あなたは日本が抱える少子化という問題をご存知でしょうか。
日本では年々出生数は下がる一方で、2019年にはついに90万人を切ってしまいました。
将来のためにも少子化は解決しなければならない問題ですが、
多くの人が、日本政府の少子化対策をよくわかっていません。
子どもが欲しいけどお金がないし、職が不安定だから‥と不安に感じているあなた。
今回は2003年から施行された「少子化社会対策基本法(しょうしかしゃかいたいさくきほんほう)」の内容について、
わかりやすくご紹介していきたいと思います。
少子化問題を解決するためには社会から変えていかないといけないのはわかった。けど、そのために日本は何をしているのかな?
2003年、少子化を抑制するために『少子化社会対策基本法』が制定された。この法律は、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらす急速な少子化進展への対策を目的としておる。少子化社会において考え得るべき施策の基本理念を明らかにし、少子化に的確に対処するための施策を総合的に推進することを規定した法律なのじゃ
へー。日本の少子化社会対策の基本となる法律なんだね。どういう内容なの?僕にもわかりやすく噛み砕いて教えてよ
少子化社会対策基本法の目的とは?
少子化社会対策基本法は、少子化に対処するための施策を総合的に推進するために制定された法律で2003年に成立しました。
基本的施策としては以下3点が挙げられます。
・雇用環境の整備
・保育サービス等の充実
・地域社会における子育て支援体制の整備など
また、この法律では内閣府に少子化社会対策会議を設置することを定めています。
少子化社会対策基本法の目的は少子化に対処するための施策を総合的に推進し、それによって国民が豊かで安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することじゃ。法令の第二章の『基本的施策』の項目で基本理念が示されている。その内容は以下の通りじゃ
・父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有する
・上記の認識の下に、国民の意識の変化、生活様式の多様化等に十分留意する
・男女共同参画社会の形成とあいまって、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次代の社会を担う子どもを安心して生み育てることができる環境を整備する
・以上のことをを旨として講じなければならない
要するに多様化していく社会に適応した上で、家庭や子育てに夢を持てるように法整備をしよう、といった内容じゃ
少子化社会対策基本法の内容についてわかりやすく紹介
では、少子化社会対策基本法の内容を確認してみましょう。
法令の構成は
前文
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 基本的施策(第十条―第十七条)
第三章 少子化社会対策会議(第十八条・第十九条)
となっております。
それぞれの概要について説明します。
①前文
少子化社会対策基本法では他の法律では見られない長い制定文が記載されておる。厚生労働省の示す『少子化社会対策基本法の概要』によると前文は以下の通りじゃ
21世紀の国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらす急速な少子化の進展という事態に直面して、
家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次代の社会を担う子どもを安心して生み育てることができる環境を整備し、
子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、
子どもを生み育てる者が真に誇りと喜びを感じることのできる社会を実現し、
少子化の進展に歯止めをかけることが求められていること等から、少子化社会において講ぜられる施策の基本理念を明らかにし、
少子化に的確に対処するための施策を総合的に推進する。
長いよ、、もっと区切ってほしい、でも、少子化対策に取り組む意気込みが伝わってくるね
② 総則
総則では目的及び政策の基本理念、責務、政府が講じるべき政策について述べられています。
基本理念については先程説明したので、責務と政府が講じるべき政策について説明します。
・責務
この法律では『家庭をもち子どもを生み育てることができる社会の実現』に努めることを国民の責務として規定しておる。
責務については、国、地方公共団体、事業主及び国民でそれぞれ規定するとされておる
・政府が講じるべき施策
少子化に対処するための施策の指針として、総合的かつ長期的な少子化に対処するための施策の大綱(たいこう)を定めることが決められておる。
それについてはまた後で説明するが、法制上必要な財政上の措置等を講じることや、 毎年、国会に、少子化に対処するために講じた施策の概況等に関する報告書を提出することも決められておるのじゃ
③基本的政策
基本的政策では具体的な政策について述べている。生活環境の整備、経済的負担の軽減、教育及び啓発の基本的方向を規定していて、以下の内容が盛り込まれておるぞ
・雇用環境の整備
・保育サービス等の充実
・地域社会における子育て支援体制の整備
・母子保健医療体制の充実
・ゆとりのある教育の推進
盛りだくさん!これが全部実現すれば幸福な社会になれるね!
④少子化社会対策会議
少子化に対処するための施策の大綱の案を作成するため、内閣府に少子化社会対策会議を置くことが決められておる。
会議は、内閣総理大臣を会長とし、委員は、内閣官房長官、関係行政機関の長等から、内閣総理大臣が任命する。
この少子化対策会議において『少子化社会対策大綱(しょうしかしゃかいたいさくたいこう)』が閣議決定されるのじゃ
さっき言っていた大綱のことだね!で、少子化社会対策大綱ってなに?
少子化社会対策基本法に基づく、総合的かつ長期的な少子化に対処するための施策の指針のことじゃ。2004年、2010年、2015年に閣議決定された。そして2020年第4次の大綱が決定したぞ
なるほど。少子化社会対策会議で、少子化社会対策について方針を決めて大綱として閣議決定するってことだね。少子化対策の方針はその年ごとに更新されていくわけか。新しい大綱の内容を知りたい!
では、2020年版の少子化対策大綱について調べてみよう
少子化社会対策大綱2020の概要をご紹介
2020年、少子化社会対策大綱の4回目が決定しました。
概要のタイトルには「結婚、妊娠子育てに温かい社会の実現をめざして」と記載があり、
重点課題として以下の5つがあげられています。
①子育て支援政策を一層充実
「子ども・子育て支援新制度」の円滑な実施が求められておる。
具体的な内容としては一時預かりや多様な保育の充実、待機児童の解消などじゃ。
保育士の確保や放課後児童クラブの受け皿を整備するなどの方針を立てておる
うむ、この問題が解決せねば、女性の社会進出は進まぬ。財源を確保しつつ、『量的拡充』と『質の向上』を目指していくのじゃ
②若い年齢での結婚・出産の希望の実現
若者が結婚・出産できるよう、経済的基盤の安定、結婚に対する取り組み支援を行う予定じゃ
まずは若い人たちがちゃんと正社員になれるようにしてもらわないとね
その通り。非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善が求められる。また、高齢世代から若者世代への支援促進として、結婚・子育て資金一括贈与非課税制度(こそだてしきんいっかつぞうよひかぜいせいど)の期限を2年延長する。さらに若年者や低所得者への経済的な負担の軽減を盛り込んでおる
わーい!これで結婚がしやすくなるね。……でも、相手が見つからない。どうしよう
自治体や商工会議所による結婚支援もあるぞ。婚活を支援してくれる自治体もるあるのじゃ
③多子世帯へ一層の配慮
子育て・保育・教育・住居などの負担軽減や自治体・企業・公共交通機関などによる多子世帯への配慮優遇措置(はいりょゆうぐうそち)の推進が行われるぞ
子ども3人目以降は教育費無償とか色々な優遇措置があるんだ!有効活用できるといいね
④男女の働き方改革
男性の意識・行動改革として、長時間労働の是正が行われる。また、企業経営者等の意識を変えて、男性の育児休暇を取りやすくするなどの改革を行っていくのじゃ
うむ、日本人は働き過ぎなのじゃ、さらに女性の継続就労やキャリアアップの支援も行う予定じゃぞ
共働きが当たり前の時代だもんね。子育て中の女性がバリバリ働けるように支援してくれると助かる!
⑤地域の実情に即した取組強化
地域少子化対策強化交付金等により、地域の『強み』を活かした取り組みを支援していく予定じゃ。国と地方が密に連携して、その地域に合った少子化対策を練っていこうという考えじゃな
国と地方で連携して少子化に取り組んでいくのはいいね。地域で試してみて成功した方法があったら国で取り入れてみてもいいよね
この他にも少子化に対して様々なアプローチを仕掛けるべく方針をまとめておる。少子化社会対策大綱は内閣府のホームぺージからチェックできるのでぜひ見てみてほしい
少子化対策の少子化社会対策基本法とは?目的と内容をわかりやすく紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。
国は私たちの税金で様々な方法で少子化対策を行っています。
少子化を止めるためには社会の基盤から変えていかなくてはいけません。
そのためには1人1人自覚を持って、国の政策を確認していく必要があります。
日本も危機感をもって少子化対策を色々考えているんだね
子どもが少ないことは近い将来日本の国力を決定的に弱めることになるからのう
対策は良いことばかり謳ってるけど、実現するのって本当に難しいよね。でも、みんなが働きやすくて子育てもしやすい理想の世界を目指していきたいよね
うむ、日本人が働いて収めている税金が、社会をよりよくする目的で正しく使われるべきじゃろうて
少子化対策って大き過ぎる問題で解決には様々なアプローチが必要になってくるもんね
皆で知恵を出し合ってより良い未来を目指すのじゃ。そのためには勉強は欠かせないぞ
僕はまず婚活からはじめるとするよ、ちょっと自治体に紹介してもらいに行ってくる!
最後までお読みいただきありがとうございました。