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マイク・タイソンとは?負けた相手のホリフィールドと再戦して勝てる?

あなたは「ボクサーで53歳」と聞くとどんなイメージを抱きますか?

 

「あり得ない」

 

「階級は?減量などの調整が大変そう」

 

「そもそも危険なのでは・・・」

 

といった声が多くなりそうですよね。

 

実はいま、ボクシングファンだけでなく、格闘技界全体で大きな話題となっているのが、

53歳で現役復帰するとされている「マイク・タイソン(以下、タイソン)」。

 

タイソンといえば、元ヘビー級統一王者で、

現役時代は「世界最強の男」として一世を風靡(ふうび)した伝説のボクサー、

ボクシングに詳しくない人でも、一度は試合を目にしたことがあるかもしれません。

 

そんなタイソンがいま53歳にしてリングに復帰し、その対戦相手の候補として、

なんと、現役時代に試合中の「耳かみ事件」で因縁のある57歳の「イベンダー・ホリフィールド(以下、ホリフィールド)」ということですから、

注目せざるを得ません。

タイソンは、なぜいま復帰し、ホリフィールドと再戦するのでしょうか。

また、現役時代に負けてしまったホリフィールドに勝つことができるのでしょうか。

今回は、あらためてタイソンの全盛期における伝説を振り返るとともに、現在の復活した姿に迫ります。



マイク・タイソンとは?

タイソンは1966年6月30日にニューヨークで生まれました。

幼少期は内気な性格から、信じられませんが悪質ないじめの標的になっていたそうです。

 

そんなある日、タイソンはある事件をきっかけに覚醒します。

理由は飼っていた鳩をいじめっ子が殺してしまったことでした。

これがトリガーで内気だったタイソンは一変。

怒りのあまり、いじめっ子を全員を倒してしまったのだとか。

 

タイソンはその後、喧嘩に明け暮れ、非行の道に走り、12歳までに51回も逮捕されています。

 

当然ながら少年院に送致されたタイソンは、そこで構成プログラムの一環でボクシングというスポーツを行います。

 

そして院内で12歳までに51回も逮捕されるほど喧嘩慣れした喧嘩屋タイソンは、

周囲に底知れぬボクシングの素質を認められ、

伝説のトレーナー「カス・ダマト」と出会います。

 

カス・ダマトはかつて名伯楽として有名でしたが引退し、隠居生活を送っていたなかで、

少年院の更生プログラムの一つボクシングに携わっていたそうです。

 

タイソンはカス・ダマトのもとで本格的なトレーニングを始めます。

カス・ダマトは当時13歳のタイソンへ、ディフェンスを固めて素早く相手の懐に潜り込む必殺のインファイトスタイルを伝授しただけなく、

 

「いいか、リング上の勝敗を決するのは、肉体ではなく精神力だ

 

と、荒みきっていた心の成長も促していきます。

 

タイソンはカス・ダマドのことを、

 

「オレにとってオヤジ以上の存在だった」

「初めて出会った心の許せる人だった」

 

と振り返るほど、強固な師弟関係が構築されていったのです。

ここから、51回も逮捕された非行少年と、隠居生活を送っていた名伯楽の、

映画も超えるストーリーが展開していきます。

 

タイソンは天性のパンチ力とスピードを兼ね備えていましたが、

身長約180センチとヘビー級の中では小柄な部類に属します。

 

しかし、カス・ダマド直伝の両手のグローブを頬に構えるピーカブー(※)と呼ばれるスタイルによる鉄壁の防御スキルをベースに、

破壊力あるパンチでKOの山を築いていきます。怒濤(どとう)の快進撃でチャンピオンへと上り詰めました。

 

(※)一撃もらうと意識を失う顎の前に両腕を置き重点的に守る構え。ボディへの防御が手薄になる欠点がある。

 

あまりに強すぎて、試合は「どちらが勝つのか」よりも

何ラウンド目でKOするか」が争点となったほどでした。

 

しかし、タイソンが鬼神のごとく11連勝を飾った1985年11月4日、

恩師カズ・ダマドは肺炎のため77歳で死去してしまいます。

 

タイソンは悲しみ、この世の終わりが来たみたいに泣いたそうです。

 

カス・ダマトの死後、タイソンは史上最年少で世界ヘビー級王座を獲得します。

 

その後、心の支えを失ったタイソンはカス・ダマドが

 

「絶対に奴と組むな」

 

と止めていたプロモーター「ドン・キング」と契約を交わし、転落してどん底に堕ちていきます。



ボクシング史上最悪といわれた「耳かみ事件」とは?

タイソンは私生活こそ自暴自棄で数々のスキャンダルを起こし続けてしまいますが、

ボクシングでは相変わらず向かうところ敵なしでした。

 

しかし、カス・ダマドの死後、その伝授されたボクシングスタイルは徐々に崩れていき、技のキレも落ちていきます。

 

そして迎えた1996年11月9日の対イベンダー・ホリフィールド戦

 

ついにボクシングでもノックアウトされ、リングに沈むことになります。

 

誰もが驚いた番狂わせの結果となりましたが、一説には

 

「タイソンはホリフィールドから度重なるバッティングを受けていた」

 

「はじめて自分を恐れず前に出てくるタイプのボクサーと戦いリズムを崩された」

 

ともいわれています。

 

結果を受け止めきれないマイク・タイソンはもちろん再戦を希望。

 

そこで、ボクシング史上類を見ない、世紀の「耳かみ事件」が起きたのです。

マイク・タイソンはなぜ耳をかみちぎったのか?

 

1997年6月28日、再戦当日におけるタイソンのコンディションは上々だったといわれています。

 

しかし、またしてもホリフィールドの頭から飛び込んでくるような攻撃スタイルに思うように戦えず、

タイソンは我を失い激怒。

 

偶然か作戦か、何度目かのバッティングでクリンチ状態となった二人。

 

怒り狂ったタイソンは、自身の真横にあったホリフィールドの右耳をかみちぎったのでした。

 

このとき、ホリフィールドはあまりのことに背を向けてコーナーに逃げようとしますが、

タイソンが執拗に追いかけ、彼の背中を突き飛ばしています。

 

ドクターが症状をチェックして試合は再開されましたが、

頭に血が上ったタイソンが、今度はホリフィールドの左耳にかみついて失格負けに。

 

もはや、ボクシングというスポーツの域を超えた、後味の悪い血にまみれた死闘となってしまいました。

 

天国のカス・ダマドが見たら激怒する試合ぶりでした。

 

なぜ今、因縁の二人が再戦するのか?

世紀の「耳かみ事件」後のマイク・タイソンとホリフィールドですが、

2009年にはテレビで和やかに共演するなど、和解をした模様です。

 

それなのに、なぜいま「3度目の対決」を考えているのでしょうか。

 

実はこのドリームマッチの背景には

 

新型コロナウィルスの対策支援として

 

「経済的に恵まれていない人たちに寄付金を募ること」

 

を目的としています。

 

ホリフィールドが基金のためにエキシビションマッチへ出場する意向を示し、

同じく慈善試合に向けてトレーニングを始めていたマイク・タイソンに白羽の矢が立ったというわけです。

 

マイク・タイソンはアメリカでインタビューに応じ、

チャリティー試合の出場について前向きな発言をしています。

 

また、自身のインスタでは激しいトレーニングの動画を投稿し

 

「I’m back(俺は帰ってきた)」

 

とも宣言しました。

 

ラウンド数の短いエキシビションマッチとはいえ、

二人の試合が実現されれば、世界中が注目する戦いとなるでしょう。

マイク・タイソンに勝機はあるか?

 

現在「53歳のマイク・タイソン」と「57歳のホリフィールド」。

 

年齢的には4歳若いタイソンですが、

いままでに2回も負けている相手に果たして勝てるのでしょうか

 

身長約180センチのタイソンが、188センチほどあるホリフィールドに勝つためには何が必要か。

 

課題のひとつに、「頭から突進してくるホリフィールドをどう止めるか」があります。

 

いくらタイソンでも現在はステップワークも昔ほど使えないはずです。

 

過去2戦と同じ失敗を繰り返さないためにも、

タイソン側は持ち前のパンチ力だけでなく、あらゆる戦術を考えているはずです。

 

そして、ホリフィールド側も、全盛期とは肉体的にも精神的にも違った戦い方を強いられることでしょう。



マイク・タイソンとは?負けた相手のホリフィールドと再戦して勝てる? おわりに

いかがでしたでしょうか。人類史上最高のボクサーとして名高いマイク・タイソン。

 

「何をしでかすかわからない男」

 

と報じられ、良くも悪くもカリスマ的存在となった悪童が、

いま、世界を救うチャリティーのために立ち上がろうとしています。

 

耳かみ事件で大きな注目となったホリフィールドとの対戦は、

現在のトレーニング動画を見る限り、どちらが先に現役時代のフットワークを取り戻せるかが、勝敗の鍵のひとつになりそうです。

 

年齢と数々のドラマを重ねた二人だからできるボクシングを、世界中の人々が楽しみにしています。

 

新型コロナウィルスの暗い話題が続く日々ですが、

きっとタイソンはまた野性味あふれるファイトで、私たちを興奮させてくれることでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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