみるとこの渋沢さん、いままでお札にならなかったのが
不思議なくらいスゴイ人なんですよ。
今回は渋沢栄一さんについて、知って納得!な豆知識をご紹介していきます。
渋沢栄一ってどんな人?
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2021年1月スタートのNHK大河ドラマ「青天を衝け(せいてんをつけ)」
では渋沢栄一さんの生涯が描かれることが決まりました。
映画キングダムでの活躍が記憶に新しい活躍した稀代のイケメン・吉沢亮さんが主役に抜擢されましたが、
ルックスはさておき(失礼!)その生き方は渋沢栄一さんも
超イケメンなんですよ。
渋沢栄一のプロフィール
渋沢さんは江戸末期の1840年、
深谷ネギで有名な埼玉県深谷市にて豪農の長男として生まれます。
若き頃はゴリゴリの尊王攘夷思想だったにもかかわらず
運命のいたずらから25歳の時に一橋慶喜に仕えることとなります。
ほどなくして慶喜はまさかの将軍へと即位。
ついさっきまで討幕を叫んでいた渋沢さんは手のひらをくるっと返して一転、幕臣となるんです。
1867年、日本が初めて参加したパリ万博に随行した渋沢さんは
ヨーロッパのカルチャーに衝撃を受けます。
彼のその後を左右する「資本主義」というシステムを知ったのもこの時でした。
さあ、この学びを幕府で活かさんと考えていた矢先、
驚天動地の大政奉還が行われ明治へと日本は大きく動いていきました。
この時29歳だった渋沢さんは欧米諸国にならい日本発の会社組織
「商法会所」を設立、その手腕を買われて大蔵省の官僚となります。
が、自分と政府の方針に覚えた違和感が大きくなり4年ほどで大蔵省を退職。
実業家への道を突き進んでいきます。
34歳の若さで開業した第一国立銀行(現・みずほ銀行)を皮切りに
彼が設立に携わった会社は500以上にものぼります。
500社って・・・
渋沢さんは財界での活躍のみならず早稲田大学や同志社大学といった
私大の創設にも関わり、経済と教育の両面に深く貢献した人物でも
あったのです。
渋沢栄一が設立にかかわった主な会社(現在の社名)
- 王子製紙
- 東京海上日動火災
- アサヒビール
- サッポロビール
- 帝国ホテル
- 東京ガス
渋沢栄一が設立にかかわった機関(現在の呼び方)
- 日本商工会議所
- 東京証券取引所
- 一橋大学
- 日本女子大学
- 東京慈恵会病院
- 日本赤十字
2度のノーベル平和賞へノミネートされた数年後の1931年(昭和6年)
91歳の大往生を遂げられました。
江戸末期から明治維新の大きなうねりの中、激動の人生を歩んでこられた
渋沢栄一さん。
彼が日本経済にとって重要な人物であることもさることながら、
その生き方や思想が清廉潔白な人間性が、いま多くの人たちの注目を集めています。
「論語と算盤」に見る渋沢栄一の生き方
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渋沢さんが生き方の原点は古代中国にて孔子が説いた「論語」にあります。
「論語」と聞くと小難しい学問のように感じられますが、
テーマを集約すると「人がより良く生きていくには?」。
この点を易しく、そして詳細に書き記した道徳の教科書が「論語」だ
といっていいでしょう。
論語をベースに渋沢さんがいきついた
「道徳(論語)と経済(算盤)が両立してこそ健全な成果が成り立つ」
これを謳っているのが「論語と算盤」(ろんごとそろばん)という本なんです。
日本を代表する大実業家でありながらも、この本で力説されていることは常に
- 「人格」
- 「情愛」
- 「品性」
といった人として大切な部分を磨かなければ経済的成功は果たせない、
もしくは長くは続かないことを口酸っぱく語っておられる部分に
渋沢さんのお人柄がしのばれます。
「論語と算盤」でおさえたい賢者の2スキル!
その1:「視観察(しかんさつ)」
もはや必殺技のような感じの並びですね。
これは人間を観察するには「視観察」が必要であり、
「視」とは外見。
どんな身なりでどんな様子をしているのかを見る。
そして「観」とは動機をさぐること。
その人物がどんな志をもってその動きをしているのか背景を
よく見聞きすることが大切だ。
しかしながら「視」と「観」はうまく装う輩もいる。
そこで「察」を働かせて、その者が何に喜びを感じているのかを
よくよく確かめること。
家庭第一と、上品な服をまとい、社会貢献を唱えながら応援を求めてくる人物も、
調べてみると私欲にまみれて女癖が悪く、散財したり、あくどい商売をしていることがある。
人間の真意はその日常にあらわれている、という考え方からきています。
これは私たちの普段の人間関係でも役立つ観察法ですね。
口ではきれいごとを言っていても自分の利益しか考えていない人もいます。
「視観察」力を高めて誠実な人とだけお付き合いしていきたいものです。
その2:「智情意」(ちじょうい)
まずは「意」、つまり意志がなければ何事もはじまらない。
強い意志をもったうえで「智」である智恵、学びを積まなければ
意志を貫くことはできない。
しかしそこに「情」がなければ必ずやトラブルに巻き込まれて失脚する。
意志のある者が智恵を身に着け情をもって世の中に分け与えていくことで
「完き人」(まったきひと)となる。
著書の中では足利尊氏と楠木正成について書かれている部分があります。
策略や寝返りを繰り返して権力を手にした尊氏と、忠臣でありながら
尊氏に左遷を命じられた正成。
その一瞬を切り取れば勝ったのは尊氏であり時の成功者です。
しかし、現代において足利尊氏を敬う人がどれくらいいるでしょう。
かたや楠木正成は学問の神様と崇められいまだに人々から尊敬される
存在であり続けています。
勝った負けたはほんの一瞬のこと。
本当に大切なのはどう生きるかである、ということを
よく表現した例えだと感じました。
渋沢栄一とは?一万円札になるのはいつ?「論語と算盤」から名言もご紹介 まとめ
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一見あまりかかわりのないように思われる道徳と経済の関係性。
これを滾々(こんこん)と説いてくれるこの1冊は時代がどう変わろうとも
揺らぐことのない人としての生き方や、天命について
深く考えさせられる内容です。
興味はあるけれど読了する自信がない、
という方は漫画で描かれた「論語と算盤」もあります。
ぜひ、そちらから入ってみてください。
あの世界屈指の経済学者で自己啓発の祖とも呼ばれる
ピーター・ドラッカー氏も絶賛したこの「論語と算盤」は、
私たちの生き方、在り方を指し示してくれる良書だと感じました。
蛇足ですが、高潔な聖人君子であることは間違いない
パーフェクトヒューマン渋沢さんですが、女性に関しては
あちらこちらで色々あったという噂もあるようです(笑)
もしかすると渋沢さん自分自身を鑑みて視観察を編み出したのかもしれません(笑)
やったことの良し悪しはさておき、そんな人間臭い部分も含めて
渋沢さんに尊敬の念と愛おしさを感じずにはいられません。
是非この機会にあなたも渋沢栄一さんとその教えについて
ちょっと学んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。