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冠水とは?浸水との違いや冠水マップの活かし方もわかりやすくご紹介

梅雨に入り、大気が不安定な状態になりやすくなっていることで、日本各地で深刻な水害が起こるようになりました。

 

特に今年2020年7月時点で、熊本県を中心にした豪雨被害は77人もの命を奪い、9人が行方不明となりました。

 

今後は台風の上陸が多くなる季節に突入しますので、ますます気をつけて過ごしていきたいところです。

 

この記事では、水害の際に大きな問題となっている”冠水”について、

 

浸水との違い冠水マップの活かし方などをふまえながらわかりやすくご紹介していきます。

 



 

冠水とは?

そもそも、”冠水”とはどのような状態のことをあらわす言葉なのでしょうか。

 

冠水とは、住宅などではなく「田畑」および「道路など」が水に浸かってしまった状態を指し、

 

台風や集中豪雨の影響で河川が氾濫し、道路であるはずの場所が水溜まりのようになってしまった状態のことです。

 

「冠」という言葉は、田畑や作物、道路などが水をかぶって覆われてしまう状態を表していると考えられます。

 

冠水した道路で特に気をつけなければならないのが、車での走行です。

 

冠水した道路で車を運転する際には、大きな危険が伴うからです。

 

たとえば、車のエンジンルームには多くの電気系統が集中しています。

 

冠水した道路を走ることでこれらの電気系統が水浸しになってしまうと、エンジンの停止やショートを起こしてしまうなどの危険性があります。

 

また、ショートが起こることで車が発火したり、車両火災が起こる可能性も考えられるのです。

 

次に考えられるのが、閉じ込めなどのリスクです。

 

冠水した道路は、見た目だけではどのくらいの深さがあるのかわかりません。

 

実際に冠水した道路を走っていると、思ったよりも水深が深かったという場合もあるでしょう。

 

もしも、冠水した道路の水深が深かった場合、水圧でドアが押されてしまい、内側から開かなくなってしまう恐れがあるのです。

 

ドアが開かなくなってしまえば、最悪窓から抜け出したり、救助してもらえる可能性もありますが、

 

電気系統がショートしてしまっていれば、窓を開けることすらできない状態になってしまいます。

 

これらのおそれがあることから、冠水した道路を走ることは避けた方がよいでしょう。



冠水と浸水の違いは?

それでは、よく耳にする“冠水”と“浸水”との違いは何でしょうか。

 

“浸水”とは、洪水による河川などの氾濫によって「住宅など」が水に浸かる状態のことをいいいます。

 

ある場所が水に浸かってしまうという意味では、“冠水”と同じような言葉です。

 

また、浸水には“浸水深”という、浸水した地面から水面の高さを表す言葉があり、その深さによって浸水の目安を測る役割があります。

 

ここからは、浸水深を表す言葉をご紹介させていただきます。

 

1. 大人の膝まで水に浸かった状態。0~0.5m。床浸水という。

2. 床上浸水…大人の腰まで水に浸かった状態。0.5~1.0m。床浸水という。

3. 1階の軒下まで水に浸かった状態。1.0m~2.0m。

4. 2階の軒下まで水に浸かった状態。2.0m~5.0m。

5. 2階の屋根以上まで水に浸かった状態。5.0m~。

 

これ以上浸水深が深くなり、地上にあったものが水中に没して姿が見えなくなる状態になると、“水没”という言葉が使われます。

 

水没には、住宅や道路など、場所の限定はありません。

 

浸水や冠水だけでも、普段の生活に大きな影響を及ぼしてしまいますが、水没となってしまうと本当に恐ろしい状況ですよね。

 

日々、災害対策には気をつけていきたいものです。

 

冠水に注意したいアンダーパスとは?

実は、道路には場所によって冠水しやすいところと、そうでないところが存在するのです。

 

特に冠水に注意したいのが、「アンダーパス」と呼ばれる、掘り下げられた道路です。

 

このアンダーパスは都心や都心に近い都市に多く存在していて、豪雨や台風の際に冠水しやすいといわれています。

 

アンダーパスは地面より深いところに作られた道路です。

 

そのため、水が自然とアンダーパス内に流れていってしまうのです

 

また、短時間で大量の水が流れ込んでしまったアンダーパスは、水と一緒に流れてきたゴミ、

 

葉っぱなどが排水口を詰まらせてしまい、短時間のあいだにアンダーパス内が冠水してしまうという悪循環です。

 

また、アンダーパスの内部は、外からは非常に見えにくい状態になっています。

 

アンダーパスに侵入する際にはさほど冠水しているように見えなくても、中腹部分では完全に冠水してしまっている、

 

というのはよくあるケースです。

 

このため、豪雨の際に急いで帰ろうと思って

 

「まだ車で通り抜けられるのでは?」

 

とアンダーパス内に侵入した結果、中腹部分で身動きが取れなくなり、

 

最悪の場合水没してしまう可能性もあるので注意しましょう。

冠水マップの活かし方とは?

水害に備え、冠水してしまう道路を確認できる方法があれば、非常に心強いですよね。

 

そこで活用したいのが、国土交通省がアップしている、道路防災情報WEBマップ(道路に関するハザードマップ)です。

 

使い方は非常に簡単です。

 

国土交通省のサイトにアクセスし、道路防災情報WEBマップ(道路に関するハザードマップ)をクリック。

 

マップ内にある自分の住んでいる地域をクリックし、道路防災情報WEBマップというページに飛びます。

 

ページ中ほどの“マップから探す”をクリックし、調べたい都道府県のチェックボックスを選択すれば、

 

冠水しやすいアンダーパスの場所が出てきます。

 

地図の画面は拡大することができますので、ご自分の住んでいる地域や、仕事で使う道などを探してみましょう。

 

あらかじめ危険な場所を調べておくことで、豪雨や台風などの災害時に、危険な箇所を走らないで済みます。

 

冠水マップをうまく活用し、災害時に自分の命を守りましょう。

 



 

冠水とは?浸水との違いや冠水マップの活かし方もわかりやすくご紹介 おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

この記事では、水害の際の冠水について、浸水との違いや冠水マップの活かし方も含めてわかりやすくご紹介しました。

 

自然災害は避けられないものではあるものの、

 

正しい知識と対策方法を知っておくことで、リスクを減らし、ご自身の命や大切な人を守る防災や減災につなげることができます。

 

何もない時に調べるモチベーションは低くなりがちですが、普段から冠水マップなどをチェックし、

 

もしもの時に安全に過ごすことができるよう、防災意識をしっかりと持っていることが大切です。

 

新しく住宅を購入する際や引っ越しをする際にもぜひ参考にしてみてくださいね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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