あなたは「終活」という漢字を見てどう思いますか?
シューカツといえば、30代くらいまでの方は就職活動の「就活」を思い浮かべるのでは?
ここ数年、就活とは異なる意味で「終活」という言葉がさまざまな場面で聞かれるようになりました。
高齢者を中心に若い世代にも馴染みの深い言葉となった「終活」ですが、あなたはその意味や事例をご存知でしょうか。
この記事では、終活とは何かということや、終活の具体的な事例について詳しくご紹介するほか、終活ノートやその使用例についても、わかりやすくご紹介していきます。
終活とは何か?
終活とは、「人生の終末を自分らしく過ごすために、必要な準備をすること」です。
この言葉の意味には、
・高齢を迎えた自分の人生を、より充実させるための活動
・自分の死に向き合い、残された家族に迷惑をかけないように行う作業
の2つの意味がこめられています。
終活を始めるための年齢制限はありません。
一般的には60代から70代くらいで始める方が多いものの、もっと若い年齢で終活を始められる方もいらっしゃいます。
若いうちから始める理由としては、より計画的・具体的に終活の準備をすすめるためには、体力・気力ともに充実していて、頭の回転もしっかりしているうちに、十分な時間をかけて、専門家や家族とも具体的に話をする方がスムーズに事が進むからです。
じっくりと腰を据え、自分の人生の終末期をよりよく過ごすために、準備を進めていく必要があると言えるでしょう。
終活の具体的な事例は?
それでは、終活の具体的な事例はどのようなものでしょうか。
終活の具体的な事例は、大きく分けて10項目あると言われています。
① 介護
…どこで、誰に介護してもらいたいのか。どのようなサービスを受けたいのか。
② 葬儀
…どのような規模の葬儀を希望するのか。宗教・宗派などの確認。または葬儀を希望しないのか。
③ お墓
…誰に管理をまかせるのか、どんな弔いを望んでいるのか。
④ 病院
…万が一の病気などで医療が必要になった時、どの病院で治療を受けたいのか。また、どの医師に担当してもらいたいのか。
⑤ 住まい
…終の住まいにはどこを選ぶのか。自宅を選ぶか、施設を選ぶか、など。
⑥ 保険
…医療保険や生命保険などの見直し。
⑦ 延命治療・臓器提供
…延命治療や臓器移植を希望するか。それらの可否を明確にする。
⑧ 遺言書の作成
…遺言書を作成するかどうか。必要な場合はなるべく専門家に相談する。
⑨ お金・財産
…終活に必要な費用や、老後の賃金の計算。死後の財産分与などを詳しく考えておく。
⑩ 不用品の処分・整理
…断捨離を行う。残すもの似関しては、保管場所・保管方法を決めておく。
これらの項目を細分化することも可能ですが、終活に取り組む際、まずはこの10項目について理解しておくとよいでしょう。
ひとつひとつの項目をクリアしていき、明確にすることが大切です。
終活ノートとは?
終活を具体的に行う際、必要不可欠なのが『終活ノート』の存在です。
終活ノートとは、自分のこれまでの歴史や友人関係、財産状況や死後の葬儀のことなどを書いていくノートのことです。
先述した終活のための項目をメモするためにも有効ですし、終活ノートをつけることで、これまでの自分の人生を見つめ返すきっかけになります。
自分の死後に遺族が終活ノートを見ることで、生前に伝えきれなかった自分の意思を理解してもらえる手立てともなるでしょう。
現在、終活ノートには様々な市販のものが存在します。
都市部の大型書店には、さまざまな種類の終活ノートが販売されていますし、Amazonなどのオンラインショップにも、多数の終活ノートが販売されています。
また、手書きのノートではなく、パソコンのワードソフトなどでオリジナルの終活ノートを作成する方も多いようです。
終活ノートの形式を選ぶ際には、特に自分が重視したいもの(自分史を多く書きたいのか、葬儀について詳しく書きたいのか・・・など)に特化しているものを選ぶ必要があるでしょう。
終活ノートの具体的な使用例は?
それでは、終活ノートの具体的な使用例についてわかりやすくご紹介します。
終活ノートの主な役割は「自分の死後、または死の間際にあたって伝えておきたいこと」を書くことです。
終活ノートの書き方については、ルールや形式の縛りはありません。
日記のように書いてもいいですし、写真や書類などを添付して書くことも、チェックリスト方式で書くことも可能です。
書き方の例をご紹介しますので、先述の10項目と合わせて、自分らしく応用していくとよいでしょう。
① 自分自身について書く
終活ノートにぜひ書いておきたいのが、自分自身のことです。
名前や生年月日などの基本情報はもちろんのこと、本籍地やアレルギー、かかりつけの病院や持病、普段の服用薬などを詳しく書いておくことで、急な病気や入院にも慌てずにすみます。
また、現在住んでいる家や、光熱費などの契約先、家賃などの支払い方法について記しておくことで、万が一家に帰れなくなった際、誰かに家のことを頼みやすくなるでしょう。
② 家族へのメッセージを書く
普段はなかなか伝えにくい感謝の気持ちや、懐かしい思い出など、ノートだからこそ伝えられるメッセージを書くのはよいでしょう。
写真や思い出の品をノートに添えるだけで、残された家族にとってはより大切な思い出となるでしょう。
③ 借金・資産情報を書く
現在の借入金やローンを明確にしておくことは大切です。
また、自身に借金のある場合には、その借金の詳細を書いておくようにしましょう。
借金などの負債も相続の対象となるため、残された家族に迷惑がかかないよう、お金関係については特に、詳細な記入が必要です。
また、自身の所有する貴金属類、自動車、高級時計などのブランド品など、財産についても明確にしておきましょう。
人にお金を貸している場合も、合わせて記入することが大切です。
終活とは何か?事例や終活ノートについてもわかりやすくご紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。
この記事では、終活の具体歴な事例や、終活ノートの使用例について、わかりやすくご紹介しました。
終活を始めるタイミング・終活ノートを書き始めるタイミングは、特に決まっていません。
しかし、確実なことは、元気なうちに取り組むことでより自分の想いを正確に残すことができるということです。
家族が集まって話しやすいお正月、お盆の時期などに、改めて終活について話し合ってみるのもいいかもしれませんね。
より良い人生の終盤を過ごすため、そして自分の生涯に後悔を残さないためにも、今からじっくりと準備を始めるとよいでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。