2020年6月19日に緊急事態宣言が解除され、街には以前と変わらなほど人が溢れかえるようになりました。
そんな中、同日に厚生労働省が配信を開始したのが
新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」。
なんと新型コロナウイルス感染者(陽性の人)と接触した可能性があると通知を受けとることができるアプリで、
この短期間に開発が進んでいた裏には相当なデスマーチ(地獄の開発プロジェクト)があったことは想像できて感謝ですね。
その努力の甲斐もあってか、公開から約8時間で約85万件、24時間で179万件がダウンロードされ、国民の新型コロナウィルス予防への関心の高さも伺えます。
今回はそんな新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」について、メリットやデメリットを考察していきたいと思います。
接触確認アプリ「COCOA」とは?
接触確認アプリ「COCOA」は、新型コロナウイルス感染症の予防の一環として、厚生労働省と内閣官房新型コロナウイルス感染症対策テックチームにより開発されましたが、まず気になるのはその名称ではないでしょうか。
「え?ココア?飲むやつ?」
という方も多く、「ココア」の響きが世界を恐怖に陥れている新型コロナウィルスに対抗するのに弱々しい響きです。
COCOAは、
「Co」ntact
「Co」nfirming
「A」pplication
の頭文字をとっています。
アプリのアイコンは厚生労働省のロゴマークが使われており、こちらもどちらかというと頼りない雰囲気を醸し出しています。
しかし主な機能はすごいんです。
スマートフォンのBluetoothをオンにしている状態で、15分以上近くにいた人と人の中に新型コロナウイルス感染症の陽性者がいた場合、
「あんた接触した可能性があるで」
と通知を受けとることができる機能が具備されています。
自分が陽性で感染した場合、処理番号という8桁の数値をアプリに登録しておくことで、他の人への通知ができるようになります。
以下Google Play・App Storeより、対応デバイスはiOS 13.5もしくはAndroid 6.0以降のスマートフォン向けとしてリリースされています。
・App Store(iPhone)
・Google Play(Android)
まだインストールしていない人は是非インストールしてみてくださいね!
接触確認アプリ「COCOA」のメリット3つ
メリット1 無症状の人が受診するきっかけになる
西村経済再生担当相は
「プライバシーに十分な配慮が行われており、感染者が誰であるかはわからない。通知を受け取れば感染の可能性をいち早く知ることができるメリットがある」
と述べ、国民にインストールを呼びかけており、
「通知を受けて無症状の人が受診するきっかけになり感染拡大を予防できる」
ことで、家族や周囲の人への感染リスクを未然に防ぐことができますので、
新型コロナウィルスとの長い闘いにおいて一定の効果を発揮することが期待できます。
メリット2 自分の生活ルートに潜むリスクを把握できる
また、通知が来た日、通知がこなかった日の自分の行動履歴と照合することで、
「あっ、この日は歌舞伎町いたから通知来たのか・・・」
など、自分の生活の中で危険なルートが把握して避けることもできます。
メリット3 自分に感染リスクがあると自覚できる
例えば、自分にこの通知が来た後で高齢者に会う予定があった場合は「感染させて死なせてしまうリスク」があるため、会うのを控えるなど感染拡大予防になることが期待できます。
(本当に新型コロナウィルスは人々のモラルを問うてきている不思議なウィルスだと思います。)
接触確認アプリ「COCOA」のデメリット3つ
デメリット1 普及率6割のハードルが高すぎる
このアプリの最大の弱点はアプリの効果を発揮するために国民の6割がインストールして正確に利用し続けなければならないことが挙げられます。
他アプリの普及率を見てみると、あのTwitterでも4500万人(35.7%)、Instagramが3300万人(26.2%)、Facebookが2600万人(20.7%)と、基準の半分に満たしていません。。
目標となるのはLINEで8400万人(66.7%)ですが、新型コロナウィルス感染による重症化が懸念される高齢者にインストールさせるのは相当ハードルが高いことが想定されます。
想像してみてください、あなたのおじいちゃんやおばあちゃんにこのアプリ以前にスマホから説明する時間と手間を。。
デメリット2 情報漏洩リスクによるプライバシーのリスク
「お互いに分からないようプライバシーを確保して」
という仕様のため、過去14日間の行動履歴が保有され、どこで陽性者と15分以上接触していたか、その場所や相手、時間はわからない仕組みになっています。
しかし、本当にそうなのか、行動を常時把握されてしまうような気持ち悪さを感じてしまう人も多く、それが普及率の足を引っ張る可能性が高いはずです。
デメリット3 OSが古いとインストールできないうえ、Bluetoothをオンにし続けるバッテリー消耗が激しい
最新OSであればサクッとインストールして、Bluetoothを一日中つけっぱなしでも大丈夫かもしれません。
しかし、中にはOSが古いままの機種を使っている人も多く、インストールできなかったり、スマートフォンのBluetoothをオンにしている状態だとバッテリー消耗に耐えられない可能性もあります。
接触確認アプリ「COCOA」メリットやデメリットそれぞれ3つ考察 おわりに
いかがでしたでしょうか。
やはり6割が使う必要がある普及率のハードルが気になりますよね。
お隣の中国の類似アプリを見てみると、氏名はもちろん、連絡先から行動履歴等を管理できるうえ、公共交通機関へ乗る際はアプリで健康状態を証明させる徹底ぶりです。
韓国の類似アプリの場合、濃厚接触者はインストールが必須で位置情報とリンクさせることで追跡を容易にしています。
日本の場合、プライバシーを侵害しないよう個人情報を徹底的に守る仕様のアプリとなっており、その反面、位置情報や住所・氏名・電話番号もわからないので、この先、国民6割インストールして機能しても、誰と誰が濃厚接触したのか把握できず、他国に比べて不安だけを煽るアプリになってしまうのは否めません。
そしてプライバシーは守られていると言われても、専門的な技術が分からない人にとっては「本当かよ?」と、気持ち悪さは拭えない人も多いのではないでしょうか。
本当に機能させるためにはある程度の強制力を持って足並みをそろえる必要があると思いますが、マイナンバーと同じで非常に難しいのではないかと思います。
個人情報を守っても命を守れなければ意味がないと思ったあなた、今すぐインストールしておきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。