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ウィーワークとは?ソフトバンクの出資額や現在の損失について考察

働き方改革が叫ばれ、新型コロナウィルスが蔓延する昨今、

会社のオフィスよりも密を避けられる環境としてもニーズがあるのがコワーキングスペース

 

あなたはコワーキングスペースってご存知ですか。

 

簡単にいうと、色々な人が集まって共同で仕事をする場所です。

 

共同の会議室や打ち合わせスペースもあり、個人で使えるスペースもある、

ここまでは普通の会社のオフィスのイメージが強いと思いますが、

大きく異なるのが人の属性です。

 

コワーキングスペースでお仕事される方のほとんどが同一の組織に所属しておらず、

個人事業主の方や、起業家、フリーランスの方が利用されていることが多いのです。

 

メリットはフリーwifiやフリードリンク、シャワースペースなどの設備も整っており、

個人でこの環境を用意することによるコストを削減できることや、

駅から近い立地などの利便性

さらに、他の働く人と価値観を共有することで生まれるイノベーションなどがあげられます。

 

コワーキングスペースを提供している会社は世界中に多数ありますが、

今回はあのソフトバンクが出資していたことで話題となった

 

ウィーワーク

 

について、ソフトバンクの出資額や現在の損失の面について考察していきたいと思います。

 



 

ウィーワークとは?

ウィーワークWeWork Companies, Inc.

アメリカ・ニューヨークに本社がある、

起業家向けのコワーキングスペースを提供する企業です。

 

コワーキングスペースを提供する、オフィスシェア事業のウィーワークの他に、

共同生活型デザインのアパート運営のwelive、

小学校を運営するwegrow、

フィットネスジムのRise by Weなど、

他にも3つの事業があります。

 

その中でもウィーワークは29か国111都市に528か所以上の物理的な拠点(ロケーション)を有し、

50万人のメンバーにコワーキングスペースや、

WeWork Commonsというビジネスネットワークを提供しています。

 

また、昨今のコロナ禍でもウィーワークでは清掃業者と契約し、

共用エリアを頻繁に清掃・除菌を行い、消毒剤を各所に配置、

利用方法に関する注意書きを設置するなどして、

メンバーが安全に、安心して仕事を行えるように努めています。

 

日本では2018年初めに東京ロケーションを設置。

2020年7月21日現在、

日本では東京(28か所)、横浜(1か所)、名古屋(1か所)、大阪(3か所)、神戸(1か所)、福岡(2か所)の計36か所

コワーキングスペースを展開しています。

 

ここまで聞くととても勢いのある会社かと思いますよね。

しかし、近年は不穏なニュースも報道されています。

 

2019年秋、新規株式公開(IPO)の撤退に追い込まれ、

一時470億ドル(2019年1月)を付けた評価額も、

最高額から半年後の2019年10月には

80億ドルにまで評価額を急落させてしまいました。

 

一体どのような理由で急落したのでしょうか。

投資の面から紐解いていきましょう。

ソフトバンクの出資

時はさかのぼり、2017年3月。

 

当時ウィーワークの起業家は200億ドル評価でした。

そのときにソフトバンクはグループ会社で当時設立したばかりの

ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF)から

3億ドル(日本円当時約340億円)を出資し、

以後、SVFから

2017年8月に30億ドル(企業価値200億ドル評価。日本円当時約3275億円)

さらにこの時、同時に子会社3社へ14億ドル(日本円当時約1528億円)を出資、

2018年8月に10億ドル(企業価値420億ドル評価。日本円当時約1109億円)、

2018年11月に30億ドル(企業価値420億ドル評価。日本円当時約3418億円)、

2019年1月に20億ドル(企業価値470億ドル評価。日本円当時約2176億円)、

と約2年で約1兆1846億円とすさまじい額の出資を行ってきていました。

 

しかし、ここに暗雲が立ち込めます。

 

2019年8月に株式上場のための情報開示で公開された事業内容がひどいと酷評されたことから始まり、

その後、海外の大手3銀行が、ウィーワークの当時の最高経営責任者(以下、CEO)アダム・ニューマン氏に

同社株式を担保とする巨額の個人貸付を行っていたことが報道されました。

 

2019年7月時点の元金残高は3億8000万ドル。(日本円当時約411億円)

新規株式公開(IPO)を直前に控えたところにこの報道で、

最大株主のソフトバンクグループはIPO計画の延期を求めました。

 

まぁ事業計画はお粗末、そして会社を担保に多額の個人貸し付けを受けているとなると

当然といえば当然ですね。

そしてついに2019年9月、当時CEOのアダム・ニューマン氏はCEOを辞任。

その後、ソフトバンクは2019年10月末、95億5000万ドル(内、出資45億ドル(日本円当時約4900億円)、

融資50億ドル(日本円当時5440億円)、企業価値80億ドル評価)の巨額の投資を発表しました。

 

しかし、アダム・ニューマン氏は会長職にはとどまり、

過半数の議決権も引き続き保持したままという

退任した意味はあるのかと疑問になる対応だったことは確かです。

 

ここまでの流れが原因か、

ソフトバンク株は2020年3月、3年超ぶりの安値を付けることになりました。

 

2020年3月17日、米紙ウォールストリート・ジャーナルは

ソフトバンクグループがウィーワークの既存株主から

30億ドル(約3225億円)相当の株式を買い取るとした取り決めについて、

実行に後ろ向きになっていると報じています。

 

実際、ウィーワークの株主に対し、30億ドル(約3225億円)相当の株式を購入するとした合意を

撤回する可能性があると通告を行っています。



ソフトバンクからウィーワークへの出資額・損失額は?

ここまでのソフトバンクの出資額を合計していくと、

約1兆6764億円、それに合わせて融資は5440億円

目玉の飛び出るような巨額の出資となっています。

 

損失について詳細は発表されていませんが、

ソフトバンクグループは2020年4月末に前期(2020年3月期)の

最終損益が9000億円の赤字と改訂し、発表しています。

 

2020年4月中旬の発表では7500億円の赤字と発表されていましたが、

ウィーワーク関連の損失を新たに計上し、再度の赤字発表となってしまったようです。
 



 

ウィーワークとは?ソフトバンクの出資額や現在の損失について考察 おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

世界中のフリーランスの方にはなじみのあるコワーキングスペース

その最大手であったウィーワークが、実は資金繰りについていろいろと取りざたされていること、

また、最大株主が日本の企業である、ソフトバンクであること、

今年2020年にソフトバンクが大赤字を計上した原因の一部がわかってきたのではないでしょうか。

 

もちろん、コワーキングスペース事業等、事業そのものを批判する意図はありません。

いくらCEOとはいえ、公私混同しては周りに多大な迷惑をかけてしまいますよ

ということがよくわかる事例として紹介しました。

 

ソフトバンクの孫正義さんにはここからまた立て直しを図ってもらいたいものです。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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